5月の製造部門への海外直接投資は27億5,000万ドル

  世界金融危機の影響で製造部門への海外からの直接投資は大幅に落込んでいたが、5月の投資額は金融危機前の前年同月の13億ドルの2倍以上に相当する27億5,000万ドルが流入している。

  今年5ヶ月間の直接投資は前年同期比17%減少の139億8,000万ドルであったが、今年は世界金融危機で世界的に投資が落込んでいる影響で前年比 40%減少の250億ドルの投資が見込まれているが、ルーラ大統領候補が当選した2002年は僅かに100億ドルであった。

  政策誘導金利(Selic)の下げ幅が大幅に増加してきているが、先進国との金利差は依然として大きく、ブラジルの国内経済回復の明るい見通しや失業率の上昇が僅かであったことなどが海外からの直接投資の増加に繋がっている。

  5月の直接投資の多くはすでに計画されていた投資計画に従って製鉄部門や自動車生産部門に投資され、またブラジル経済の回復を見込んでサンパウロ証券取引所に大幅な投資が流入しているために、ドル為替の下落に歯止めがかからなくなっているために、輸出部門が更に厳しくなってきている。{2009年6月4日付けエスタード紙}

PACプロジェクトは大幅に遅れている

  経済成長加速プログラム(PAC)を担当しているジウマ・ローセフ官房長官はプロジェクトの環境ライセンスや工事の遅れの影響で、PACプロジェクトが計画通りに進んでいないことを批判している。

  今年5ヶ月間のPAC投資には前年同月比76%増加の77億レアルの予算が付いていたが、工事の遅れに伴って38億ドルしか支払われていない。

  同官房長官はPACプロジェクトで工事完了しているプロジェクトには、すでに629億レアルが投資されて全体の15%が完成していると発表しているが、非営利活動法人NPOであるContas・Abertasではプロジェクトの工事完了は僅かに3%に過ぎないと指摘している。

  マナウスとポルト・ヴェーリョを結ぶ国道BR-319号線の工事開始のための環境ライセンス承認が遅れているために、同官房長官はカルロス・ミンキ環境相に早急なライセンス承認を要求している。

  連邦政府は2014年のサッカーのワールドカップの開催地には輸送関連インフラで大幅投資を予定しているが、サーカー場の建設や改修には投資を予定していない。

  またサンパウロ市経由でリオとカンピーナスを結ぶ高速鉄道建設の入札は年内に行なわれるが、落札コンセッションからの技術移転プロセス管理を行なうために新たに公営企業を設立するが、ゲルダウ社、マルコポーロ、WEG,IPT,Coppe並びにカンピーナス大学が技術習得や国産装置開発参加に名乗りを挙げている。{2009年6月4日付けヴァロール紙}

ドル為替介入で外貨準備高が記録更新

  中銀のエンリケ・メイレーレス総裁はドル為替の大幅下落をコントロールするために為替介入を続けており、今月1日の外貨準備高は昨年8月の2,051億ドルのピークを上回る2,054億ドルに達しており、世界金融危機で通貨防衛のために外貨準備高を大幅に減少したロシアとは対照的な好結果となっている。

  中銀は5月8日から27日までの間にドル為替介入のために27億4,800万ドルを購入、同期間のドルの流入額9億8,245万ドルの約3倍の為替介入を行なっている。

  同総裁はドル為替の下落はブラジルだけではなく世界的に下げており、また政策誘導金利(Selic)を切下げてドル為替の下げ止まりを行なう政策はインフレコントロールと変動相場制放棄に等しいために採用しないと述べている。(2009年6月4日付けエスタード紙)

今後10年間はエタノール生産では世界トップを維持

  物理学者のジョゼ・ゴールデンベルグ氏はブラジルでの砂糖キビのエタノール生産は今後10年間に渡って、リーダーの地位を維持できると2009年エタノールサミットで発表している。

