衛生・化粧品部門の売上好調

昨年のブラジルの衛生用品や化粧品、美容関係の売上は前年比22.6%増加の223億2,000万ドルに達して米国の513億ドル、日本の305億ドルについて世界3位にランクされている。

ここ3年間の同部門の平均伸び率は前年比9.0%に達しており、今年上半期の工場出荷価格は前年同期比7.7%増加の77億5,000万レアル、今年は8.7%増加の212億レアルが予想されているが、化粧品や衛生用品には工場出荷価格に70%の税金がかけられる。

今年上半期の香水の小売販売は13.8%増加の11億2,000万レアル、化粧品は2.4%増加の18億6,000万レアルであったが、為替の変動に左右されるが2010年までにはブラジルは日本を追越す可能性があり、特に日焼け止め製品の売上は世界の売上69億5,000万ドルの8.2%に相当する5億 700万ドルに達している。(2008年9月25日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

恒例の近藤健書記官の政治セミナーに27人が参加して開催

コンサルタント部会(佐々木光部会長)主催の政治セミナー「2008年市長選挙と今後のブラジル政局」が9月24日午前10時から正午まで27人が参加して開催、在ブラジリア日本大使館の近藤健書記官が今後のブラジル政治の行方を個人的見解として講演した。

初めに佐々木部会長が来月に近藤書記官のアンゴラへの赴任を紹介して、恒例の近藤書記官の政治セミナーも暫くの間、お預けになるが来月の市長選や2010年の大統領選の行方などが解説される絶好の機会であると説明して講演会は始まった。

近藤書記官は初めに10月5日の第1次投票は全国5,564市の市長、約5万人に達する市会議員を選出するが、26州都及び人口20万以上の79都市では第1次投票で過半数に達しない場合は上位2候補によって10月26日に決戦投票が行なわれる。

地方統一選挙は4年ごとに行われる大統領、上下両院議員や州知事選挙と2年のずれがあるために中間選挙的意味合いがあり、世界でも最も優れた選挙結果が速く判明する電子投票で実施され、ブラジル人は政党ではなくて候補者に投票する傾向から多党乱立となっている。

ブラジルの政界構図としてカルドーゾ政権時の野党は労働者党(PT)に党議席数の少ないブラジル社会党(PSB)とブラジル共産党(PCdoB)ぐらいであったが、ルーラ政権誕生後は利権でいつも政権側に付く大所帯のブラジル民衆運動党(PMDB)がPTの与党側に寝返りを打ったために、野党はブラジル民主党(PSDB)と旧PFLの民主党(DEM)が主な政党となっている。

市長選調査では10月の市長選では26州都のうち与党候補が19州都で優勢となっており、2000年の市長選では与党連合は13州都で勝利をしたが、ルーラ大統領のカリスマ性が大きく影響して、今回の市長選では与党候補は選挙戦を有利に進めている。

与党連合が優勢な理由としてブラジルの政権支持率は雇用率、経済成長率に比例する傾向があり、コントロールされているインフレや好調な国内経済が追い風になっており、最終調査のルーラ政権の支持率は70%、ルーラ大統領個人の支持率は78%と第1ルーラ政権の政権支持率53%から大幅に増加しているが、大半の第2次政権支持率は下降線を辿るが、ルーラ大統領のカリスマ性が益々強大になってきて逆に支持率を上げている。

また与党連合優勢の要因では社会格差是正政策として、貧困層向け直接補助金のボルサ・ファミリアは1,100万世帯で国民の1/4に相当する5,000万人近くが恩恵を受けており、貧困層から絶大な支持を受けて、ばら撒き政策と非難されているが、最低サラリーの大幅アップと共に貧困地域での購買力増加で、地方経済活性化の起爆剤となっている良い面もある。

また与党優勢理由として議員修正予算配分では与野党議員で2倍以上の格差が付いており、主要都市への交付金でも与党市長と野党市長では大きく格差が付いていることも与党候補優勢になっている。

ルーラ政権後には政府の広報費用が大幅に増加したことも与党候補を優勢に導いており、政界で並ぶ者のないルーラ大統領のカリスマ性と高支持率の前では対抗すること自体が無駄で逆効果となるために、与党連合のPMDB党候補は言うに及ばず、野党政治家までルーラ大統領と一緒に納まっている写真を選挙の宣伝に利用している。

