ブラジル銀行は零細小企業向け運転資金に116億レアル追加

  ブラジル銀行は零細小企業向けの運転資金クレジットとして116億レアルを追加して、更に30万企業向けにクレジットを拡大する。

  大統領府は世界金融危機の影響で信用収縮を和らげるために、公立銀行のクレジット拡大を要請、4月にはブラジル銀行総裁にアウデミール・ベンジーニ新総裁が就任後はクレジット拡大を続けている。

  今回の運転資金向けクレジットは年間売り上げが1,500万レアルまでの企業が対象、61%は商業、23%はサービス業、16%は鉱工業部門と見込まれている。

  ブラジル銀行は政策誘導金利(Selic)とスプレッドの低下に伴い、運転資金の最高月利を2.37%から2.35%と僅かに切下げているが、中小銀行の運転資金向けクレジットは非常に金利が高いために、ブラジル銀行では零細小企業向けクレジット拡大の必要に迫られていた。{2009年6月16日付けエスタード紙}

最終フォーカスレポートではGDPをマイナス0.55%に上方修正

  昨日、発表された中銀の最終フォーカスレポートでは今年の国内総生産(GDP)は政策誘導金利 (Selic)が市場関係者予想の0.75%を上回る1.0%の切下げで年率9.25%となって、銀行のクレジット金利低下で前回のマイナス0.71%か らマイナス0.55%と僅かに上方修正されている。

  インフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)は4.33%から4.39%に引き上げられたが、連邦政府のインフレ目標中央値4.50%を下回っており、また今年末のSelic金利は9.0%、来年末は9.14%が予想されている。

  今年の鉱工業部門の伸び率はマイナス4.78%から4.70%、来年は4.03%の伸び率が予想されている。

  年末のレアルの為替はR$2.00、貿易収支黒字は200億ドル、海外からの直接投資は230億ドルから245億ドルに上方修正されたが、公共負債のGDP比は39%から39.1%に修正されている。{2009年6月16日付けヴァロール紙}

イホシ連邦下議が新幹線導入セミナーを開催

   6月16日、伯日議員連盟会長を務めるイホシ連邦下議が日本国土交通省の佐伯 洋技術審議官をプレゼンテイターに招き、ブラジリアの下院ネレウ・ラモス講堂で高速鉄道導入セミナーを開催した。

   在ブラジル日本大使館から島内 憲大使や宮下匡之参事官、吉村一元一等書記官をはじめJBICやJICAの関係者また大勢の連邦上下議に加え日系市長、会議所関係者、日系諸団体や地元学生など約300人が参加、日本の新幹線方式のメリットが披露され大反響を呼んだ。

   第2部では出稼ぎセミナーも開催、概要は以下の通り。

   45年間無事故実績を誇る新幹線技術の第一人者として知られる佐伯氏が高速鉄道の安全性を航空機、船舶や自動車と比較し、極めて安全性が高い乗り物である事をはじめ環境負荷が航空機の6分の1、自動車の10分の1と小さく且つエネルギー消費が最小である等、比較優位性を強調。

   新幹線セミナーの国土交通省佐伯審議官プレゼン資料は大使館ホームページからご覧になれます。 http://www.br.emb-japan.go.jp/

「参照」 大使館ホームページの左側コラム(Noticias) 上から4件目「01 de julho Seminaro sobre o Trem de
 Alta Velocidade…」をクリック→記事2段落目の青字部分「TAV que carrega o futuro」からリンクされています。 

   1964年、新幹線導入以来の年間乗客数の上昇推移とGDP上昇を比較、強い相関関係がある事、リオ、サンパウロと東京、大阪には、ほぼ同等な区間距離や人口構成圏も共通する部分が多々あり、東京・大阪区間沿線には新たなビジネス地域が誕生、又在来地域も活性化した実例や台湾の新幹線導入実績例をポ語によるビデオで上映し参加者に大きなインパクトを与えた。

   その後、ブラジルの高速鉄道導入4社連合を統括・調整役のブラジル三井物産のMasao Suzuki氏からは傾斜・勾配やカーブ箇所での高速度安定の最新技術、トンネル断面積が30%減で済む日本独自の掘削技術等を紹介、最後に島内大使が両者の発表内容を総括しながら日本の新幹線方式が持つ無事故歴、優位性をさらにアピール。

