米・印中の対立でドーハ・ラウンド決裂

世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)をめぐる非公式閣僚会合は農業、鉱工業両分野の自由化ルールを定める市場開放の大枠で合意に至らずに交渉が決裂した。

米国は11月の米大統領選挙などを控え、交渉は当面、凍結される見通しで再開の目途が立っておらず、今後は二国間や多国間協定での貿易拡大の方向に進む可能性が濃厚となってきた。

ドーハ・ラウンドの決裂で世界貿易機関の権威低下が心配されるが、今後、ブラジルはメルコスルと米国、2004年から中断しているヨーロッパ連合との自由貿易協定を再開すると予想されている。

今回の交渉決裂で工業先進国は発展途上国への工業製品輸出の促進、中国や低コスト輸出国から先進国への自動車、繊維や化学製品の関税低減、米国、パラグアイやウルグアイの農業生産者の発展途上国への輸出増加、ラテンアメリカのバナナ生産者のヨーロッパ連合国への関税協定決裂でそれぞれ期待に反する結果となった。

しかし交渉決裂により自動車メーカーは輸入関税低減できなくなったが、インドや中国からの自動車輸出、発展途上国からの化学製品、米国の綿花生産者、アイルランドの食肉生産者、韓国の米作農家に対する農業保護の輸入関税や農業補助金の継続で今後も恩恵を受ける。(2008年7月 30日付けエスタード紙)

7月30日開催の自動車部会ではシンポ発表資料作成で大いに意見の交換

自動車部会(峯川尚武会長)は7月30日午後4時から6時近くまで商工会議所大会議室に13人が参加して開催、8月7日開催の業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で大いに意見の交換が行なわれた。

格安長期ローンやブラジル経済好調を背景に二輪・四輪の生産・売上の記録更新、リーターカー販売の比率低下、リース販売拡大とクレジット販売定価の支払い形態の変化、二輪のコンソルシオ販売、倍増する設備投資、右肩上がりの成長など今後も好調を維持が予想されている。

しかし上昇に転じた政策誘導金利、中国からの格安タイヤ急増、原材料の値上がり、難しい製品価格手の転嫁、高い設備稼働率、金型技術者の引き抜き、環境規制、排ガス規制などの問題点についても大いに意見の交換が行なわれた。

参加者は峯川部会長(ホンダ)長谷部氏(トヨタ)、末氏(ホンダ)、安部氏(ホンダ)、唐木田氏(三井住友銀行)、高岡氏(ブリジストン)、斉藤氏(デン ソー)、関根氏(個人)、二木氏(ミドリ・アトランチカ)、イガラシ氏(矢崎インターナショナル)、加藤領事、田畑副領事、平田事務局長

 

部会長シンポ発表資料作成で盛んに意見交換

左から加藤領事/峯川部会長/安部氏/末氏

クレステック社の道白直樹アシスタントマネージャが表敬訪問

東京港区に本社を置くクレステック社海外事業部の道白直樹アシスタントマネージャーが7月30日に商工会議所を訪問、平田藤義事務局長とブラジル経済・政治について意見の交換を行なった。

左から平田事務局長/クレスティック社の道白アシスタントマネージャー

金利上昇で海外投資家が確定金利ファンドに戻る

政策誘導金利(Selic)金利が0.75%引上げられて13.0%に上昇したために、海外投資家の確定金利付ファンドや国債購入に対する金融取引税(IOF)1.5%徴収にも関わらず増加してきている。

今月28日までの確定金利付ファンドなどへの海外投資家の資金は32億2,700万ドルで株式市場からの資金34億9,500万ドルが流入してきているが、前月の9億200万ドルから大幅に増加している。

しかし3月から金利上昇に伴って海外投資家の確定金利付ファンドなどへの投資に対して金融取引税を徴収し始めたために、3月の投資金は2億3,000万ドル、4月は3,600万ドルと減少していた。(2008年7月29日付けヴァロール紙)

ルーラ政権で初めて資本財の貿易収支赤字計上

ルーラ政権発足以来始めて今年の上半期の鉱工業の製造部門の貿易収支が10億ドルの赤字を計上したが、今回の通貨政策委員会(Copom)の政策誘導金利(Selic)の更なる0.75%の切上げで、今後更に悪化すると見込まれているが、前年同期は 115億ドルの大幅黒字を計上していた。

昨日の為替はR$1.575レアルを記録して1999年1月のレベルに達して、今年はすでに11.27%のドル安の為替を記録、またSelic金利の更なる切上げでドルが更に流入してドル安の為替に拍車がかかるために、価格競争力が更に悪化して輸出が減少する。