最近では貧困層以外にも高学歴、高額所得者層にもルーラ政権支持が増加してきて、今月の調査では全階層で半数以上の支持率を集めており、ルーラ大統領自身も歴史に名を残したヴァルガス大統領とクビチェック大統領を意識した発言が多くなってきている。

国民にとって好調な国内経済、低いインフレ率、貧困対策強化による社会格差の削減、実質賃金の上昇や雇用創出増加でルーラ政権への不満が少ないために、現状維持の国民のコンセンサスとなっているが、緊縮的財政金融政策はPSDB党の政策を引継いでおり、大統領候補を選出できる政党はPTとPSDBだけとなってしまっている。

全国的組織を網羅するPMDB所属の市長はどの政党よりも多いが、1988年の37.5%から2004年は19.1%と半減、DEMとPSDBは15%前後、PTは1088年の0.9%、2000年の3.4%から2004年には7.9%と大躍進をしている。

来月の市長選に当選すれば強力な選挙マシーンとなって大統領選に有利に左右するために、如何に多くの主要都市で市長を誕生させるかが大きな鍵を握っているが、最近のPSDBは分裂気味であることも更に追い風になる可能性もある。

与党内にルーラ大統領三選待望論も一時話題を集めたが、ルーラ大統領の政治嗅覚は敏感であり、リスクを負ってまで三選のための憲法改正は行なわず、寝返りを打たないジウマ・ロウセフ官房長官を後継指名して2014年に大統領に返咲く算段と思われている。

サンパウロ市長選は一次選突破確実のPTのマルタ候補、PSDBのアルキミン候補、DEMのカサビ現市長の三つ巴選となるが、2010年の大統領選にPSDBから立候補するセーラ聖州知事は票田の大きいDEMの支持を受けるために、カサビ候補を支持して党内分裂をきたしているが、前回の大統領選ではアルキミン候補が出馬してルーラ大統領に負けている。

2010年のジウマ大統領候補の副大統領候補としてリオ州のセルジオ・カブラル知事があがっているが、メンサロン汚職事件の時にルーラ大統領の子息の汚職追及を議会調査委員会(CPI)で激しく追及したリオ市長選のパエス立候補はカブラル知事の支持を受けているが、ルーラ大統領が水に流すかがネックになっているが、カブラル知事とパエス候補が当選すれば久々にリオから立派な政治家輩出となる。

またベロ・オリゾンテ市長選では無名のPSBのラセルダ候補がダントツの支持率を集めているが、人気の高いPSDBのネーヴェス知事とPTのピメンテル市長の与野党協力での後押しで当選が有望であり、ルーラ大統領とネーヴェス知事とは良好な関係を維持している。

2010年の大統領の候補者の顔ぶれとしてはセーラ聖州知事の知名度が高くてトップ、PSBのシロ・ゴメス元国家統合大臣、PSOLのエロイーザ・エレーナ元上院議員の後にジウマ官房長官が顔を出しているが、今後2年間で如何にジウマ官房長官を後継者として育てるかが課題となっている。

ジウマ長官はコリーナと呼ばれる左翼ゲリラ組織で武装闘争に参加して1970年から73年まで拘留された経験があり、1999年にPTに入党、南大河州政府の鉱山動力通信長官を務めて手腕を買われて、第一次ルーラ政権では鉱山動力大臣、2005年6月から官房長官を務めているが、PT内では主流派ではなくてまた選挙経験もないが、ルーラ大統領の右腕とされてルーラ大統領の意中の後継者と見られているが、真面目で政治家として極めて優秀であるが、愛想のないのが大きな欠点となっており、ルーラ大統領は注目を集める大型プロジェクトや会合にジウマ官房長官を同席させて、プロジェクト推進の立役者などとして知名度アップやイメージチェンジに躍起となっている。

州知事選挙、市長選挙では後継指名された候補者に、無条件で投票して当選する場合が多いが、大統領選では前例がないにも関わらず、ルーラ大統領が指名した候補者当選の可能性が高いとする見方があり、今回の市長選ではルーラが支持する候補への投票率予想は30数パーセントと非常に高い数字を示して、その人気とカリスマ性では他に類を見ない。