   出稼ぎ問題にも触れる一方、ブラジルの要求仕様を全て満たす新幹線導入には技術移転に加え日本在住ブラジル人の存在が欠かせない事を強調、デジタルTVに続き日本政府は全面的に協力の用意があり、さらなる日伯関係強化の一大チャンスと位置づけ、併せてブラジルのインフラ整備・発展に貢献したいと力強く宣言、第一部を締め括った。

   第二部の出稼ぎセミナーでは最初CIATE会長の二宮氏が出稼ぎ者の現状や境遇を説明、失業日系ブラジル人を対象とした日本政府による期限付き(3年)帰国補助政策を評価、後の発表者パウロ・セルジオ労働省移民局長(一昨年の会議所ビザセミナー講師)からは日本政府に対し厚く感謝の意を表明した。

   パウロ氏から愛知県に続いてブラジル人在住者が多い静岡県浜松市にも最近、第3番目の在日ブラジル総領事館が設置された事を報告。在日出稼ぎ者30万人のうち経済危機の波及で3万人位が既に帰国しているが、日本の高齢化、少子化が進んでいる現在、又将来的には日本以外の国を含む出稼ぎ傾向は続く事を予想、ブラジル労働省は海外在住暦3年以上を対象に労働法で定める勤続期間積立基金(FGTS)が引出せるように制度化したと発表。

   サンパウロ州の労働雇用局のマルコス・アカミネ氏はインターネットによる求人・求職ネットワークを開設、150万人の求職者、3万4千社の求人企業数、70万人の求人登録実績を報告、ハローワーク体制が整っている事を紹介した。

   このセミナーには新幹線プロジェクト入札参加の日本4社連合を中心とした大勢の会議所会員の参加に加え、主催者イホシ連邦下議による特別要請を受け田中 信会頭、平田藤義事務局長が出席した。

 

 

2014年までのインフラ整備投資は5,000億レアル

  2014年にブラジル各地で開催されるサッカーのワールドカップ、大衆住宅プロジェクト「私の家、私の暮らし」、ペトロブラス石油公社の天然ガス・石油開発やエレトロブラス電力公社の電力エネルギー開発などに対して、今後5年間に総額5,000億レアルの投資が見込まれており、ブラジルの国内総生産(GDP)を牽引すると見込まれている。

  今年第1四半期の建設業部門は9.8%と大幅に減少していたが、一桁台まで低下した政策誘導金利(Selic)や国内クレジットの拡大、金融危機後には先送りされていた新規株式公開(IPOs)の増加、海外市場での資金調達などが予想され、また来年は大統領選挙でインフラ投資に拍車がかかると見込まれている。

  今年3月に発表された大衆住宅プロジェクト「私の家、私の暮らし」では2010年までに450億レアルを投資して60万軒の住宅建設が予定されているが、今までに連邦貯蓄金庫(Caixa)には6万5,000軒に相当する385プロジェクトの申請があり、40プロジェクトがすでに認可されている。

  サンパウロ州大型建設組合(Sinduscon-SP)ではブラジル全国では720万件の住宅が不足しており、同プロジェクトは中クラスの住宅不足を補うと予想されている。

  また2014年のブラジルのワールドカップ開催では12都市で試合が行なわれるが、地下鉄やバス回廊道路整備などの都市交通やインフラ整備などで600億レアルから1,000億レアル、インフラ部門への投資は300億レアルが見込まれているが、140億レアルの投資が予想されているリオ-カンピーナス間の高速鉄道建設費はこの中に含まれていない。

  ドイツで開催されたワールドカップでは100億ドルが投資されてGDPを0.5%押上げたが、インフラ整備が遅れているブラジルでは更に投資額が大きいために、大幅なGDP伸び率が見込まれている。

  エレトロブラスは2012年までに6水力発電所や原子力発電所アングラ3号などに300億レアルを見込んでいるが、ベロ・モンテ水力発電所建設では環境問題が発生して建設予定が大幅に遅れており、またペトロブラスは2013年までに3,480億レアルの大型投資を見込んでいる。{2009年6月15日付けエスタード紙}

輸入車台数が輸出車台数を上回った

  全国自動車工業会(Anfavea)は今年5ヶ月間のブラジルの自動車輸入台数は16万9,000台、輸出車台数は16万2,400台と過去15年間で初めて輸入車台数が輸出車台数を上回った。

