連邦政府の来年度予算は80億レアル削減か

連邦政府は世界金融危機の影響で来年の景気後退が余儀なくされ、パウロ・ベルナルド企画相は来年度の経済成長率を4.5%から3.8%と大幅に下方修正、インフレならびに石油価格下落に伴って連邦予算は80億レアルの削減を見込んでいる。

国内総生産(GDP)が1.0%減少すると40億レアルの歳入減をきたし、またインフレ低下も販売価格低下に伴って歳入減につながる。

また国際石油価格の低下はローヤリティ収入の低下につながり、連邦政府は来年度のローヤリティ収入を334億レアルと見込んでいたが、70億レアルの収入減を予想しているが、ローヤリティ収入の60%は州政府や市町村に分配されているために、地方自治体にとっては大幅な歳入減に結びつく。(2008年11 月5日付けエスタード紙)

ブラジルへの移民事業の先鞭を付けた「水野龍」の記念出版会

ブラジル日本移民100周年記念事業の一環としてブラジルへの移民事業の先鞭を付け、ブラジルをこよなく愛した「水野龍」伝記のニッケイ新聞主催の記念出版会が11月4日午後7時からSESCビラ・マリアーナで開催、田中信会頭、平田藤義事務局長が参加した。

イタウー銀行とウニバンコ銀行が合併

昨日、イタウー銀行とウニバンコ銀行が合併を発表して、ブラジル国内ではブラジル銀行、ブラデスコ銀行を追越して総資産5,750億レアルで業界1位に躍進、また南半球でもトップ、世界ランクは17位に上昇した。

この合併劇は15ヶ月前から水面下で交渉が続いていたが、今年9月に表面化した世界金融危機が合併を早める結果となり、今後は国外への進出で国際化を計り、初めにラテンアメリカに進出後は他の新興国などへの進出が予想されている。

イタウー銀行とウニバンコ銀行の合併でブラジル国内の5大銀行の預金は全体の74.3%に相当する4,500億レアル、総資産の72.9%、クレジットの72.2%を寡占する。

大銀行の寡占化は銀行金利やサービス手数料金の低減を難しくさせて、一般消費者にとっては厳しくなるが、ブラジルの国内銀行の大型化は国際競争力を付ける効果がある。

イタウー銀行の総資産は3,966億レアル、ウニバンコは1,785億レアル、純益59億レアル、22億レアル、純資産321億レアル、129億レアル、 クレジット総額1,510億レアル、743億レアル、顧客総数4,350万人、3,010万人、従業員6万9,165人、3万5,164人となっている。

イタウー銀行とウニバンコ銀行の合併で民間最大銀行であったブラデスコ銀行は総資産で1,500億レアルも差を付けられたために、早急に合併する銀行を選択する必要に迫られている。

ブラデスコ銀行の有望な合併先は給与・年金口座天引き型ローンや330億レアルに達する自動車購入ローンを擁するヴォトランチン銀行が有力と見込まれているが、総資産が730億レアルと合併しても追いつかないために、他の銀行の買収も視野に入れている。

ブラデスコ銀行以外にはブラジル銀行、サンタンデール銀行も合併劇に参入すると予想されるので、今後のブラジル国内の銀行業界の再編が急速に進むと予想される。(2008年11月4日付けエスタード紙)

モンサントがヴォトランチンのバイオ技術企業買収

モンサントは2億9,000万ドルを投資してヴァトランチングループの砂糖キビのバイオテクノロジー企業で2002年設立のAlellyx社と2003年設立のCanaVialis社を買収した。

同社ではトウモロコシ、大豆並びに綿花と並んで砂糖キビを世界戦略商品と位置づけており、砂糖キビの品種改良、ゲノム解析や栽培技術ではブラジルを世界の研究センターと位置付けている。

モンサントは年間8億ドルを研究や技術開発に投資しているが、ヴォトランチングループの2企業買収はヴォトランチンが為替デリバチィブで22億レアルの損害を被った3週間後となっている。