2010年の大統領選では野党のセーラ聖州知事の立候補が確実視されおり、セーラ候補は副大統領候補にミナス州のネーヴェス知事を望んでいるが、ネーヴェス知事はPSDBからの大統領選出馬が難しいために、PMDBへの移籍が噂に上っており、政治は一寸先は闇になる可能性も拭えない。

今後の政治動向としてPT長期政権となるのは史上最高支持率のルーラ政権にはレイムダックの兆しは見られず、PSDBから引継ぐ緊縮的堅実な経済政策と貧困対策強化路線は国民のコンセンサスを得られており、資源や食料コモデティ価格の高止まり、巨大な埋蔵量の岩塩下石油の発見など神風に近い追い風となっており、また後継者選びに細心の注意を払って2010年にジウマ大統領を誕生させた後、2014年にまだ69歳のルーラ大統領誕生でPTの長期政権維持のシナリオが描かれている。

しかしPT政権長期化では連邦政府の政治任用数がルーラ政権発足の2003年から急増して人件費支出の増加など効率の悪さも指摘されており、構造改革の進展として税制改革は実施すると見られているが、労働法改革はプライオリティが最も低く、痛みを伴う社会保障改革は新政権発足の2011年が好機であるが、憲法改正に必要な上院での3/5の票確保は非常に困難となっており、仮に野党への政権交代のシナリオとなった場合、セーラ候補はPSDB内では開発主義者に属し、改革は必要なら行うが政策には優先順位が必要との立場をとっている。

今後の政治動向として国民的コンセンサスの取れている緊縮的経済運営と社会格差是正のための貧困対策強化の両立は政権が変わっても継続すると見込まれており、コロール政権の輸入自由化路線が20年以上継続、ルーラ政権に対する貧困層から裕福層までの幅広い支持、また民族や宗教対立もなく、資源、食料、環境、水資源の豊富なブラジルはBRICsの中でも唐突している存在で、外的経済危機にも耐えうる外貨準備高、政治構造では政権党が有利な構造、政権交代可能な二大政党制の実現、保守派でさえルーラ再選を歓迎しており、中期的に不安定要因が見られないブラジルの前途は洋々としていると締めくくって、来月アンゴラに赴任する近藤書記官に大きな拍手が送られた。

ポワーポイントで地方統一選挙などの行方を解説する近藤健書記官

熱心にj講演を聞く参加者

左からコンサルタント部会の佐々木光部会長/講演者の近藤健書記官/平田藤義事務局長

アメリカ商工会議所のアラウジョ広報部長が100周年記念イベントの打合せに訪問

アメリカ商工会議所のカールラ・アラウージョ広報部長とプロダクト&サービス部のライス・レチエリ女史が8月11日に続いて9月24日にアメリカ商工会議所での日本移民100周年記念イベント開催の打合せに商工会議所を表敬訪問、佐々木修GIE委員長、平田藤義事務局長、事務局事業班の柴田千鶴子主任、総務の日下野成次担当が出席、アメリカ商工会議所が場所を提供、日本商工会議所がハッピーアワーのメニュー提供などについて話合った。

左からアメリカ商工会議所のレチエリ女史/アラウジョ部長/柴田主任/平田事務局長/三菱コーポレションの佐々木代表/日下野総務担当

Previは投資先の選定開始

ブラジル銀行年金基金(Previ)は収益の上がらない投資先からの資金引上げを開始、パラナパネマグループの49.08%の株式を所有している Previはグループ傘下の錫鉱石生産のタボカ鉱山を8億5,000万ドルでペルー資本セーラ・ダ・マデイラグループに譲渡する。

また2000年から10億レアルの大型投資を行なってきた100%の資本を擁しているバイア州コスタ・ド・サウイペ海岸のリゾートホテルをジャマイカ資本のスーパークラブスに2億レアルでの譲渡交渉を行なっているとリゾート市場で話題になっている。

Previはサンパウロ州ヴィネード市の大型テーマパーク・ホッピ・ハリに10%の資本参加をしているが、44.5%の資本参加のGPグループ、 13.2%のOiグループ、10.91%のFuncefなどと共に買収先を探しているが、今年の売上は入場者数200万人で前年比17.2%増加の 8,370万レアルを見込んでいる。

