5月の鉱工業部門は緩やかな回復傾向を示す

 世界金融危機後のブラジル国内の鉱工業部門は大幅に落込んでいたが、5月の鉱工業部門の伸び率は連邦政府の資本財部門への工業製品税(IPI)の免税や減税措置の効果が表れてきて前月比1.3%増加、緩やかな回復傾向を示してきている。

 しかし5月の鉱工業部門の伸び率は前年同月比では11.3%、過去12ヶ月間でも5.1%とそれぞれ大幅に落込んで統計を取り始めた1991年以来では最悪となっており、今年5ヶ月間でも13.9%と大幅に落込んでいる。

 5月の耐久消費財部門は前月比3.8%増加して鉱工業部門の平均を大幅に上回っており、特に昨年12月からIPI減税措置が適応された自動車生産部門は10月まで継続されるが、その後は徐々に減税幅が縮小されて来年1月には中止される。

 白物家電の減税措置は4月後半から開始されて第4四半期の初めまで継続されるが、5月の白物家電生産は前年同月比0.9%増加、また5月の自動車生産は前月比2.0%増加してIPI減税効果が表れている。

 しかし自動車生産は前年同月比では8.5%、第1四半期は17.0%とそれぞれ大幅に落込んでおり、投資用資本財は22.8%と最も落込みが大きく、中間財はマイナス13.8%、耐久消費財マイナス13.7%とそれぞれ大幅に落込んでいるが、非耐久消費財はマイナス1.8%に留まっている。

 5月の医薬品生産は前月比では9.7%、情報機器6.6%、電気材料3.2%、金属3.1%、飲料は2.2%とそれぞれ増加したが、鉱業-14.2%、ゴム・プラスティック-20.3%、機械・装置-28.0%とそれぞれ大幅に落込んでいる。{2009年7月3日付けエスタード紙}

 

 

ニールセン消費者景況感調査でブラジルは世界平均を上回る

 ニールセン社が50カ国の2万5,140人を対象に行なった世界消費者景況感調査で、ブラジルは前年下半期の景況感指数109%から88%と大幅に下げたが、世界平均の77%を大幅に上回っている。

 またラテンアメリカの平均82%を上回っているが、インドネシア104%とデンマーク102%はほとんど前年下半期と変わりがなかったが、米国は80%、中国は89%となっている。

 BRICs諸国では中国以外は景況感指数が10%以上減少、77%のブラジル人はリセッション入りしていると感じているが、インタビューした全体の65%は今後12ヶ月間内の世界経済の回復を見込んでいない。

 また81%のブラジル人は今後数ヶ月以内の雇用情勢は良好に推移すると見込んでおり、ラテンアメリカの74%を大幅に上回っている。

 ラテンアメリカ地域ではチリの景況感指数が前年下半期の81%から76%、メキシコは82%から75%、アルゼンチンは94%から78%、コロンビアは96%から88%、ヴェネズエラが96%から83%とそれぞれ落込んでいる。{2009年7月3日付けエスタード紙}
 

 

 

Speedyは再度インターネット接続で問題発生

 国立電気通信庁(Anatel)からテレフォ二カ社に対して消費者向けインターネットサービスSpeedyの販売を禁止されて、改善策の提出を求められていたが、昨日午後からインターネット接続で再び問題が発生していた。

 テレフォ二カ社ではインターネット接続のインフラ網の安定性の問題であると説明しているが、Anatelではテレフォ二カ社から先月26日に改善策を提出されていたが、昨日のインターネット接続問題を問題視している。

 260万人がSpeedyサービスを契約しているが、インターネット接続やスピードでたびたび問題が発生して未だに改善されていないが、解約に非常に時間がかかるために継続して契約している消費者も多い。{2009年7月3日付けエスタード紙}

 

 

不法滞在外国人に特赦

 昨日、ルーラ大統領は先進国で不法滞在しているブラジル人に対して人道主義的扱いを求める意味でも、今年2月までに入国して不法滞在している外国人に対する特赦のサインを行なった。

 今回の特赦では20万人の不法滞在外国人が恩恵を受けると見込まれているが、今年の年末までに手続きを行なわなければ恩恵が受けられないが、最後の特赦は1998年に行なわれて3万9,000人が恩恵を受けた。