  遺伝子組換えの砂糖キビ種の使用で生産性の拡大と牧草地での栽培拡大で、ブラジルのエタノール生産は今後益々増加すると見込んでいる。

  同氏は第2世代のエタノール生産開始までブラジルはエタノール生産では世界トップを維持、現在の生産は225億リットルで世界のガソリン消費の1%に相当するが、今後10年間でガソリン消費の10%に相当するエタノール生産が可能と見込んでいる。

  1975年に開始したエタノール生産のプロアルコールプロジェクトから毎年4%の割合で生産性が上昇してきており、ヨーロッパではバイオエタノールのガソリンの混入率を2020年までに10%まで引き上げるために市場の拡大が見込めるが、輸出するにはヨーロッパの厳しい基準をクリアする必要がある(2009年6月4日付けエスタード紙}

電気電子部会ワーキンググループ3回目の会合に16人が参加

  6月17日午後6時からブラジリアの日本大使館で開催されるデジタルテレビデモンストレーションの準備に向けて、2009年6月3日午後6時から電気電子部会(松田雅信部会長)ワーキンググループの最終会合に16人が参加して開催した。

  ブラジリアでのデジタルテレビ放送開始を捉えて、日本のデジタルテレビ関連技術の普及促進を目的に、日本メーカーの大型薄型テレビ、セルラー、可搬テレビやパソコン等による、デジタル放送の直接受信及び双方向のデジタル信号の模擬放送の実施に向けて会合を持った。

  ブラジル日本大使館から臼田昇一等書記官が参加して、デモンストレーション会場のレイアウトや機材搬入、デモンストレーション方法などについて意見交換、またメインゲストリスト、南米地域への普及促進のために南米地域の外交団の招待、関連業界や小売業界の代表の招待、式次第などが説明された。

  参加者はブラジル日本大使館から臼田昇一等書記官、サンパウロ総領事館から加藤秀雄領事、三好康敦副部会長(プリモテック21)、尾身ジュリオ氏(プリモ テック21)、マリオ・メロ氏(プリモテック21)、倉橋登志樹氏(パナソニック)、ファービオ・カンパーニャ氏(パナソニック)、マルコ・タナカ氏(セ ンピ東芝)、金子行雄氏(センピ東芝)、上杉孝仁氏(ソニー)、田村正博氏(ソニー)、エジソン・ナカムラ氏(ソニー)オブザーバーの谷本隆彦氏(シャー プ)、沢田真人氏(シャープ)、ファービオ・サリバ氏(シャープ)、平田藤義事務局長

左から電気電子部会の三好康敦副部会長/ブラジリア日本大使館の臼田昇一等書記官/サンパウロ総領事館の加藤秀雄領事

 20090603 電気電子部会 2

参加者16人は日本語/英語/ポルトガル語で意見交換

アマゾナス日系商工会議所の山岸照明副会頭が表敬訪問

  アマゾナス日系商工会議所会頭を長年勤め、現在も副会頭を務めている山岸コンサルタント社の山岸照明社長が2009年6月3日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長と多岐に亘って意見交換を行なった。

20090603 アマゾナス日系商工会議所

左からアマゾナス日系商工会議所の山岸照明副会頭/平田藤義事務局長

ケミカルグラウト社の伊地正博社長一行が表敬訪問

  鹿島建設グループのケミカルグラウト日本本社の伊地正博社長、ケミカル・グラウトブラジル社の米田 国章社長、巽エリオ技術担当取締役、FORTEC社のミチオ・キノシタ取締役が2009年6月3日に商工会議所を表敬訪問、応対した平田事務局長にブラジ ル支店の事業開始を報告した。

20090603 ケミカルグラウト社

左からケミカル・グラウトブラジル社の巽エリオ取締役/平田藤義事務局長/同日本本社の伊地正博社長/ブラジル支社の米田国章社長/FORTEC社のミチオ・キノシタ取締役

