メイレーレス総裁が金融危機は終わってないと警告

中銀のエンリケ・メイレーレス総裁は全国工業連合(CNI)でのビデオカンファレンス「世界金融危機とブラジル経済の回復」で、最近のサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)が上昇の一途を辿っているのは米国経済回復プロセスの先行であり、金融危機の終焉ではないと警告している。

同総裁は楽観視過ぎるのは非常に危険であり、米連邦準備理事会(FRB)のベルナンキ議長の米国実態経済は回復する前には多少悪化するとの最近の言葉を引用して、サンパウロ平均株価指数の上昇は米国経済回復を早々と先行したものであると述べている。

しかしメイレーレス総裁はブラジルが最も早く金融危機から脱出する一国であるのは間違いなく、海外投資家にとっては投資対象として優先される国であるが、しかし金融危機はまだ終わっていないと強調している。

最終のフォーカスレポートでは今年のブラジルの国内総生産(GDP)伸び率は前回のマイナス0.39%から0.30%と上方修正されたが、ギド・マンテガ財務相はメイレーレス総裁とは逆に金融危機の最悪期はすでに脱出したとコメントしている。(2009年5月7日付けエスタード紙)

3月の機械・装置販売は回復傾向

昨年12月から落込んでいた設備投資用機械・装置など資本財の3月の販売は前年比マイナス 11.2%を記録したが、2月のマイナス23%、1月のマイナス36.4%から落込み幅が大幅に減少してきて、ブラジル機械装置工業会(Abimaq)では1月に底を付いてすでに回復傾向にあると予想している。

3月の機械・装置の売上は前月比30.1%増加の54億7,000万レアルとなっているが、第1四半期では25.3%減少の136億4,000万レアルで2005年の第1四半期以降では最悪となっている。

3月の機械・装置の輸出は19%減少の6億9,500万ドル、第1四半期では24.5%減少の19億ドル、貿易収支は40%増加の28億ドルの赤字を計上している。

3月の機械・装置の輸入はドル高の為替の影響で前年同月比24.8%増加の16億ドル、第1四半期では3.6%増加の47億ドルを記録、第1四半期の米国からの輸入は3.6%、ドイツは13.5%それぞれ増加したが、昨年、80%以上の増加を記録した中国からの輸入はマイナス15.7%であった。(2009年5月7日付けがゼ他・メルカンチル紙)

アルゼンチンから自動車部品メーカーが撤退

6月の議会選挙を前にアルゼンチン政府は多くの自動車部品メーカーが同国から撤退してブラジルへ移転する傾向が強まってきているために、撤退による工場閉鎖での人員整理を避けるために工場を買収する企業を探している。

4月にピストン製造のドイツ系自動車メーカーMahle社とエアーバッグ製造のスエーデン系Autoliv社は世界的に需要が低下しており、コスト削減のためにブラジルに事業を移転してアルゼンチンの工場閉鎖を発表している。

アルゼンチンから主にブラジルや米国に輸出していたが、世界金融危機以降は国内外での自動車部品販売が大幅に下落している影響で、今後も10社以上のメーカーのアルゼンチンからの撤退が予想されている。

ブラジルは工業製品税(IPI)の減税措置などで自動車販売はそれほど落込んでいないために、多くのメーカーがブラジルでの生産に切り替える傾向になっているが、アルゼンチン政府も自動車販売促進のために長期ファイナンスプランなどを発表したが、煩雑なブロクラシーなどで自動車販売増加には繋がらなかった。(2009年5月7日付けヴァロール紙)

ドル安阻止で為替介入

中銀は5月5日に急速に進行するドル安阻止のために、昨年9月以来の34億ドルのドル買いの為替スワップを行なってドル安に歯止めをかけ、為替は1.03%ドル高のR$2.148に留まった。

4月の貿易収支黒字は37億1,000万ドルと大幅な黒字を計上、また4月の海外投資家のサンパウロ証券取引所(Bovespa)への投資は16億ドルに達して、今年のサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)はすでに35%も上昇しており、それぞれ大量のドルが流入していることもドル安の為替傾向となっている。

