インフレ抑制で金利引き上げの可能性

先週の通貨政策委員会(Copom)で4月から継続していた誘導政策金利(Selic)の引上げが中断して13.75%に据置かれたが、昨日、発表されたCopom議事録ではインフレ抑制の金融引締め対策として、Selic金利の引上げの可能性も示している。

国内経済の需要カーブは供給カーブを上回っているためにインフレリスクが高く、また世界経済金融危機の影響でドル高に傾いている為替も短期間でのインフレリスク要因となっている。

クレジット縮小が進行して金利が上昇すれば、需要抑制となってインフレ抑制につながるが、景気後退に落ちる可能性が大きく、今後のブラジル経済の先行きが不透明であるために、Selic金利の据置を決定している。

また通貨政策委員会では物価上昇を抑制するためにSelic金利の引上げの可能性を暗示、来年のインフレの中央目標値を4.5%と引続き設定して厳守するが、過去12ヶ月間の広範囲消費者物価指数(IPCA)は6.25%に達している。

世界金融危機は先進国に深刻な影響を及ぼしているが、新興国ではまだ影響がはっきり判らないが、今後は為替やインフレで大きく影響を及ぼすと見込まれている。(2008年11月7日付けエスタード紙)

自動車在庫が生産台数を上回る

10月のトラックやバスを含む自動車在庫は29万7,700台で生産台数29万6,300台を上回って在庫が急増しているために、各メーカーでは生産調整のために一斉休暇で調整を図っている。

自動車メーカーや販売代理店の自動車在庫は販売日数の38日分に相当する在庫を抱えて、過去数年間では最も高い在庫となったが、平均在庫日数は25日であった。

クレジットの縮小で10月の販売台数は前月比11.0%減の23万9,200台に減少、前年同月比でも2.1%のマイナスとなっているが、ブラジル銀行が 一般消費者向け自動車ローンに40億レアルを自動車メーカー系銀行に対して、特別クレジットの救済措置を発表しててこ入れする。

強制供託金比率の変更や過去2週間で民間銀行は自動車ローン向けの金利アップ、ローン返済期間の短縮や与信を厳格化してクレジットは多少改善されたが、更にサンパウロ州立金融金庫(ノッサ・カイシャ)がサンパウロ州内での特別クレジット枠を予定してクレジット拡大する。

全国自動車工業会(Anfavea)では今後2ヶ月間で売上減が回復すると見込んでおり、今年の自動車販売台数を前年比24%増加の300万台、各メーカーが一斉休暇で在庫調整しているにも関わらず、生産台数を15%増加の340万台と見込んでいる。

自動車ローンでは特に低所得者が購入するリッターカー向けクレジットが縮小しており、売上は47.2%減少して過去10年間では最大の落ち込みを記録している。

1年前の自動車販売はキャッシュが35%、ローン販売が65%であったが、今ではクレジット縮小の影響を受けて、ローン販売が59%に低下したが、キャッシュは41%に増加している。

GM 社では今週末にサン・カエターノ・ド・スール工場で新車在庫一掃セールス実施を予定しているが、10月のGMの自動車販売は前月比22.2%と業界では最 も販売が低下、ファイアット14.5%、ワーゲンも11.6%もそれぞれ売上が低下したが、フォード社は2.3%の販売低下に留まっている。(2008年 11月7日付けエスタード紙)

パラナ日伯商工会議所のアントニオ上野会頭ご夫妻が30周年記念誌発行案内で訪問

元連邦議員でパラナ日伯商工会議所のアントニオ上野会頭ご夫妻が11月7日に商工会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長に同会議所の設立30周年記念誌プロジェクトの説明に見本を持参、編集はパラナ新聞のマホコ・カシュヤ女史が担当、年末までのプロジェクト完成のためのスポンサー支援を説明した。

9月19日パラナ日伯商工会議所(アントニオ上野会頭)は創立30周年を記念してクリチバ市の兵庫姫路会館に於いて午後1時30分から午後6時30分まで「第17回日伯経済シンポジウム」を開催した。島内憲大使、クリチバ総領事館の佐藤宗一総領事、パラナ工業連盟(FIEP)のロッシャ・ロイレス会長、各地の日系商工会議所代表など約200人が参加、その翌日にはフォース・デ・イグアスー市でも同様のシンポジウムを開催、ブラジル日本商工会議所からは日系社会委員会の窪田敏朗委員長、平田事務局長などが参加した。