通常、為替の効果が現れるのは6ヶ月から1年後であり、鉱工業部門の貿易赤字は昨年17.7%上昇したレアルの為替の影響が10億ドルの赤字計上となった。

今年上期の機械・装置部門、自動車、化学部門の赤字は122億3,300万ドルで前年同期の33億2,100万ドルの赤字を大幅に上回っており、1997年上期以来の赤字幅となっている。

最先端テクノロジーの航空機、精密機械部門は前年上期の赤字68億4,700万ドルから97億4,000万ドルと大幅に増加、食品、飲料や嗜好品部門は114億ドルから140億ドルの黒字に上昇している。

また紙・パルプ部門の黒字は31億ドルから33億ドルに上昇、繊維、皮革や履物部門は15億ドルを計上しているが、2006年からの黒字幅は減少して生きている。

ルーラ政権発足以来のレアルの累積為替高は124.2%でヨーロッパ連合やラテンアメリカの中では最も上昇しており、コロンビアの通貨は61.6%の値上がりでブラジルに続いているが、ヴェネズエラの通貨は34.7%下落している。(2008年7月29日付けエスタード紙)

経常収支赤字が拡大

今年の上半期の経常収支は174億ドルの赤字を計上して1947年の統計開始以来最悪を記録、特に本国への利益・配当送金は前年同期比93.6%増加の189億9,000万ドルを記録している。

また貿易収支黒字はドル安の為替と内需旺盛で輸入が急増したために、前年同期比44.8%減少の113億4,000万ドル、またドル安が海外旅行を促進したために、海外旅行部門のサービス収支は148.5%増加の26億3,000万ドルの赤字を計上している。

しかし過去12ヶ月間の海外からの生産向け直接投資は304億3,000万ドルに達して、同時期の経常収支赤字181億ドルを大幅に上回ったが、今年上半期の海外からの直接投資は167億ドルで経常収支赤字174億ドルを若干下回っている。

ここ12ヶ月間の経常収支赤字はGDP比1.32%を記録しているが、1970年から2007年までの平均2.1%を下回っており、コロンビアやインドのGDPに占める経常収支赤字は更に高い。

昨年上半期の経常収支は24億1,300万ドルの黒字でGDP比0.38%であったが、今年上半期はGDP比2.51%のマイナス、直接投資では208億5,200万ドルでGDP比3.28%から2.41%に低下している。

中銀では今年の海外への利益・配当金送金は340億ドル、来年は268億ドルを見込んでおり、特に本社の赤字を軽減するために上半期の自動車部門は27億6,000万ドル、金融サービス部門は24億ドルを送金している。(2008年7月29日付けエスタード紙)

運輸サービス部会に12人が参加して部会長シンポ発表資料作成

運輸サービス部会(和田亮部会長)が7月29日午後2時から3時30分まで商工会議所大会議室に12人が参加して開催、参加者はそれぞれ上半期の回顧と下半期の展望について発表した。

上期の回顧としては世界的な鉄鋼業界再編に伴う新製鉄所建設や大型投資案件で労働市場の人材の流動化や賃金高騰、通関関係検査官によるストライキ、 SISCARGAの運用開始、レアル高による輸入貨物の増加、航空貨物輸入スペースの逼迫、空港の通関電子化システムのソフト開発の遅れ、国内海外ともに 好調な旅客需要、航空会社による国内線マーケットシェア争いの激化、ケロシン高騰によるサーチャージ、レアル高による輸出入のインバランスの加速、改善し ないブラジルコスト、傭船料の高騰、SISCOMEXの導入、世界5位のセルラー電話加入者数、デジタルテレビ放送のセットトップボックスの価格低下、電 子ノッタフィスカルの義務化、Eコマースの大幅な成長率などが発表された。

下期の展望ではトラック走行規制、高額なSISCARGAの罰 金、インフラエロ空港公団のスト、レアル高継続による価格競争力の低下、ケロシンの更なる高騰、インフレ、貧弱な港湾インフラ、好調なPC販売、テレフォ 二カのインターネット回線障害でバックアップ回線導入の増加、二桁成長が見込まれるEコマース、3G対応iFhonesの販売開始などが話題となった。

出席者は和田部会長(日本エクスプレス)、廣瀬副部会長(MOL),岐部副部会長(Ubik),谷口氏(栄進)、小西氏(JAL),畠山氏(K-Line),田村氏(NTT),森田氏(山九)、村田氏(鈴与)、山下氏(ヤコン)、加藤領事、平田事務局長

 

部会長シンポ発表資料作成で意見交換

左から廣瀬副部会長/和田部会長/岐部副部会長

第2回知財権保護に関する勉強会に35人が参加して開催

コンサルタント部会/企画戦略委員会/ジェトロ・サンパウロセンター共催の第2回知財権保護に関する勉強会に35人が参加して、7月24日午後2時から4時まで商工会議所大会議室で開催された。