また海外からのドル流入以外にもブラジルの先物為替市場では今までのドル高傾向からドル安に流れが変わってきていることも、更にドル安の傾向に拍車をかけている。

3月の通貨政策委員会(Copom)では政策誘導金利(Selic)を1.5%切下げたが、4月のCopomでは1.0%の切下げに留まったために、海外からのキャリートレード取引の増加で更にドル安の為替に傾く可能性もある。

しかし更なるドル安傾向は輸出業者にとっては収益性や価格競争力を失うために、中銀ではR$2.15からR$2.20の為替がバランスの取れた為替と見込んでいる。(2009年5月6日付けエスタード紙)

第1四半期の鉱工業生産はマイナス14.7%

ブラジル地理統計院(IBGE)の調査では第1四半期の鉱工業生産は前年同期比マイナス14.7%と大幅に減少、過去18年間で最大の落込みを記録した。

しかし3月の鉱工業生産は前月比0.7%増加して、世界金融危機後の大幅な落ち込みから僅かではあるが回復の傾向となっている。

しかし3月の鉱工業生産は前年同月比ではマイナス10%、過去12ヶ月間ではマイナス1.9%となっているが、設備投資用機械・装置などの資本財が前月比マイナス6.3%、前年同月比ではマイナス23%、第1四半期ではマイナス20.8%と22四半期連続の増加から一転して減少に転じていることが憂慮されている。

3月の自動車工業部門が工業製品税(IPI)の減税などで前月比7%増加したことが、鉱工業生産の0.7%増加の牽引となっているが、前年同月比ではマイナス18.5%と大幅に落込んでいる。

3月の資本財はマイナス23%であったが、特に建設セクターはマイナス68.9%、エネルギー-51.8%、農業-32.4%、輸送セクターは-3.1%とそれぞれマイナスとなっている。

昨年9月から6ヶ月間の鉱工業部門の落込みは16.7%と1990年以来の最悪を記録したが、第1四半期で底を突いたと見込まれて今後は徐々に回復すると予想されているが、在庫調整、金融政策緩和、白物家電向けのIPI減税などの更なる経済活性化政策の採用が期待されている。(2009年5月6日付けエスタード紙)

イタウーウニバンコ銀行の純益は27.6%減少

昨年11月に合併した国内最大のイタウーウニバンコ銀行の第1四半期の純益はクレジットの縮小と不渡り率の増加で、前年同期比27.6%減少の20億1,500万レアルとなった。

第1四半期のクレジット部門は前年同期比0.3%減少の2,727億レアル、個人向けクレジットは1.4%増加、中小企業向けクレジットは1.8%増加したが、大企業向けクレジットは1.5%減少している。

同銀行では今年のクレジット部門の拡大を10%から15%と見込んでいるが、伝統的に強い中小企業向けのクレジットを更に拡大する。

同銀行の第1四半期のクレジット部門の不渡り率は前年同期の4.8%から5.6%、個人向けの不渡り率は8.3%から9.8%にそれぞれ増加したが、前年の第3四半期のクレジット部門の不渡り率は6.9%で第1四半期より23.2%も不渡り率が高かった。(2009年5月6日付けエスタード紙)

今後は完成品輸入が輸出を大幅に上回る

FGV Projetos 並びにErnst&Young社の共同研究によると今後22年間に世界の完成品輸入は年平均3.7%増加するが、ブラジルからの完成品輸出は年平均1.8%の増加に留まり、2030年の完成品輸出は1,826億ドルが予想されている。

2030年のブラジルの輸出額は3,060億ドルが予想されているが、輸入が輸出を大幅に上回るために、貿易収支黒字は420億ドルに留まると見込まれている。

ブラジルの完成品輸出では通信部門、特にセルラー並びに航空機や自動車の輸送機部門が競争力を維持するが、ラテンアメリカ地域とブラジル国内向けが大幅に増加する。

2030年までのブラジルは内需が好調に推移するために輸入が年平均5.6%増加するが、年平均のGDPは4.0%増加のシナリオで算出されている。

輸出は農産物コモディティ、加工食肉などの半製品が継続するが、現在のブラジルの完成品輸出は世界貿易の1.1%を占めるが、2030年には内需の増加で1.0%に減少する。