左からパラナ日伯商工会議所のアントニオ上野会頭ご夫妻/パラナ新聞のマホコ・カシュヤ女史/平田藤義事務局長

今年9ヶ月間の連邦貯蓄金庫の純益は90%増

今年9ヶ月間の連邦貯蓄金庫(CEF)の純益は大企業向けクレジット部門への拡大戦略転換で、前年同期比90%増加の33億レアルを記録、第3四半期の純益も前年同期の6,250万レアルから7,220万レアルに増加している。

昨年の同金庫は零細・小企業の法人向けクレジットでは昨年1月の90日以上の不渡り率が7.6%を記録していたが、今年は中・大企業への法人向けクレジットの拡大戦略の採用で、不渡り率が2.8%と大幅に縮小したために純益増加に結びついている。

金融危機の影響で民間銀行では貸し渋り問題が発生しているが、10月の同金庫は法人向けクレジットを積極的に展開してクレジット総額は前年同月比33%増加の45億レアルを記録したが、一方では国債購入は5.5%減少している。

また同金庫の今年9ヶ月間の管理費は僅かに2.8%増加したが、サービス収入は8.1%、現金預金は30%、ポウパンサ預金は25%それぞれ増加して純益増加に結びついている。

今年9月の総顧客数は前年同月の4,060万人から4,430万人と大幅に増加して純資産は16.8%増加の122億レアルに増加、建設不動産部門への運転資金向けクレジットは30億レアルに達している。(2008年11月6日付けエスタード紙)

10月の外資流失は1999年以来の46億3,900万ドル

世界金融危機に見舞われた10月のブラジルからの外資流失は1999年1月の為替変動相場制移行でレアル通貨が暴落した時の85億8,700万ドルに次ぐ46億3,900万ドルを記録した。

また10月の多国籍企業の欧米本社への利益・配当送金である所得収支は62億4,900万ドルの赤字を計上、貿易収支黒字も僅かに16億1,000万ドルの黒字を計上下に過ぎない。

10月の1日当たりの輸出前貸し融資(ACC)金額は1億6,066万ドルと前月比32.7%減少しているが、10月後半から回復してきている。

9月15日のリーマン・ブラザース証券破綻をきっかけにレアル通貨の為替が暴落して、最高R$2.53レアルを記録して10月は13.3%のドル高になっ たが、中銀は為替スワップ介入で43億8,300万ドルの純益を記録している。(2008年11月6日付けエスタード紙)

機械・装置部門の貿易収支赤字はドル高で減少

ブラジル機械・装置工業会(Abimaq)ではドル高の為替の影響で今後の機械・装置の資本財輸入は減少に転じると予想、今年は120億ドルの貿易収支赤字を見込んでいたが、100億ドルから110億ドルに減少すると予想している。

今年9ヶ月間の機械・装置の輸入は前年同期比48.9%増加の165億ドル、9月は前年同月比43%増加の20億ドルであったが、前月比ではドル高の影響で9.3%の減少に転じている。

ドル高の為替は中国からの機械・装置の輸入に歯止めをかける効果があるが、ここ数年は前年比80%増加の勢いで増加、今年7ヶ月間では77.8%増加の13億ドルを記録している。

中国からの機械・装置輸入では4位に上昇してきているが、米国のリセッション入りの影響で中国では在庫が増加しているために、叩き売りの攻勢に出る可能性があるために、ブラジルも影響を受ける可能性が濃厚となっている。

9月までの国産の機械・装置販売は好調に推移して前年同期比27.6%増加の579億レアル、輸入製品を含む国内販売は40%増加の699億レアル、今年 は23%から25%の販売増加が見込まれており、9月までの輸出は17.9%増加の94億ドルを記録している。(2008年11月6日付けガゼッタ・メル カンチル紙)

ゲルダウは投資計画変更か

ゲルダウ社は国際金融危機で生産計画変更を余儀なくされているが、特に自社の鉄鋼生産に大きな比率を占める自動車部門向け特殊鋼は自動車販売減少の 影響を受けて大幅な減産を強いられているが、減産を補填するためには船舶、エネルギーや機械・装置部門の市場開拓に迫られている。

今年9ヶ月間の売上は前年同期比44.0%増加の362億レアルと好調に推移、また国際鉄鋼需要が旺盛であったために、米国ではChaparral・Steel並びにMacteel社を買収していた。

特殊鋼の生産能力はブラジル、米国、スペインの製鉄所の合計が370万トン、第3四半期の売上は77万2,000トン、今年9ヶ月間では210万トンに達している。

第3四半期の売上は前年同期比62%増加の124億レアル、純益は37%増加の14億2,000万レアル、今年9ヶ月間の粗鋼生産は1,420万トン、販売は1,560万トンに達している。

