5ヶ月間の経常収支赤字は53%減少

 金融危機後に外資系企業のブラジル国内の売上減少に伴う純益の低下で、今年5ヶ月間の利益・配当の海外送金は前年同期比49.8%減少の78億3,000万ドルとなって、ブラジルの経常収支赤字が減少している。

 5月の利益・配当送金は25億6,000万ドルと前年同月の32億4,000万ドルを下回ったが、3月の11億ドルを大幅に上回っている。

 今年5ヶ月間の経常収支は前年同期比53%減少の66億1,000万ドルの赤字を計上したが、利益・配当金の海外送金が大幅に減少して赤字幅が縮小している。

 中銀は今年の経常収支赤字を160億ドルから150億ドルに下方修正したが、輸入が大幅に落込んでいるために貿易収支黒字を170億ドルから200億ドルに上方修正している

 自動車メーカーの今年5ヶ月間の海外への利益・配当金送金は71%減少の6億5,900万ドル、外資系銀行は45%減少の10億6,000万ドル、今年の海外送金は170億ドルを見込んでいる。{2009年6月25日付けエスタード紙}

 

 

ルーラ大統領は減税対象の小売価格に苦言

 ルーラ大統領は減税措置が採用されている自動車や白物家電の小売価格は減税が反映されていないために、メーカーに対して更なる小売価格削減を要請、「減税措置が小売価格に反映されないのであれば、低所得者に減税分を分配したほうが消費に回るために、ブラジル経済にとってはより効果的である」と苦言している。

 今日、ギド・マンテガ財務相はルーラ大統領に自動車、白物家電並びに建材の工業製品税(IPI)の延長や資本財セクターの活性化に対する優遇政策の計画書を提出するが、29日に正式な減税政策が発表される。

 第1四半期に大幅に落込んだ建設部門へは大型投資が見込まれる”私の家、私の暮らし”の大衆住宅建設プロジェクトに対して10月に110億レアルのクレジット、建設部門向け機械・装置向け優遇策、また経済成長加速プログラム(PAC)の建設工事は年末まで継続される。

 冷蔵庫や洗濯機などの白物家電向けIPIの10%減税措置は7月中旬で期限切れとなるが、5月の販売は前年同月比20%増加と減税効果を発揮しているが、今月25日にマンテガ財務相は31小売業者代表とIPI減税措置の延長で会合を予定している。

 昨年11月の自動車販売はマイナス25.7%を記録していたが、昨年12月から開始された自動車へのIPI減税は今月末で期限が切れるが、今年5ヶ月間の自動車販売は前年同期比0.1%と僅かに減少しただけでIPIの減税効果は非常に大きいが、今後もIPI減税延長と減税率の調整が行なわれると予想されている。

 今年5ヶ月間のIPI減税で国庫庁は総額22億7,000万レアルの税収減、自動車とトラック向け減税は17億6,000万レアル、期限切れの6月末には25億レアルに達すると見込まれている。

 3ヶ月間の白物家電向けIPI減税は1億7,700万レアル、30品目の建材向け減税は3億7,700万レアルとなっているが、減税をカバーするためにタバコ向けIPI並びに社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)の増税で9億7,500万レアルの増収に結びついている。{2009年6月24日付けエスタード紙}

 

 

5月のINSS納付金は記録更新

 5月の社会保障院(INSS)は企業の負債支払い総額が前年同月を52%上回る11億4,000万レアルに達して前年同月比5.6%、前月比では12%それぞれ減少して27億4,000万レアルの赤字に留まった。

 今年5ヶ月間の累積赤字は前年同期比10.4%増加の180億9,000万レアルとなったが、今年1年間では420億レアルの赤字が見込まれている。

 また4月の正規雇用が10万6,000人増加したためにINSSへの納付金は8.0%増加の144億レアルを記録して、13ヶ月目のサラリーで納付金が2倍になった昨年12月に次ぐ記録となった。

