Selic金利を1.5%切下げ

昨日の通貨政策委員会(Copom)では、昨年の最終四半期のGDPが前四半期比マイナス 3.6%並びに1月の鉱工業部門の大幅な落込みで国内経済が大幅に停滞、またコントロールされているインフレなどの要因で政策誘導金利(Selic)を 1.5%切下げ、2007年9月から2008年4月まで継続した同レベルの11.25%に下げた。

今年末のSelic金利は今後のCopom会議で更に切下げられて一桁台になると予想されており、Selic金利の1.5%の切下げ幅は2003年11月以来となっている。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)のパウロ・スカフェ会長はSelic金利1.5%の切下げでも11.25%は非常な高金利であり、今現在のSelic金利は8.0%でインフレ分を差引いた実質金利を3.0%にしなければ国内経済の活性化には結びつかず、年末のSelic金利が8.0%になっても、中銀は今後益々増加する失業率に対して責任を負わなければならないとコメントしている。

Selic金利が11.25%まで切下げられたにも関わらず、ブラジルの実質金利は6.5%で世界トップ、ハンガリーが6.2%、アルゼンチンと中国が4.3%、トルコ3.5%となっているが、世界金融危機の影響で調査対象40カ国の平均金利は僅かに0.1%までの切下げを余儀なくされており、調査対象のうちで20カ国の実質金利はネガチブになっている。

Selic金利の1.5%の切下げに伴って、ブラデスコ銀行では特別小切手と呼ばれる口座借越残金利の最低月利を4.78%から4.70%、最高月利を8.56%から8.44%、個人向けクレジットの最低月利を 3.26%、最高月利を5.81%にそれぞれ引下げている。(2009年3月12日付けエスタード紙)

昨年のPreviの収益は大幅に悪化

ブラジル国内では最大級の投資を行なうブラジル銀行の年金ファンドPreviの昨年の収益は、世界金融危機の影響でサンパウロ平均株価の下落などで前年の520億レアルから大幅悪化の263億レアルまで低下した。

同ファンドの株式への投資比率は総資産の57%であったが、昨年はその比率が66%まで上昇していたために、株価の暴落で株式部門での損失は210億ドルに達したが、前年は300億レアルの収益があった。

同ファンドの総資産は最高で1,400億レアルに達したが、今では1,160億レアルまで低下、また70大企業に資本参加しているが、人員削減を行なっているヴァーレ社とエンブラエル社にも大型の資本参加をしている。

昨年の同ファンドの収益目標は12.60%であったが、サンパウロ平均株価が41.12%下落した影響を受けて、収益はマイナス11.49%となった。(2009年3月12日付けエスタード紙)

中国は繊維製品輸入協定を拒否

2003年から2005年にかけて中国からの繊維製品輸入が倍増したために、中伯間では輸入増加規制で合意していたが、昨年末で輸入規制が期限切れとなったために、中国はブラジル政府の輸入規制合意の申入れを拒否している。

外務省では中国からの輸入急増に対してドーピング捜査に乗出しており、場合によればセーフガード発令も辞さない姿勢であるが、2月の中国の世界への輸出が世界的な需要減に伴って25%と大幅に低下、またレアル高の為替も輸入増加を緩和する効果がある。

昨年の中国の繊維製品の世界への輸出は前年比8.2%増加の1,850億ドルと低下してきているが、1月のブラジルの繊維製品輸出も33.5%低下している。(2009年3月12日付けエスタード紙)

3月の鉱工業部門の回復は期待できない

全国工業会(CNI)が鉱工業部門の431社対象の3月の景況感調査では54.8%が昨年12月よりも悪化する、9.8%は多少回復する、35.2%は変化なしと回答している。

昨年12月の鉱工業部門の活動レベルは前年同月比14.5%、前月比では12.4%と大幅に悪化したが、1月は前月比2.3%増加したために、連邦政府では昨年12月が景気の底だと見込んでいるために、CNIとの間に大きな違いが生じている。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)でも中小並びに大企業対象の調査では今年の鉱工業部門の伸び率はマイナスに転じると見込まれており、連邦政府との見解に大きな開きが生じている。(2009年3月12日付けエスタード紙)

第2回異業種交流委員会議事録

日時:3月12日(木)19:00~21:00
場所:ブラジル日本語センター
参加者 22人

テーマ

  1. 航空貨物業界の現状と最新ロジスチックについて − ブラジル日通 百澤さん
  2. 「ブラジルの金利は何故高いのか?」 − ブラデスコ銀行 山崎さん 
  3. MERRY こと 具志恵・沖縄三線歌手によるショートライブ

40ドル以下で採算の見合う岩塩下の原油開発

ペトロブラスでは国際石油価格の下落が続いているが、巨大な埋蔵量のある岩塩下原油開発のために、プラットフォームの従業員削減や更なるリモート操作による採掘、深海での原油と海水の分離などのコスト削減で、バレル当たり40ドルでの採算を目指して技術開発する。

深海での重油採掘コストは更に低下してきており、岩塩下原油は市場価格の高い軽質油でコスト削減が容易であると見込まれている。

ペトロブラスの5カ年計画では岩塩下原油開発に290億ドルの投資が予定され、2013年には日産21万9,000バレル、2020年には133万6,000バレルが見込まれて、昨年の平均石油生産185万4,000バレルと併せると倍増近くの生産となる。