1995年からブラジル経済が安定してきたために、リゾートホテルやテーマパークのエンターテイメント部門などに大型投資を行なってきたが、投資金が増加するだけで収益が上がっていないために、処分して投資先の変更を行う。(2008年9月23日付けエスタード紙)

コザンが8億8,000万レアルの増資で投資金調達

世界最大のエタノール及び砂糖生産会社コザングループは8億8,000万レアルの増資並びにブラデスコ銀行から10億ドルのクレジット、Calyon銀行から3億ドルのクレジットを結んで資金調達をする。

これらの資金はゴイアス州の新しいエタノール精製工場建設、すでに建設済みの工場増設、農場の機械化や電力エネルギー部門への投資を予定している。

コザンはエッソのガソリンポスト網買収に8億2,600万ドルとエッソの負債1億6,300万ドルを引受けて、川上から川下までの事業体制を整えて収益率アップを目指している。

コザングループはエタノールと砂糖の国際コモデティ価格が安定している現在はエタノール精製工場などの買収が促進すると見込まれているが、同社は年産300万トンの砂糖キビ処理が可能な大型精製工場物件買収の可能性を探っている。(2008年9月23日付けエスタード紙)

今年の国庫庁の税収予想は7,237億レアル

ブラジルの好調な国内経済で国庫庁の税収が増加の一途を辿っており、連邦政府の予算に組み込まれていない51億3,100万レアルが公共投資に向けられると予想されている。

今年の社会保障院(INSS)の全社会医療福祉制度(RGPS)からの徴収金を含む今年の国庫庁の税収は前年よりも361億レアル増加の7,237億レアルが見込まれている。

経済のバロメーターとなる所得税(IR)や純益に対する社会納付金(CSLL)は企業の純益増加に伴って増加を続けており、鉱工業部門を中心に工業製品税(IPI)が増加、レアル通貨の上昇に伴って輸入税(II)も増加している。

今年上半期に金融取引税(IOF)の税率が引き上げらために金融部門からの税収も増加しているが、昨年よりも59億レアル増加の税収が連邦政府から州政府や市町村に分配される。

7月と8月の税収バランスでは社会保障院のRGPSのバランスが悪化してきているために、納付金が16億レアル増加してきたにも関わらず、今年は24億レアルの赤字計上が見込まれている。(2008年9月23日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

来年のIPCA予想は4.97%に低下

中銀のインフレ率となる来年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回の予想5.0%を下回る4.97%に下方修正、来年末の政策誘導金利(Selic)も13.79%から13.75%に下方修正されたが、今年末のSelic金利は前回同様14.75%に据置かれた。

今年末のIPCAは8週前の6.26%から6.23%に下方修正されたが、中央目標値4.5%を大幅に上回っており、今年末のレアル通貨はR$1.65からR$1.70、来年末はR$1.75からR$1.77にそれぞれドル高方向に修正された。

今年の経常収支赤字は280億ドルから278.5億ドルに下方修正されたが、来年は340億ドルから344億ドルに引き上げられており、今年の国内総生産(GDP)の伸び率は5.01%から5.17%、来年は前回同様3.6%に据え置かれている。(2008年9月23日付けヴァロール紙)

パナソニック南米本部の宇治英次本部長が表敬訪問

米国パナソニックから赴任してきたサンパウロのパナソニック南米本部の宇治英次本部長が9月23日に商工会議所を表敬訪問、田中信会頭、平田藤義事務局長とブラジル経済について意見交換を行なった。

平田藤義事務局長/パナソニック南米本部の宇治英次本部長/田中信会頭

ペトロブラス増資ではFGTSの積立金使用可能

総額2,000億レアルに達する勤続期間保障基金(FGTS)の積立金のうちでペトロブラス石油公社の増資向け投資が可能となり、サラリーマンにとっては2000年のペトロブラス株購入で700%の利益を上げたときと同じ投資チャンスの可能性がでてきた。

ペトロブラスの60%の株は民間投資家、特に海外投資家に握られているが、FGTS積立金使用による増資はブラジル人の株占有率を更に高めることが可能となる。

2000年のFGTS積立金によるペトロブラスの株購入は31万2,000人が16億レアルを投資したが、今では10万3,000人が株価総額84億レアルを未だに保持して700%の利益を上げている。(2008年9月22日付けヴァロール紙)