 海外在住のブラジル人は250万人から400万人と見込まれているが、ブラジル在住の正規滞在外国人は88万人、そのうちポルトガル人が最も多く27万人、日本人9万人、イタリア人7万人、スペイン人6万人、アルゼンチン人4万人、ボリビア人、パラグアイ人や中国人はそれぞれ3万人以上となっている。

 特にボリビア人と中国人が特赦の大半を占めると見込まれているが、不法滞在で正規の就職が出来ないために不法商人から搾取されているのが現状であり、特赦で一般国民と同じ権利が得られる。

 過去数年間にスペインやポルトガルではブラジル人に対して煩わしい問題が発生しているが、今回の特赦はイタリアで開催されるG8サミットで先進国が採用している不法滞在外国人に対する処遇の違いを強調できる。{2009年7月3日付けヴァロール紙}

 

 

6月の貿易黒字は46億2,000万ドルを記録

 6月のブラジルの貿易は輸出が前月の119億8,000万ドルから144億7,000万ドルと大幅に上昇、輸入は93億3,000万ドルから98億4,000万ドルと僅かに上昇したために、46億2,000万ドルの黒字を計上して過去30ヶ月間では記録を更新している。

 しかし6月の輸出は未だに世界金融危機の影響を受けて、世界的に貿易が収縮しているために前年同月比22.2%減少しているが、輸入は国内経済の停滞で38%減と輸出減少を大幅に上回る減少幅を記録しているために、大幅な貿易黒字となっている。

 今年上半期の輸出は前年同期比22.2%減の699億5,000万ドル、輸入は28.9%減の559億6,000万ドル、貿易黒字は23.8%増加の139億9,000万ドルを記録している。

 上半期の第一次産品の輸出は前年同期比7.4%、完成品は30.6%、半製品は26.9%とそれぞれ減少、前年同期の第一次産品の輸出比率は35.3%であったが、今年の6月末にはコモディティ価格の回復で42%まで上昇しているが、完成品輸出比率は62%から56%に低下している。

 6月の輸出は世界金融危機の影響を大きく受けていた1月よりも32.6%増加、特に製糖、アルミ、医薬品、化粧品、バスやプラスティック製品の輸出が回復してきている。

 上半期は国内経済停滞による設備投資の減少で資本財の輸入が13.7%減少、原材料や中間財は32.45減少、消費財輸入は非耐久消費財である食料品の輸入が2.9%上昇したために僅かに7.0%の減少に留まっている。

 今年上半期の輸出はアジア向けがラテンアメリカやヨーロッパ連合国向けを上回って輸出比率が26.8%とトップ、ヨーロッパが22.9%、ラテンアメリカ20.8%であった。

 昨年上半期のアジア向けの輸出比率は18.0%、ラテンアメリカ25.7%、ヨーロッパは24.4%であったが、今年上半期は中国向け輸出がコモディティ商品を中心に42.3%増加して初めて首位となった。

 今年上半期の米国向け輸出は43.3%、ヨーロッパ27.2%、メルコスールは40.3%とそれぞれ大幅に減少、中国向け輸出は104億5,000万ドル、輸入は67億7,000万ドルで貿易収支黒字は36億8,000万ドルを記録している。

 中国向けの主な輸出製品は大豆、鉄鉱石、パルプ、銑鉄、エチレンを中心に42.3%増加してトップとなったが、世界経済の回復速度次第では米国向け輸出が2010年には再びトップとなる。

 今年上半期のブラジルの輸出は17.6%減少したが、BRICs諸国のロシアは47.3%、インド26.4%、中国20.5%とそれぞれブラジルよりも輸出減少している。{2009年7月2日付けエスタード紙}

 

 

第2四半期のドル為替は1999年以来の下落を記録

 今年第2四半期のドル通貨はレアルに対して15.70%と大幅に下落して、1999年にブラジルの為替制度が変動相場制に移行後では最大の下落幅を記録している。

 今年4月1日のドルはR$2.2899であったが、6月30日にはR$1.9516まで上昇してドル為替は最大の落込みを記録したが、2003年の第2四半期は14.35%と今年の第2四半期に次ぐ落込みを記録していた。