また業界内のアルセロール・ミッタルのツバロン製鉄所も粗鋼生産を20%相当の150万トンを減産して630万トンに引下げる生産調整を予定している。(2008年11月6日付けヴァロール紙)

銀行業界は再編で熾烈な競争に突入

イタウー銀行とウニバンコ銀行の合併で総資産が5,750億レアルのブラジルトップの銀行誕生で、トップ維持してきた4,227億レアルのブラジル 銀行と民間最大であった4,035億レアルのブラデスコ銀行は後塵を喫したために、巻き返しに残りの大手銀行買収で熾烈な競争を余儀なくされている。

ブラジル銀行は市場価値が60億レアルから100億レアルのサンパウロ州立銀行であるノッサ・カイシャ銀行買収ではブラデスコ銀行よりも有利に展開しているが、同行買収だけではイタウー・ウニバンコ銀行を追越すことは出来ない。

ブラデスコ銀行は数週間前にヴォトランチン銀行買収では条件が折り合わずに諦めたが、イタウー・ウニバンコ銀行の誕生で再度の同行の買収に迫られており、 ヴォトランチン銀行を200億レアルで完全買収を提示していたが、実権を握るエルミリオ・デ・モラーレス氏はブラジル銀行が提示している100億レアルで の資本参加に傾いていると市場では予想している。

ヴォトランチン銀行の総資産は736億レアル、サフラ銀行617億レアル、ノッサ・カイ シャ銀行540億レアル、シティー銀行は394億レアルで買収の対象となっているが、1銀行の買収ではトップに躍り出ることが出来ないために、複数の銀行 買収が予想されており、今後は業界地図が大きく変わると見込まれている。

1994年の3大銀行の市場寡占率は35%であったが、今では60%に達しており、今後10年間では3大銀行しか生残れないと予想されている。

合併でトップ銀行に躍り出たイタウー・ウニバンコ銀行は2006年に買収したボストン銀行を足がかりに、アルゼンチンとチリでクレジット部門に参入しているが、初めに経済好調なチリで業務拡大を予定している。

また経済が安定しているメキシコ、コロンビアやペルーには参入していないが、メキシコでプライベート・バンキング部門参入のための銀行買収をすでに発表している。(2008年11月5日付けエスタード紙)

エンブラエルは大型旅客機製造に参入か

エンブラエル社は120人乗り以上の大型旅客機市場への参入を検討しており、ボーイング、エアバスがマーケットシェアを握っている市場への参入プランを描いている。

しかし第3四半期は為替の影響を受けて、純益は4,840万レアルの赤字を計上したが、前年同期は3億600万レアルの黒字を計上していた。

また第3四半期の売上はドル高の為替の影響で前年同期比3.3%減の26億3,800万レアル、商業用航空機の売上は全体の63.7%の16億8,000万レアルであったが、前年同期の比率は68.7%であった。

第3四半期には48ジェット機を納入、国防省向けジェット機の売上は前年同期の4.11%から8.8%と大幅に増加、ERJ145型ジェット機とレガシー600型ジェット機を納入している。

エグゼクチブ向けジェット機の売上は3.3%減少の3億8,880万レアルであったが、レガシー600型ジェット機を9機納入している。(2008年11月5日付けエスタード紙)

9月の鉱工業界は金融危機にも関わらず2.0%伸びる

9月15日のリーマン・ブラザーズ証券破綻で始まった世界金融危機にも関わらず、全国工業連合(CNI)の発表によると9月のブラジル鉱工業界の伸び率は前月比2.0%、前年同月比では10.2%と好調を維持していた。

また今年9ヶ月間の伸び率は8.0%と好調でほぼ全ての部門で増加しているが、実労働日数が前月比、前年同月比で多かったカレンダー効果によるところが大きい。

またカレンダー効果の影響で9月の労働時間は前年同月比9.6%と大幅増加して、今年9ヶ月間の実働労働時間は2003年以来では最高となっている。

9月の新規雇用は前月比0.7%、前年同月比では4.3%、製造部門の雇用は今年9ヶ月間では4.4%、実質賃金では7.1%それぞれ増加している。

9月の設備稼働率は83.3%で前月の83.0%を上回りフル操業に近く、第3四半期の平均月間稼働率は83.2%であったが、販売の落ちている自動車メーカーのフォード社も10日から30日の集団休暇を発表しているGM、ファイアット、ワーゲン社に続いて、21月10日から20日間の集団休暇入りを発表している。(2008年11月5日付けエスタード紙)