クリーンエネルギーで再生可能な砂糖・エタノール部門への投資は海外投資家が大きな比重を占めていたが、世界的な需要の減少や企業家の為替デリバティブでの損害や株価の下落で業界にとっては厳しい向かい風となっている。(2008年11月4日付けエスタード紙)

10月の貿易収支は過去7年で最悪

世界金融危機や為替変動に見舞われた10月のブラジルの貿易収支黒字は12億ドルに留まり、10月の月間記録としては過去7年で最悪となっている。

今年10ヶ月間の輸出は1,693億7,000万ドル、輸入は1,485億2,000万ドル、貿易収支黒字は前年同期比39.6%減少の208億5,000万ドルまで落込んでいる。

過去2年間の10月の輸出は前月比で4.0%減少していたが、今年は7.5%減少、例年の10月はクリスマス商戦向けの消費財の輸入が大幅に増加するが、今年はドル高の為替に振れた影響で僅かに0.2%増加したに過ぎない。

10月の輸出は185億1,000万ドル、1日平均8億4,150万ドルで前年同月比17.4%増加、輸入は173億1,000万ドル、1日平均7億8,660万ドルで40.3%増加している。

10月の非耐久消費財の輸入は為替の影響が大きく響いて前月比13.4%減少、前年同月比では11.7%増加したが、昨年は前年同月比では35.2%増加していた。

10月の輸出では大豆42%、エタノールが21.3%それぞれ減少したが、為替の影響を受けたトラック輸出は11.8%、セルラーが16.9%それぞれ減少、完成品輸出は前月比14.1%減少、コモデティ商品のアルミ価格は前月比9.3%減少したが、鉄鉱石価格は2.0%の減少に留まった。(2008年 11月4日付けエスタード紙)

第3の液化天然ガスターミナル建設

ペトロブラスのガス・エネルギー部門のグラッサ・フォステル取締役は南部地域のガスパイプライン網に近い場所に、液化天然ガス(LNG)ターミナルの建設を2009年から開始予定と発表した。

ブラジル国内の液化天然ガスターミナルはセアラー州ペセン港湾に第1号、リオ州グアナバラ港湾に来年3月からの操業が予定されており、それぞれ日産2,100万立方メートルの処理能力を擁している。

10月のペトロブラスの石油輸出は4月の1日当たりの輸出量4万2,000バレルを大幅に上回る57万4,000バレルを記録して貿易収支赤字を低減するが、今年は石油の自給率が下がっていた。

今年9ヶ月間の石油の輸入は1億9,882万バレル、輸出は1億7,655万バレル、1日当たりの輸入は72万3,000バレル、輸出は64万2,000バレルで8万1,000バレルの輸入超過となっていた。(2008年11月4日付けエスタード紙)

官民合同会議フォローアップ合同作業部会会合に27人が参加して開催

  11月27日にサンパウロで開催される官民合同会議に先立ち、10月31日午後2時から同フォローアップ合同作業部会会合に27人が参加して開催、田中一男企画戦略委員長が開会挨拶を行ない、テーマの説明をはじめ進行役や最後の纏めなど宮下匡之総務参事官が担当した。

  初めに吉村一元一等書記官が知的財産問題餌の取組状況として、甘利経済産業大臣とジウマ・ロウセフ分官長、ミゲル・ジョルジ開発商工大臣との会合、ブラジル政府海賊品・知的財産問題対策全国評議会(CNCP)と日伯連絡会議の開催、中南米IPG会合をCNCPと共同開催した事を報告。

  中南米IPGを中心にブラジル政府等との強力なネットワークの構築、違法品識別マニュアル作成して取締まり当局職員向けの研修開催予定、特許審査の迅速化などブラジル工業所有権院(INPI)の能力アップのための日伯知的協力の提案、「日伯貿易投資促進委員会」における議題化などを説明した。