 今年上半期のドル為替は世界的のドル安傾向を反映して16.49%下落して、2003年の18.23%、2007年の17.15%に次ぐ下落幅を記録している。

 ブラジルでのドル為替の下落は好調な貿易収支黒字や海外投資家がサンパウロ証券取引所(Bovespa)への投資に戻ってきていることなどが要因となっているが、市場関係者はドル為替がR$1.85からR$1.80まで下げると予想している。{2009年7月2日付けエスタード紙}
 

 

 

LLXと中国Wiscoがリオで年産500万トンの製鉄所建設

 中国を訪問しているリオ州のセルジオ・カブラル知事は中国の武漢鋼鉄股份有限公司(Wisco)がエイケ・バチスタ氏率いるLLX社が投資総額40億ドルのリオ州のサン・ジョアン・ダ・バーラ市アスー港ですでに建設が始まっている生産能力500万トンの製鉄所建設に参加すると発表した。

 今年5月末にWisco社はEBX社グループのLLXロジスティックへの投資を発表していたが、今回の製鉄所建設では2万人の雇用創出が可能となる。

 またアスー港では岩塩下原油開発向け船舶建造向け投資がすでに行なわれており、製鉄所建設後は自動車メーカーの誘致も予定されているが、Wiscoは2010年の鉄鋼生産を300万トンと見込んでいる。{2009年7月2日付けエスタード紙}

 

 

Cクラス層の増加が止まる

 世界金融危機の影響を受けてD/EクラスからCクラスへの移行傾向が昨年から止まってきているとIpsos社とCetelen社の共同調査で判明している。

 2007年の家族の平均月収が1201レアルのCクラスは46%を占めていたが、昨年は45%に減少したが、2006年の36%から2007年には46%とCクラスへの移行は大幅に増加していたが、昨年は減少傾向に転じている。

 今回の調査はブラジルの70都市の1,500人を対象に実施、2007年のCクラスは8,620万人であったが、昨年は8,462万人と200万人近く減少している。

 家族の平均月収が650レアルのD/Eクラスは7,290万人から7,580万人、平均月収が2586レアルのA/Bクラスは2,800万人から2,930万人とそれぞれ増加している。

 4月末の六大都市圏のCクラスは53.6%を占めていたが、世界金融危機後の1月は52.64%まで減少していたが、世界金融危機の影響でブラジル人は高額商品購入を控える傾向にあり、昨年の自動車購入希望は17%であったが、今では14%まで低下している。{2009年7月2日付けエスタード紙}

 

 

第3回知的財産権保護に関する勉強会に38人が参加して開催

   在ブラジル大使館、コンサルタント部会並びにジェトロ・サンパウロセンター共催の第3回知的財産権保護に関する勉強会に、経済産業省製造産業局模倣品対策・通商室の墳崎孝之専門官を迎えて、2009年7月1日午後2時から5時まで会場一杯の38人が参加して開催、司会はジェトロ・サンパウロセンターの原宏次長が担当した。

   初めにジェトロの大岩玲ディレクターは「平成20年度ブラジル模倣品被害実態調査」の報告として今年2月から3月にかけて国内の調査会社が実施、ブラジル・パラグアイの国境封鎖作戦、サンパウロ市内、リオ市内、フリーゾンのマナウスや「友情の橋」のあるフォス・ド・イグアスでの被害状況などについて説明した。

   墳崎隆之専門官は「中国での模倣品対策の現状、チリー・ペルーでの模倣品被害実態に関するアンケート、模倣品対策への企業経営や社会貢献の調査結果の報告」について、模倣品・海賊版被害の現状として、日本企業の被害状況、中国からの模倣品の販売消費国・地域、水際での取締り強化、中国対策として日本政府の取組や官民合同訪中ミッションの派遣及び成果、産業界の取組、中南米被害アンケート調査、ペルーとチリでのアンケート被害調査、経営に貢献する模倣品・海賊版対策などについて説明した。

   日本大使館の吉村一元一等書記官は「ブラジル政府及び米国政府との模倣品対策協力の現状」について、昨年8月の2回目の勉強会に続いて、今回3回目の勉強会には更に多くの参加者が出席して関心が高まってきたことを歓迎しつつ、日本企業より提供された真贋マニュアルを税関セミナーなどで活用して日伯両国の協力体制強化を図っているほか、伯担当省庁の職員を自国特許庁に受け入れて研修を行なっている米国等ともブラジル支援のあり方等につき意見交換を強化していると説明した。