  世界金融危機後の今年5ヶ月間の自動車輸出は世界需要の大幅な減少の影響を受けて前年同期比47.4%減少したが、自動車の貿易収支は8億ドルの黒字を計上している。

  Anfaveaでは今年の自動車輸出金額を39%減少の85億ドル、輸出台数では32%減少を見込んでおり、輸入車は国内の自動車生産台数270万台の13%に相当する35万台を見込んでいる。

  輸入車の大半は輸入関税などで自動車協定を結んでいるアルゼンチンやメキシコであるが、協定を結んでいない国からの輸入関税は35%に達しているが、10万レアル以上の高級車の輸入が多い。{2009年6月14日付けエスタード紙}

Pfizerは新興国で買収案件にターゲットを絞る

  世界最大の医薬品会社Pfizerは800億ドルと見込まれている新興国の医薬品市場で、今後数ヶ月以内に医薬品会社買収を計画しているが、今年1月には680億ドルを投資してWyeth社を買収している。

  同社では世界金融危機後は医薬品会社の株価が低迷しているために投資チャンスと見込んでおり、また2012年までに新興国市場での売上30億ドル見込んでいるために有望な投資先を探している。

  同社では中国、ブラジル、メキシコ、ロシア、トルコやインドを有望な投資先と見込んでおり、2012年には新興国の医薬品市場は1,200億ドルまで増加すると予想している。{2009年6月15日付けエスタード紙}

アルゼンチンでは輸入セーフガード強化

  アルゼンチン政府では輸入事前非自動ライセンスを拡大していたが、更にブラジルからの輸入が多い履物、玩具や家電について製品単位での申請を義務付けて輸入セーフガードを強化する。

  またこれらの製品輸入に対して輸入金額と同じ輸出を義務付けして外貨流出制限を行なうが、過去2年間ではアルゼンチンから380億ドルが流出している。

  またアルゼンチン政府は輸入事前非自動ライセンス許可の発給を遅らせて平均120日もかかっているが、1年間も税関に留まっている輸入品もある。

  アルゼンチンでは今月28日に上院並びに下院の一部改選があるために、これらの政策変更は保護主義者の取り込みを狙ったものと市場関係者は見込んでいる。{2009年6月15日付けエスタード紙}

USP留学中の京都外大の則政友紀さんが表敬訪問

サンパウロ大学(USP)留学中の京都外国語大学ブラジルポルトガル語学科在学中の則政友紀さんが2009年6月10日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長にUSP大学で研究している「ブラジルにおける日系食品メーカーの異文化適応に関する研究」の目的、意義、研究方法、対象や調査項目や今後の展開、調査計画スケジュールなどについて説明、また平田事務局長はブラジルの1950年代以降のマクロ経済、70年代の日本進出企業ブーム、80年代の失われた時代や企業の撤退や減少の理由、進出企業の50年間の歴史や推移、今後の有望な業種などについて説明した。

          

         USP留学中の京都外大ブラジルポルトガル語学科の則政友紀さん/平田藤義事務局長

第1四半期のGDPはマイナス0.8%に留まる

  第1四半期の国内総生産(GDP)は国内消費と公共支出が増加して製造業や投資の落込みをカバー、市場関係者の予想の前四半期比マイナス0.9%から2.0%よりも低い0.8%の落ち込みに留まった。

  第1四半期のGDPは前年同期比ではマイナス1.8%を記録して1998年の最終四半期に次ぐ大幅な落ち込みとなり、また2四半期連続の落込みは定義上のリセッションとなっている。

  残りの3四半期のGDPが前年同時期と同様の0.6%増加すれば、今年のGDPはゼロとなって市場関係者の予想を上回り、リセッションからの脱出が期待できる。

  第1四半期の鉱工業部門のGDPは前四半期比ではマイナス3.1%、製造部門がマイナス12.6%と最悪記録を更新、特に設備投資向け機械・装置部門、鉄鋼、自動車、衣類・履物部門が大幅な落込みを記録している。

  建設部門のGDPは9.8%、鉱業部門は38.1%とそれぞれ大幅な落ち込みを記録したが、サービス業部門は1.7%増加、特に金融部門は5.8%、情報サービスは5.4%それぞれ増加している。{2009年6月10日付けエスタード紙}