第3四半期の国内総生産は6.8%増加

一般消費の拡大、公共並びに民間投資の増加に後押しされて第3四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.8%と大幅に増加したが、世界金融危機の影響を受けてクレジット流動性縮小などで国内景気の縮小や一般消費の減少で、第4四半期のGDPの伸び率はマイナスを記録する可能性がでてきている。

過去12ヶ月間のGDPの伸び率は6.3%と1996年にブラジル地理統計院(IBGE)が統計を採り始めて以来の記録を更新したが、今年のGDPの伸び率は第4四半期の伸び率が前四半期比ゼロでも6.0%の伸び率を記録して1986年の7.49%に次ぐ記録となる。

第3四半期のGDPの伸び率は前四半期比1.8%増加、今年9ヶ月間では6.4%の伸び率を記録、鉱工業部門の前年同4半期比の伸び率は6.5%増加したが、特に建設不動産部門は11.7%、鉱業7.8%、製造業5.9%、公共サービス部門は5.7%それぞれ増加している。

第3四半期の農畜産部門の伸び率は前四半期比1.5%、前年同期比6.4%、サービス業部門は1.4%、5.9%、一般消費は2.8%、7.3%、公共支出は1.5%、6.4%、投資は6.7%、19.7%、輸出はマイナス0.6%、2.0%、輸入は6.4%、22.8%それぞれ増加している。

マンテガ財務相は第4四半期のGDP伸び率を3.0%と楽観的予想、今年のGDPは5.5%の伸び率を見込んでおり、2009年は4.0%、2010年からは今年並みのGDPの伸び率を見込んでいる。(2008年12月10日つけエスタード紙)

金融危機対応の減税政策発表か

金融危機の影響で自動車販売などが大幅に減少しているために、連邦政府は一般消費増加で国内景気を引き上げるための減税政策を今週中に発表する可能性がでてきている。

この減税政策は所得税(IR),金融取引税(IOF)並びに工業製品税(IPI)を減税して自動車販売増加などで景気浮揚を目論んでいるが、11月の税収は連邦政府目標の6.0%を下回っており、減税政策採用では更なる税収の減少に結びつく。

この減税政策は中間所得層の購買力を引き上げる目的で採用されるが、企業向けの減税政策やクレジット拡大政策はすでに採用されており、金融危機で売上げが大幅に落ちこんでいる部門の販売増加並びに人員整理を回避する目的で実施される。

連邦政府は自動車のIPI税を一時的に減税するが、大衆車は7.0%、その他のモデルでは最高25.0%で減税による一般消費者の購買力の増強とメーカーの収益性を高める効果が期待されている。

しかし全国自動車工業会(Anfavea)のシュナイダー会長は早急なブラジル銀行と連邦貯蓄金庫からのクレジット枠の拡大を連邦政府に要請している。

IOF税の減税は個人消費拡大に結びつくが、昨年末で廃止となった金融取引暫定納付金(CPMF)の税収を補うために、IOFの税率はクレジット、為替取引並びに個人向け保険分野で1.5%から3.0%に引き上げられていた。(2008年12月10日付けエスタード紙)

天皇陛下誕生祝賀会が盛大に開催

天皇誕生祝賀会が12月9日午前10時から文協貴賓室にが70人参加して日系団体共催で開催、商工会議所 からは平田藤義事務局長が参加、また正午からサンパウロ総領事館公邸に350人が参加して盛大に祝賀会が催され、天皇陛下のご健康と弥栄を祈り、会議所か らは田中信会頭、平田事務局長が出席した。

IPOは1995年以来の落込みを記録

今年11ヶ月間の世界の新規株式公開(IPO)は745企業で953億ドルの資金を調達したが、1995年以来の落ち込みを記録してIPOバブルが崩壊している。

昨年の11ヶ月間の世界のIPOは1,790企業で2,569億ドルの資金を調達したが、今年は世界経済悪化の影響を受けて298企業がIPOの中止や先送りを決めたが、昨年のIPO取止めは167企業であった。
特にBRICs諸国でIPO件数が減少しており、今年11ヶ月間のブラジルでのIPOは僅かに4件、中国は116件、BRICs全体では163企業がIPOで280億ドルの資金を調達したが、昨年同期は1,068億ドルを調達していた。
エイケ・バチスタ氏率いるOGX石油・天然ガス社がサンパウロ証券取引所でIPOを実施して41億ドルの資金を調達したが、今では同社の株価は70.11%も下落している。
今年最大のIPOでの資金調達は米国のVisa Inc社はニューヨーク証券取引所で197億ドルの資金を調達して米国での記録を塗り替え、2位は中国のChina Railwayは57億ドルを調達、トップ20企業のIPOの内で新興国は15企業を占めている。
アジアでの11月までのIPOは中国を筆頭に総額297億ドルの資金を調達、北米が270億ドルでアジアに次いで多くの資金調達を達成している。(2008年12月9日付けエスタード紙)

ブラジルの銀行スプレッドは世界最高

ブラジルの銀行スプレッドは連邦政府と銀行業界と長年に亘って問題視されており、今回の金融危機で中銀はクレジット流動性拡大のために970億レアルを注入したにも関わらず、スプレッドは9月の26.4%から10月は28.4%に上昇している。