  また今後の方針として政府間協議メカニズム・ネットワークの積極敵活用として、各企業が抱える個別課題解決のため、取締り当局への情報提供による海賊品・模造品の摘発強化、模造品や流通ルートの情報収集のためのコンサルタント調査、知的財産権制度の企画立案部局と提携した対策、INPIの執行能力向上のための両国知財協力、各国政府及び産業界との提携した取組強化などを説明した。

  仲谷秀孝二等書記官は移転価格税制問題の取組状況として、甘利産業大臣とロウセフ文官長、ジョルジ開発商工大臣との会談、島内憲大使が上院外交防衛委員会メンバーと会談、財務省、サンパウロ州工業連盟(FIESP)、全国工業連合(CNI)などへの要請、ブラジル米国大使館・EU代表との意見・情報交換を通じての連携強化を説明した。

  また進展具合としてブラジル財務省令の固定マージンへの例外適用申請プロセス・提示書類の明確化の改訂、「貿易投資促進合同委員会」における議題化、今後の方針として政府間協議メカニズムの効果的活用、各国及びFIESP/CNIとの連携強化などを説明した。

  宮下参事官は11月24日と25日にブラジリアで開催される貿易促進委員会では知財権問題、移転価格税制を議題として予定しているが、参加者に取上げてほしい議題や要望についても質問、最後に11月27日開催の財伯官民合同会議の議題案について説明後に、田中企画戦略委員長が簡単に閉会の挨拶を行ない、スピーディで多岐にわたる意見交換や要望などもでて、官民一体となった素晴しい会合となった。

出席者
在ブラジル日本国大使館
宮下 匡之 (在ブラジル日本国大使館 総務参事官)
吉村 一元 (在ブラジル日本国大使館 一等書記官)
仲谷 秀孝 (在ブラジル日本国大使館 二等書記官)

在サンパウロ日本国総領事館
西林 万寿夫 (在サンパウロ日本国総領事館 総領事) 
加藤 秀雄 (在サンパウロ日本国総領事館 領事)
田畑 篤史 (在サンパウロ日本国総領事館 副領事)
金沢 登紀子 (在サンパウロ日本国総領事館 専門調査員)

ジェトロ・サンパウロ
佐々木 光 (ジェトロ・サンパウロ 所長・ブラジル日本商工会議所コンサルタント部会長)
原 宏 (ジェトロ・サンパウロ 次長)

ブラジル日本商工会議所
田中 信 (ブラジル日本商工会議所 会頭)
石川 清治 副会頭・企業経営委員長・日伯法律委員長 (YKKブラジル 社長)
新谷 道治 副会頭・広報委員長 (味の素インテルアメリカーナ 社長) 
峯川 尚 副会頭・移転価格税制検討委員長・自動車部会長 (ホンダ・サウスアメリカ 社長)
松田 雅信 副会頭・総務委員長・電気電子部会長 (パナソニック・ブラジル 社長)
田中 一男 専任理事・企画戦略委員長 (伊藤忠ブラジル 社長)
阿部 勇 専任理事・異業種交流委員長・建設不動産部会長 (ブラジル戸田建設 社長)
米倉 立二郎 専任理事・財務委員長 (ブラジル南米安田保険 社長)
杉山 俊美 専任理事 (ブラジル新日鐵 社長)
佐々木 修 専任理事・GIE委員長・貿易部会長(三菱商事 中南米CRO)
窪田 敏郎 専任理事・日系社会関係委員長 (ブラジル三井住友銀行 社長)
和田 亮 専任理事・相互啓発委員長・運輸サービス部会長 (ブラジル日本通運 社長)
松尾 新一郎 化学部会長 (ブラジル住友化学 社長)
西岡 勝樹 機械金属部会長 (日立ブラジル 社長)
尾崎 久明 (日立製作所グローバル事業本部新興市場開拓センター 中南米部長)
中山 立夫 (ブラジル三井物産 社長)
進藤 正揮 (ブラジル三井物産 取締役)
浅野 英樹 日伯経済交流促進副委員長(ブラジル三井物産 取締役)
寺田 健司 (ホンダ・サウスアメリカ )
平田 藤義 (ブラジル日本商工会議所 事務局長)