今後は建材部門を中心に国内向け工業製品需要が年平均3.4%から4.8%増加するために、一般家庭の消費は年平均3.8%増加が見込まれている。

しかしインフラ整備部門の遅れや重税の税制システムが資本財の最終価格を押上げており、また投資不足の影響で今後22年間にエネルギーコストは60%増加すると見込まれている。(2009年5月6日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

K&Cコンサルタント社のアンドレ・ミズモト・カトー氏が表敬訪問

K&Cコンサルタント社のアンドレ・ミズモト・カトー氏とアレシャンドレ・ピメンテル・クラヴォ氏が 2009年5月5日に商工会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長にサンパウロ州内の砂糖・エタノール生産企業の買収仲介を行なっており、買収に関心 を寄せている企業を募集している。

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左からK&Cコンサルタント社のアレシャンドレ・ピメンテル・クラヴォ氏/アンドレ・ミズモト・カトー氏/平田藤義事務局長

サンパウロ平均株価指数が5万ポイント突破

ブラジルの金融・銀行システムの健全性が相対的に高く、世界金融危機からの回復が最も早い国と言 われていたが、昨年10月27日にサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)が2万9,435ポイントと底をつけてから半年後の5月4日には 71.23%上昇の5万ポイント以上まで回復している。

4月のIbovespaは16%上昇、今年はすでに34%上昇しているが、現在のブラジル株式市場への投資が好機と見込んだ海外投資家がサンパウロ証券取引所(Bovespa)に戻ってきており、4月だけで31億レアルの投資残を記録している。

連邦政府のブラジルの国内経済活性化のための減税政策による好調な国内消費、堅調な経済ファンダメンタルズ、増加を続ける中国との貿易や8ヶ月連続で低調 であった中国の経済成長が4月から上昇に転じたことなど、コモデティ商品輸出が期待できるBovespaの輸出関連の株などに海外投資家が注目している。

また巨大な中国経済はブラジルから鉄鉱石などのコモデティ製品を輸入しているために、中国の経済活性化はブラジルにとって直接影響を及ぼし、鉱物コモデ ティ商品輸出のヴァーレの昨日の株価は10.86%上昇、国際石油価格もバレル当たり2.4%増加の54.47ドルと今年の最高値を記録している。

新興国の株式市場は長期的な視点に立てば株価が増加すると予想されており、特にブラジルとロシアは資源大国で石油、アルミ、パルプなどのコモデティ商品需 要回復で落込んでいるコモデティ価格の上昇が見込めるが、しかし未だに世界金融危機の終焉の見通しが立っていないために、今後の株価の動向は不透明となっ ている。(2009年5月5日付けエスタード紙)

輸入減少で貿易黒字拡大

4月のブラジル貿易は世界金融危機の影響を受けて、内需が落込んでいるために設備投資用の機械・装置や原材料輸入が大幅に減少したために、貿易黒字が37億1,000万ドルと大幅に増加している。

付加価値の低い第一次産品の輸出が増加しているが、国内需要低下で資本財や原材料の輸入が減少してきており、4月の輸入は86億1,000万ドル、1日平均の輸入額では前年同月比26.6%減少している。

4月の輸出は123億2,000万ドルで1日平均では6億1,610万ドルと前年同月比では8.0%減少、今年4ヶ月間の輸出は前年同期比16.5%減少 の435億ドル、輸入は23.8%減少の367億7,700万ドル、貿易収支黒字は49.4%増加の67億2,200万ドルであった。

今年4ヶ月間の第1産品輸出は8.7%増加の172億4,000万ドルで輸出に占める占有率が30.4%から39.6%に上昇、付加価値の高い完成品は28.7%、半製品は21.5%それぞれ減少して、工業化製品輸出比率が66.8%から58.2%に減少している。

今年4ヶ月間の資本財の輸入は6.4%減少したが、占有率は前年同期の21.1%から25.6%に上昇、第一次産品輸入も28.2%減少して占有率は49.3%から45.9%に減少、消費財は1.9%減少している。(2009年5月5日付けエスタード紙)