金融危機の影響を受けて与信審査が更に厳しくなってきており、短期のスプレッドがさらに上昇すると企業へのクレジットのコストが上昇するために、企業活動に支障をきたしてきている。
国際通貨基金(IMF)の2007年の調査ではブラジルのスプレッドは25.3%で2位以下を大きく引離してトップ、2位にはコロンビアの7.4%、フランス7.0%、ヴェネズエラ6.4%、メキシコ4.4%、日本1.1%、オランダは僅かに0.7%であった。
中銀はブラジルの銀行スプレッドの構成として管理コストが全体の13.5%を占め、不渡りリスク37.35%、強制預託金3.59%、税金8.09%、銀 行の純益マージンが26.93%となっており、スプレッドが28.4%であれば銀行の純益は7.65%となる。(2008年12月9日付けエスタード紙)

11月の税収は連邦政府予想を6.0%下回る

9月のリーマン・ブラザーズ破綻をきっかけに始まった世界金融危機の影響で、11月の連邦政府のローヤリティ収入や公社の株式配当などを除いた国庫庁の税収は予想の6.0%減に相当する35億レアル減少している。

税収に急ブレーキをかけたのは企業の純益悪化の影響で、法人所得税(IRPJ)と純益に対する社会納付金(CSLL)が大幅に悪化、法人所得税は主に卸売部門、自動車や石油化学部門の収益悪化で26億レアル減少している。

11月の卸売部門の法人所得税は予想の45.0%と大幅に減少したが、個人所得税(IRPF)が予想よりも伸びたために法人所得税の減少を補った。

自動車部門、卸売並びに製鉄部門の社会保険融資納付金(Cofins)は予想の10億レアルの減少、また工業製品税(IPI)も2億レアル減少、特に自動車部門は34%も予想を下回った。(2008年12月9日付けエスタード紙)

来年のGDPを2.5%に下方修正

中銀の最終フォーカス・レポートによると来年のGDP伸び率を2.8%から2.5%に下方修正したが、今年のGDPは前回同様5.24%に据置いている。

今年の鉱工業部門の伸び率は5.76%から5.47%、来年は3.10%から3.05%にそれぞれ下方修正、また今年の公共負債はGDP比38.45%から38.0%、来年は38.0%から37.76%にそれぞれ下方修正している。

今週、開催される通貨政策委員会(Copom)では政策誘導金利(Selic)は経済活動低下の兆候が出てきており、金融市場関係者はSelic金利 13.75%の見直しを予想、来年末は13.50%から13.25%、来年の平均Selic金利を13.75%から13.63%にそれぞれ下方修正している。

今年末の広範囲消費者物価指数(IPCA)を6.35%から6.20%、来年は5.25%から5.20%、過去12ヶ月間では5.44%から5.37%にそれぞれ下方修正している。(2008年12月9日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

新興国の為替は海外投資家の資金引き揚げで下落

ブラジルのレアル安の為替は海外投資家の金融市場からの資金逃避で益々レアル安の傾向となってきており、先週末にはR$2.60に達している。

海外投資家の資金引き揚げ、クレジットの流動性の縮小やコモデティ価格の下落による輸出の減少による外貨の減少で、更なるレアル安の為替が憂慮されている。
第3四半期の新興国の国債発行は110億ドルで第2四半期の450億ドルから大幅に減少、特に東ヨーロッパの減少が激しく、ロシアは130億ドルから30億ドル、ラテンアメリカも国債発行が減少している。
11月の新興国の株価及びクレジットは10月との比較では回復してきているが、経済の回復は米国よりも遅れる可能性が指摘されている。(2008年12月8日付けエスタード紙)

エレクトロラックスはMabeをデザインコピーで訴える

スエーデン資本のエレクトロラックス社はGE-Dakoブランド家電を擁するメキシコ資本Mabeをコピー製品販売並びに消費者を惑わすコマーシャルで国立広告規制審議会(Conar)に提訴している。

ブラジルの家電業界の売上は年間90億レアルに達しているが、トップシェアはブラステンピ社とコンスル社ブランドを擁するワールプール社が35%、エレクトロラックス20%、Mabega 16%のシェアを占めている。

エレクトロラックスは9月にMabeに対して2機種のガスコンロのフロントパネルのデザインコピー並びに10月にはMabeの製品が最も優れていることを宣伝するコマーシャルの中止を審議会に提訴している。

ラテンアメリカ最大の家電メーカーMabeは2003年にCCE社の冷蔵庫部門買収でブラジルに進出、その後GE-Dako社を買収、大衆向けガスコンロ 部門ではトップシェアを握っており、今年の売上は14億レアルが見込まれている。(2008年12月8日付けエスタード紙)

来年の雇用は100万人減少

金融危機に見舞われて生産調整を余儀なくされている自動車メーカーや部品メーカーは一斉休暇に突入しているが、来年は250万人が新規労働市場に参入するが、経済成長が今年の5.3%から来年は3.0%に下がる見込みで吸収しきれない。

10月の失業率は7.5%であったが、年末には1.5%上昇の9.0%の失業率が見込まれており、来年の新規雇用は最大150万人に留まると見込まれて更に失業率が増加する。

世界金融危機による今後の雇用の影響を受ける分野はすでに人員整理が開始されている自動車部品、建設不動産や金融部門ではなく、コモデティ製品の輸出分野が大幅な影響を受けると見込まれている。

自動車部品、建設不動産、中小企業や農業部門はすでに救済政策としてクレジット流動性拡大のために、ブラジル銀行、BNDES銀行や連邦貯蓄金庫から資金が注入されているが、銀行は農業部門へのクレジット供与では与信審査が厳しくて、実際には殆どクレジットがついていない。(2008年12月8日付けエスタード紙)