 5月の農村部のINSSへの納付金は4月から8月が農産物の収穫期に当たるために、農産物販売に伴って納付金は増加するが、2月の最低サラリーがインフレを大幅に上回る調整が行なわれたために支出は5.5%増加の171億4,000万レアルに達しているが、今年5ヶ月間の支出は6.7%増加している。{2009年6月24日付けエスタード紙}

 

 

対中貿易が黒字に転じる

 世界金融危機の影響で今年6月中旬までのブラジルの対中貿易収支は前年同期の15億ドルの赤字から28億ドルの黒字に転じたと通商局(Secex)では発表している。

 コモディティ製品の価格下落で中国はブラジルから鉄鉱石や大豆の在庫のために輸入を増加、またブラジル国内の鉱工業部門の生産低下に伴って、中国からの部品や機械・装置の輸入減少がブラジルの対中貿易収支の黒字要因となっている。

 ブラジルの貿易収支黒字の22.5%はアジア諸国との貿易であるが、今年下半期の対中貿易の黒字は徐々に減少、来年の対中貿易収支は再び赤字に転じると見込まれている。

 今年6月中旬までの中国向け鉄鉱石輸出は97.1%、大豆27.1%、紙・パルプは20.9%とそれぞれ大幅に増加したが、石油製品輸出は価格下落で41%減少、中国からの機械・装置輸入は-23.4%、化学製品-23.7%、電気製品は-7.4%とそれぞれ大幅に落込んでいる。{2009年6月24日付けエスタード紙}

 

 

電気通信庁はSpeedy販売禁止

 国立電気通信庁(Anatel)はテレフォ二カ社のワイドバンドSpeedyを投資不足による過重なサービス負担で消費者の利益を損ねているために、Speedyサービス販売を無期限で禁止している。

 Anatelはテレフォ二カ社に対して30日以内の改善計画提出を義務付けして、サービスの拡大やメインテナンスの改善策を審査して後で再販許可をだす。

 今月9日にテレフォ二カ社の固定電話サービスに障害が発生、昨年7月のSpeedyのパニックも結論がでておらず、Anatelではテレフォ二カ社に対して1,500万レアルの罰金、Speedyサービスを販売した場合は1件に付き1,000レアルを徴収する。{2009年6月24日付けエスタード紙}

 

 

ブラジル銀行はBanestes銀行買収を延期

ブラジル銀行は今年2月からエスピリット・サント州政府とエスピリット・サント州立銀行(Banestes)買収で交渉していたが、すでに買収しているサンパウロ州立銀行(ノッサ・カイシャ)とヴォトランチン銀行との統合を優先するために、Banestes銀行買収を延期する。

ブラジル銀行はBanestes銀行との買収交渉再開の可能性は残っているが、ブラジリア銀行(BRB)との買収交渉は継続してマーケットシェア拡大を図る。

イタウー銀行とウニバンコ銀行との合併でブラジル銀行は後塵を帰したが、プラナルト宮ではブラジル銀行をブラジル最大の銀行への返り咲きをバックアップしている。

ブラジル銀行はノッサ・カイシャ銀行、ヴォトランチン銀行の買収以外にもサンタ・カタリーナ州立銀行(Besc)やピアウイ州立銀行(BEP)をすでに買収している。{2009年6月23日付けエスタード紙}

 

 

 

ブラジル日本研究者協会は東京事務所開設記念パーティを開催

   ブラジル日本研究者協会(SBPN 仁井山進会長)は2009年6月23日午後7時からファリア・リマ・ブルーツリータワーホテルで東京事務所(竹中平蔵代表)開設記念パーティを盛大に開催、商工会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長がお祝いに駆けつけた。

   SBPNは9月26日から28日まで第2回日伯シンポジウムを同ホテルで開催を予定、竹中平蔵東京事務所代表(慶應義塾大学教授 グローバルセキュリティ研究所所長)や有名な琴演奏家である西陽子さんを招待する。