ツピー鉱区とララ鉱区の岩塩下の原油埋蔵量は80億バレルから120億バレルが見込まれているが、エスピリット・サント州からサンタ・カタリーナ州沖の海域の埋蔵量は1,000億バレルに達する可能性がある。(2009年3月11日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

薄型テレビの販売が好調

今年1月の家電生産は前年同月比12%と大幅に減少したにも関わらず、プラズマならびに液晶(LCD)の薄型テレビの生産が好調で、1月のマナウスのLCDテレビの生産は前年同月比122.8%増加の24万4,100台、プラズマテレビは1万7,000台から2万5,500台と倍増している。

昨年の薄型テレビの価格は大幅に減少、また金融危機の影響で昨年末の在庫一掃セールスを1月に継続したことが、在庫減少に繋がり生産増加に結びついている。

今年のLCDテレビの生産は昨年の260万台から360万台、プラズマテレビは33万台から40万台の生産が予想されているが、ブラウン管テレビは790万台から500万台の大幅減産が見込まれている。

昨年の薄型テレビの売上は23億1,000万ドルで初めてブラウン管テレビの売上15億6,000万ドルを追越し、2007年のLCDテレビの売上は9億 5,198万ドルで、ブラウン管テレビの20億5,000万ドルを大幅に下回っていた。(2009年3月11日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

昨年最終四半期のGDPは3.6%下落

ブラジルの昨年最終四半期のGDPは市場関係者の予想のマイナス2.5%を大幅に下回る前四半期比3.6%と大幅下落して、リセッション入りが濃厚になってきて1996年以来の下落率を記録したが、昨年1年間のGDPは5.1%増加した。

最終四半期の最悪のGDP下落の影響で、通貨政策委員会(Copom)での政策誘導金利(Selic)は1.5%の切下げが予想から今は2.0%の切下げ予想に変更され、今年のGDP伸び率はマイナスを記録する可能性がでてきた。

鉱工業部門の最終四半期のGDPは前四半期比7.4%のマイナスを記録して1996年に次ぐ下げ幅を記録、投資は9.8%で最悪となり、農畜産0.5%、サービス部門は0.4%とそれぞれ小幅なマイナス、一般家庭の消費は2.0%減少して2003年の第2四半期以来のマイナスを記録した。

連邦政府の最終四半期の公共支出は前四半期比0.5%、前年同四半期比5.5%それぞれ増加、昨年第3四半期までの過去1年間のGDPの伸び率は6.3%であったが、リーマンブラザーズ破綻後の国内経済は急速に低下した。

鉱工業部門の最終四半期のGDPは前年同期比2.1%減少、特に製造業は4.9%と大幅に減少、電力エネルギー・都市インフラ部門は3.2%、建設不動産部門2.1%それぞれ増加,鉱業部門では鉄鉱石生産部門が18.9%減少したが、石油・天然ガス部門が6.3%増加したために0.2%の増加、サービス部門ではセルラーが9.1%と大幅に伸びた。

昨年の最終四半期の鉱工業部門は前四半期比3.6%と大幅に落込んだが、9月までは好調に推移していたために通年では4.3%増加したが、今年は2.4%から5.0%の落込みが予想されている。

マナウスフリーゾーンでは電気・電子、二輪車並びにプラスチック製造部門ですでに1万3,000人が人員削減されて、フリーゾーンの労働人口11万7,000人の10%以上に達している。

二輪車製造メーカーはアマゾナス州政府との間で減税協定を結んで、金融危機による生産の落込みを緩和しているが、それでも1月の二輪車販売は引続き落込んでいる。(2009年3月11日付けエスタード紙)

ラテンアメリカ経済の回復は2010年以降か

ラテンアメリカ経済の回復は今年の下半期と見込まれていたが、世界金融危機に最も早く回復すると見込まれていたチリの今年2ヶ月間の輸出は29%減少、また昨年の鉱工業部門の大幅な落込みで2010年以降にずれ込む可能性が指摘されている。

今年初めにはチリのGDPは5.0%の伸び率が予想されていたが、今年1月の過去12ヶ月間の鉱工業部門が8.9%と大幅な落ち込みを記録して、1.2%と大幅に下方修正されている。

メキシコは輸出の80%が米国向け、国際石油価格の下落で輸出が大幅に減少して、1月の貿易赤字は166億ドルの赤字に転落、昨年の最終四半期のGDPがラテンアメリカ地域ではブラジルに次ぐマイナス2.7%の落ち込みを記録している。

メキシコの輸出はチリ同様にGDP比30%と高いが、ブラジルはGDP比12%と低く、世界需要の悪化で輸出比率の高い国の経済の回復は遅れると予想されている。

ゴールドマンサックスではマクロ経済の健全なチリ、ペルー並びにコロンビアの世界金融危機に対して充分対応できると見込んでおり、チリでは過去3年間にGDP比22%を貯蓄に回し、昨年の財政プライマリー収支黒字は5.2%であったが、今年は4.0%の赤字が見込まれている。(2009年3月11日付けヴァロール紙)