5月の海外投資家の株式投資残は60億8,300万レアルを記録

  5月の海外投資家のサンパウロ証券取引所(Bovespa)の株購入総額は430億7,700万レアル、株放出総額は369億9,400万レアル、投資残高は60億8,300万レアルとなり、昨年4月の投資残高60億700万レアルを上回る月間記録を更新した。

  また今年5ヶ月間の海外投資家の株式の投資残高は112億レアルを記録して、今年のサンパウロ平均株価(Ibovespa)を43.81%引上げている。

  先進諸国の金利は殆どゼロに近づいてブラジルの金利差とは大きな開きがあり、またブラジルの金融システムの安定性や良好なマクロ経済のファンダメンタルズ、世界金融危機脱出では最も早い一国として注目されていることなどの要因で、海外投資家がBovespaに戻ってきている。

  海外投資家のブルーチップスと呼ばれる優良株への投資比率は37%に達しており、今年のペトロブラス株は58.29%、ヴァーレ株は41.50%とそれぞれ大幅に上昇している。

  中銀がドル為替の介入を行なっているにも関わらず、海外投資家のブラジル金融市場への投資拡大に伴ってドルが下落してきており、今年だけで17.6%下落のR$1.923となっている。

  また世界金融危機で信用収縮した影響で新規株式公開(IPO)が大幅に減少していたが、下半期には資金調達のためにIPOが増加すると見込まれているが、実際の経済指数はリセッションを示しているために、株価下落のリスクは充分に警戒する必要があると経済アナリストは警告している。{2009年6月3日付けエスタード紙}

公務員や最低サラリーの大幅アップは消費拡大の牽引

  今年の公務員給与や最低賃金の大幅アップやボルサ・ファミリアと呼ばれる貧困家庭補助プロジェクトの拡大は給与増加分の62%に相当する265億レアルに達して国内消費を牽引すると見込まれている。

  昨年の給与増加分は835億レアルであったが、公務員給与や最低サラリーなどの増加分は全体の17%に留まっていたが、今年は6月からの公務員給与調整で 175億レアル、最低給与調整86億レアル、10月までにボルサ・ファミリアに更に100万家族が追加される支出が5億レアル増加して、一般消費を 1.2%引上げると予想されている。

  国内消費は公務員給与の大幅調整で下半期から拡大すると見込まれているが、連邦政府は公共投資拡大による内需増加は時間がかかるために、貧困層への補助拡大政策で消費拡大を図る。

  今年の2~3最低サラリー層のサラリー増加額は前年の72億レアルから106億レアルと大幅に上昇するが、20サラリー以上の富裕層の増加額は前年の 194億レアルから僅かに14億レアルと伸び率は大幅に減少して、所得格差が益々減少する傾向を示している。{2009年6月3日付けエスタード紙}

鋼材輸入が大幅増加

  ブラジル国内の鋼材価格が輸入鋼材よりも20%高いために、中国、ウクライナやロシアからの鋼材輸入が増加しており、種類によっては国内鋼材価格が45%以上高い鋼材もある。

  国内の熱延コイル価格は870ドルであるが、輸入コイルは輸入コストを含めても600ドルであり、国内メーカーは昨年第3四半期に50%の価格調整を行なったために、輸入価格との差が更に広がっていた。

  昨年6月の海外市場の鉄鋼価格は1,200ドルにまで達していたが、今では430ドルまで下落、最近のドル安の為替傾向は更に輸入に拍車をかける要因となる。

  今年4ヶ月間の鋼材輸入は10億4,000万ドル、輸入量は71万トン、4月の鋼材輸入は16.8%、輸入量は5.4%とそれぞれ増加している。

  第1四半期にウジミナス、ナショナル製鉄(CSN)並びにゲルダウの3大鉄鋼会社は5%から8%の鋼材の値下げを行なったが、ウジミナスは船舶やパイプライン用厚板を30%、冷延コイルや熱延コイルは12%~14%の値下げを行なっているが、第3四半期には更に10%の値下げが予想されている。{2009 年6月3日付けエスタード紙}