司会はジェトロ・サンパウロセンターの佐々木光所長が務め、初めに在ブラジル日本大使館の吉村一元一等書記官が中南米IPGと呼ばれる勉強会に到った経過、中南米IPGへの東京からの支援体制やブラジルでの関係組織との連絡状況など、中南米IPGネットワーク形成の現状について説明した。

経済産業省の模倣品対策・通商室の岡本正紀専門官は「ブラジルおよびブラジル以外の中南米の模造被害事例」として二輪車・四輪車ではオートバイ部品のリアカバーやエンジン部品の模造、商標の不正使用、類似商標を添付したバッテリー販売、ドメインの不当登録、事故につながる模造ベアリング、その他では電卓、時計、海賊版ゲーム機、ノンライセンスアクセサリー、シューズ、農薬、医薬品、大半が東アジア企業による商標権被害などについて説明した。

Cラテンアメリカ社の副社長は「ブラジルに於ける模造品対策の現状」として模造品被害を受けている製品及び実物の紹介、模造品製造業者のプロフィール、模造品を扱うShopping Complexと Grey Market並びにハブ空港や港湾、模造品対策実績、リオ最大のグレイ市場でのマーケットスイ―プの実施、ブラジル政府への要望展や対策などを説明した。

法務省のA事務局長は「国家模造品・知財関連犯罪対策審議会(CNCP)の活動状況」として、組織犯罪直結する模造品販売は麻薬や密輸の資金源に結びつき、インターポールでは21世紀最大の犯罪と認識、失業、不正競争、経済リスク、脱税、消費者の安全、健康を犯すリスクを説明、またCNCP設立の経緯、構成団体、ミッション、犯罪防止戦略や実績などについて説明した。

会場一杯の参加者の勉強会の様子

左から佐々木光ジェトロ・サンパウロセンター所長/佐藤健介氏/経済産業省の岡本正紀氏/吉村一元一等書記官/企画戦略委員会の田中一男委員長

講師や関係者の皆さんで記念撮影

エイケ・バチスタはアングロ・アメリカン社に賠償保障

エイケ・バチスタ氏のMMXはアマパー鉄道を含む鉄鉱石事業を34億ドルでアングロ・アメリカン社に譲渡するが、系列下のMMXロジステイックの アマパー鉄道のコンセッションに不正の疑いがあるとして連邦警察から本社及び家宅捜査を受けたが、今後発生する可能性のある不利益に対して賠償金支払いを 保証している。

アングロ社はMMX社の株式の63.5%を21億ドルで譲渡、アマパー鉱山を含むIronX社の70%の株式、ミナス-リオプロジェクトの51%、アスー港湾の49%などが含まれている。

IronXをアングロ社に譲渡後に、バチスタ氏の所有株を同価格で買収して100%傘下に収めるが、MMXの今年第1・四半期の鉄鉱石生産は140万ト ン、AVXは39万6,000トン、アマパー鉱山は17万6,000トンであった。(2008年7月29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

11人が電気電子部会に参加してシンポの発表資料作成で意見交換

電気電子部会(松田雅信部会長)に11人が参加して7月29日午後5時から6時30分まで開催、参加者は来月7日の業種別部会長シンポジウムの発表資料作成で今年上期の回顧と下期の展望を発表した。

上期の回顧では地上デジタル受信機価格の下げ渋りや魅力的なコンテンツ不足で停滞、新規ビジネス開拓、製造工場の閉鎖、管理コスト、ロジスティックコスト、レアル高の為替で輸入販売好調、好調な長期格安クレジット販売、消費者の付加価値商品購買への移行、好調な薄型テレビ、税関ストライキによる部品調達への影響、リードタイムの短縮などが挙げられた。

下期の展望では営業部員の増員による販売強化、為替による収益性の圧迫、継続するレアル高の為替、地方統一選挙による入札停滞懸念、インフレによる経費や固定費のコストアップ、アウトソーシング事業の強化など一層の経営努力などが話題に上った。

出席者は松田部会長(パナソニック)、三好副部会長(プリモテック21)、大塚氏(キャノン)、御園氏(TDK)、松代氏(ヤマハ・ミュージック)、萩原氏(日立ハイテク)、竹島氏(日立ハイテク)、田中氏(村田ワールド・コマーシャル)、村田氏(プリモテック21)、加藤領事、平田事務局長

 

080729 運輸サービス部会1

和気あいあいとシンポ発表資料で意見交換

080729 電気電子部会2

左から松田部会長/三好副部会長