   また28日にはSBPNとブラジル日本商工会議所と共催で午後12時30分から14時30分まで同ホテルでセミナーを開催するが、参加者は250人前後を見込んでいる。

 

世界銀行は今年の世界のGDPはマイナス2.9%に下方修正

 世界銀行は今年の世界のGDP伸び率を前回のマイナス1.7%からマイナス2.9%と大幅に下方修正したために世界金融市場は先行き悲観的となり、コモディティ価格下落やドル為替上昇となって、サンパウロ平均株価(Ibovespa)はマイナス3.66%下落、ドル為替は2.58%増加のR$2.024と大幅に上昇した。

 5月の海外投資家の買い越し残は60億レアルまで達してIbovespaは上昇を続けていたが、6月は一転して株価が6.96%下落、6月17日までに13億レアルが売り越し残となっている。

 新興国の株価は経済回復を大幅に上回る勢いで上昇を続けていたが、世界の経済成長回復の見通しが更に不透明となり、株式市場からの資金の逃避が続く可能性もある。 

 今年3月には世銀のブラジルの今年のGDP伸び率をマイナス1.1%と見込んでいたが、今回は0.5%増加を予想、来年の世界のGDPは2.0%、2011年は3.2%を予想している。

 世銀では今後のコモディティ価格で世界経済のシナリオは大きく変わるが、今年のヨーロッパ連合のGDPはマイナス4.5%、米国マイナス3.0%、日本はマイナス6.8%とそれぞれ大幅なマイナスを予想、ラテンアメリカ/カリブ諸国はマイナス2.2%を予想している。{2009年6月23日付けエスタード紙}

 

 

5月の正規雇用は13万1,500人増加

 製造部門の雇用回復は遅れているが、5月の正規雇用は13万1,500人増加して4ヶ月連続で増加しているが、5月としては過去10年間で最も雇用が低下している。

 今年5ヶ月間の正規雇用は18万人増加しているが、昨年同期は105万人が正規雇用され、世界金融危機後の昨年11月から今年1月の80万人の失業者の回復にはほど遠い。

 カルロス・ルピ労働相は今年上半期の正規雇用を35万人から40万人、今年1年間では100万人の雇用を見込んで楽観視している。

 5月の鉱工業部門の正規雇用は僅かに700人と前年同月の5万人から大幅に落込んで雇用回復が大幅に遅れているが、農畜産部門はコーヒーや砂糖キビセクターを中心に5万2,900人増加している。

 サービス業部門は小売セクターを中心に1万4,600人増加、州別ではサンパウロ州、ミナス、エスピリット・サント、パラナ並びにバイア州が農畜産部門が牽引して雇用増加している。{2009年6月23日付けエスタード紙}
 

 

 

Embrapaはサバンナ地帯を穀倉地帯に

 ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)はアフリカのサバンナ地帯はブラジルのセラード地帯同様の土壌や気候であるために、1970年から80年代にかけて、セラード地帯を穀倉地帯に変えた技術やノウハウで豊かな穀倉地帯に変える支援を行なう。

 国連農業食料機構(FAO)と世界銀行はアフリカのサバンナ地帯を今後数年間かけて、農産物コモディティの一大生産地帯にするために研究を進めると発表している。

 サバンナ地帯はアフリカの25カ国に及んでいる広大な地帯で、セネガルから南アフリカまで4億ヘクタールのうち僅かに10%が活用されているに過ぎない。

 アラブ諸国はスーダンやウガンダで農業部門投資のために土地を確保、中国も将来の食料確保のためにアフリカでの土地を購入、米国はモザンビークで米作試験プロジェクトを開始している。

 Embrapaではサバンナ地帯の開発は技術支援や農業機械の販売に結びつくが、昨年、ブラジルとガーナはバイオ燃料輸出プロジェクトを締結したが、社会経済開発銀行(BNDES)が融資を行なう。{2009年6月23日付けエスタード紙}