   ブラジル政府海賊品・知的財産問題対策全国評議会(CNCP)のアンドレ・バルセロス事務局長は「CNCPでの取組の現状報告」について、日本とブラジルの模倣品・海賊版被害の現状が良く一致しているが、模倣品の被害はグローバル的な問題であり、企業イメージの損害、水際作戦、税関職員の訓練、インターネットでの海賊品販売取締り、CNCPのロゴマークの意味、米国との協力関係などを説明した。

   最後にキヤノン・ド・ブラジル社の大塚順社長が「キヤノンによるブラジルでの模倣品対策の取組」について、インクジェット、バッテリーやカメラの模倣品の出荷国やブラジルへの輸入ルート、模倣品の見分け方、代理店、警察関係者や税関職員向けトレーニングセミナーや開催地、模倣品による事故や危険性などについて説明した後で、米国のビジネスネイション並びにバッテリー負荷テストのビデオで模倣品による危険性を強調した。

   最後に宮下匡之在ブラジリア日本大使館総務参事官は、講評で建設的な素晴しいプレゼンテーションに御礼を述べ、模倣品対策は粘り強く行なっていかなければならないとしつつ、大使館としてブラジル政府との更なる関係強化を図るので会員企業からもベストプラクティスを参照した情報提供等の協力をいただけるよう依頼した。

               

             第3回知的財産権保護に関する勉強会に会議室一杯の38人が参加

                           

              経済産業省製造産業局模倣品対策・通商室の墳崎隆之専門官/宮下匡之在ブラジリア日本大使館総務参事官

                           

日本大使館の吉村一元一等書記官/ブラジル政府海賊品・知的財産問題対策全国評議会(CNCP)のアンドレ・バルセロス事務局長

                              

                          平田藤義事務局長/講演したキヤノン・ド・ブラジル社の大塚順社長

                                

                              司会のジェトロ・サンパウロセンターの原宏次長/講演した大岩玲ディレクター

第1回日伯貿易投資促進合同委員会の報告会開催

   日伯経済交流促進委員会(中山立夫委員長)は今年2月19日、20日の二日間に亘ってブラジリアで開催された第1回日伯貿易投資促進合同委員会の報告会を2009年7月1 日午前10時から正午まで29人が参加して開催、司会は宮下匡之ブラジル大使館総務参事官が担当した。

   中山委員長は開催挨拶で今後100年の両国の共栄共存、資源、エネルギーや食料の確保の重要性、第1回同合同委員会の結果と第2回目の委員会の進め方などについて意見交換を行ないたいと挨拶した。

   吉村一元一等書記官は第1回日伯貿易投資委員会の結果報告として、貿易投資促進ワーキンググループ(WG)、ビジネス円滑化WG、度量衡WG並びに知的財産WGの検討項目、要望内容、対応の方向性、両国の関係機関や各ワーキンググループの優先度や進捗状況などを説明した。

   第2回委員会に向けた今後の対応として、初めに仲谷秀孝二等書記官はビジネス円滑化WGの移転価格税制では企業からの改善要望、税制改正要望の具体化のポイント、法律改正案のイメージ、通達243号/02年、更に日伯租税条約見直しの必要性などについて説明した。

   また吉村一等書記官は知財財産権WGの技術移転の円滑化として、企業側の改革要望、現状認識、今後の対応、新技術保護のための知財制度の充実、違法コピーの権利侵害への取締り強化、ビジネス円滑化WGの人材・モノ・資金の流通円滑化では、中古品輸入等の輸入・通関手続き簡素化、ビザ・取得年通の延長を説明した。

   最後に宮下参事官は今後のスケジュール案として、7月中旬にジェトロ等による個別追加調査、8月中旬にブラジル日本商工会議所で日本側要望事項の取りまとめ並びに経団連及び経済産業省に要望提出、9月15日に東京で第2回委員会ワーキンググループ会合、翌日16日の午前中に第2回委員会プレナリー会合、午後に日伯共同投資促進セミナー開催、10月にフォローアップ会合開催で第2回委員会の結果報告や第3回委員会に向けた進め方などで意見交換を予定していると説明して報告会は終了した。

          

 

日伯経済交流促進委員会の中山立夫委員長/仲谷秀孝二等書記官/吉村一元一等書記官/宮下匡之ブラジル大使館総務参事官

          

         第1回日伯貿易投資促進合同委員会の報告会には29人が参加した