【配布資料】知的財産権問題(吉村一元一等書記官-官民合同フォローアップ会合 2008年10月31日)
【配布資料】ビジネス環境上の課題-アンケート結果(同上)
配布資料】移転価格税制(仲谷秀孝二等書記官 同上)
【配布資料】移転価格アンケート集計結果(同上)

 

左から田中信会頭/田中一男企画戦略委員長/宮下匡之総務参事官/西林万寿夫総領事

積極的に意見交換が交わされたフォローアップ会議(正面奥から吉村一元一等書記官/仲谷秀孝二等書記官)

株価回復には4年から15年かかるか

40年間もサンパウロ証券取引所の金融市場動向を見てきたデシオ・パセキロ教授は今回の金融危機は経験したことが無い程の規模であり、5月20日に付けたサンパウロ平均株価7万3,516ポイントは今では49.3%の大幅下落を記録している。

2003年の個人の株式投資家は9万4,320人であったが、今年9月には55万人で484%も増加したが、大半は高値で購入して安値で株を手放しており、今回の暴落で今後一切株投資をしない投資家も数多くでている。
40年間のサンパウロ証券取引所では4回の大幅な株価の値上がりを記録しているが、また今回の暴落を含めて4回の大幅下落を経験しているが、株価回復には短くて4年、最長は15年となっている。
1971年にはブラジル国内で株ブームのバブルが弾けて暴落、その後石油危機、ハイパーインフレ、為替危機やモラトリアムなどが続いたために1986年まで株価が低迷していた。(2008年11月3日付けエスタード紙)

クレジット不足で大型インフラプロジェクトが停滞

世界金融危機の影響によりブラジル国内ですでに着手されている324件の大型インフラプロジェクトがクレジット不足で完成の遅れが余儀なくさ れ、またプロジェクトが開始していない物件も含めると、プロジェクト完成には今後数年以内に900億レアルのクレジットが必要となる。

昨年、5ロットの国道コンセッションを落札したスペイン資本のゼネコンOHL社では予定通りにプロジェクトを進めるためには今年7億レアル、来年は12億レアルの資金調達、また総延長距離2,078キロメートルの国道整備には41億レアルの資金調達に迫られている。
エレトロブラスは先月、サント・アントニオ水力発電所、ジラウ水力発電所並びに原子力発電所アングラ3号向け建設資金調達として、海外金融市場で社債発行により4億ドルの資金調達を予定していたが、キャンセルを余儀なくされたが今後の資金調達の見通しは立っていない。
またサンパウロ州水道会社(Sabesp)では金融危機発生前には今後数ヶ月に償還期間が来る負債支払いのために、2億2,000万レアル並びに3億レアルの社債発行を経営審議会で承認されていたが、計画変更を余儀なくされている。
港湾設備部門もクレジット不足並びに今後の貿易量の減少が見込まれているために計画の見直しが迫られており、現在は3港湾に35億レアルを投資しているが、港湾整備に着手していないプロジェクト総額は90億レアルに上っている。
インフラ基幹産業協会(Abdib)では銀行からのクレジットが縮小しているために、連邦貯蓄金庫(CEF)、年金ファンド並びに投資ファンドが資金を提供して、100億レアル規模の投資ファンド設立を連邦政府に要請している。
すでに着手されているインフラ部門プロジェクトの総額は342億レアル、水力発電所建設には146億レアルが23プロジェクト向けに投資されて、4,719メガワットの電力エネルギー発電が見込まれている。
また鉄道整備には5億レアルで505キロメートルの鉄道建設、電力配電網には42億レアルで総延長距離は7,720キロメートルが予定されている。(2008年10月3日付けエスタード紙)