懇親昼食会では国立工業所有権院のリタ・マシャード理事が講演

講演会は国立工業所有権院(INPI)の情報テクノロジー部門のリタ・ピニェイロ・マシャード担当理事が「工業所有権の戦略的な利用−在ブラジル企業の強化と普及におけるINPIの役割」と題して、初めにブラジルの科学技術の歴史として、ドン・ペドロ二世時代の1887年にカンピーナス農業協会を設立して始り、1920年代にブラジルで初めての大学としてサンパウロ州立大学(USP)設立、1951年に博士、修士課程設立、1985年に科学技術省設立、ブラジルの研究開発費への投資はGDP比1.05%でアルゼンチンやメキシコよりも多いが日本や韓国の1/3に留まっているために、投資促進が必要であると強調した。

また1995年以降の博士、修士課程卒業生の伸びは緩やかな増加になってきているが、工業所有権件数(パテント)は1981年の2,000件から昨年は17,000件にまで増加、ラテンアメリカでは33%から約50%とその比率は増加の一途をたどっているが、世界全体に占める比率は2.0%に満たない。

世界のパテント取得では米国が圧倒的で28万4,000件、英国7万4,000件、ドイツ、日本が7万1,000件、ブラジルは15位に甘んじているが、2001年から2006年までの伸び率ではトップの中国、米国、カナダ、インド、韓国と続いて、ブラジルは10位に伸びてきている。

ブラジルの企業内の研究者が占める割合は25.8%と米国の80%、韓国74%、日本の68%に比較して圧倒的に少ないが、大学内の研究者の比率は67%と他国を圧倒、2位のオーストラリアの58%を大きく引離している。

パテント取得促進する役割で国立工業所有権院(INPI)は1970年に設立、1996年に工業所有権が法令化され、国内技術者のパテント所有比率は30%と低く、2004年には先端技術開発促進のために、イノヴェーション部門へのファイナンス、ローヤリティの分配や優遇税法を制定、今年は民間企業の生産開発促進のための新工業令(PDP)を発令している。

国内のパテント所有者の70%は個人、2001年以降の大学のパテント所有は増加してきており、カンピーナス大学(Unicamp)が191件でペトロブラスの177件を上回り、トップ20位までには7大学が入っている。

INPIではパテント取得啓蒙のために各地でセミナーを開催、北東地域でのセミナー開催は工業地帯が集中する南東地域に次いで多く、また大学や各種工業協会などでのコース、工業実習機関(Senai)職員へのコーストレーニング、各大学教授との交流などを実施して啓蒙活動を行っている。

ブラジルの選挙権有権者1億人に投票義務があるが、選挙日のその日のうちに選挙結果がわかる電子投票、深海油田開発技術、世界3位の航空メーカーのエンブラエル、最も収益性の高い大豆やエタノールの生産技術、フレックス車技術など世界に冠たる技術を擁しており、INPIは今後の更に科学と企業の橋渡しをして行くと強調して講演を終了して大きな拍手が送られた後に、田中信会頭から記念のプレートが贈呈された。

 106人が参加した7月11日の懇親昼食会の司会は平田藤義事務局長が務め、初めに今日の講演者である国立工業所有権院(INPI)のリタ・ピニェイロ・マシャード理事、イツベラーバ市長のマリオ・タカヨシ・マツバラ市長、サンパウロ総領事館の丸橋次郎首席領事をそれぞれ紹介、連絡事項では日伯交流年兵庫県実行委員会/川崎重工提供による「六甲のおいしい水」、インターネットパニック調査協力について平田事務局長が御礼を述べた。

 続いて日系社会委員会の窪田敏朗委員長が第2回寄付協力実態調査アンケート結果について説明、また年末に行なわれる第3回アンケート調査協力を述べ、3分間スピーチではイツベラーバ市のマリオ・マツバラ市長が招待に対する御礼を述べた後で、同市の大学財団のマルシオ氏がDVDで同市を紹介、日本移民資料館の栗原猛運営委員長が同資料館の30周年記念事業として、日本移民研究に役立つ4月に日本でリリースされた写真集の購入協力、8月3日に文協で開催される第39回ドミンゴ・コンサートではニューヨークの井上室内合奏団やプログラムなどを紹介、三分一克則氏は8月16日から17日にかけて行なわれる早慶戦やブラジル選抜との試合やチケット購入協力を説明した。

 会社代表交代挨拶では国際協力銀行(JBIC)の相川武利首席駐在員が帰国挨拶、後任の細島孝弘新首席駐在員が就任挨拶、ブラデスコ銀行の山崎展生新取締役、東京海上火災の原島朗新社長、JALの小西弘恭新所長、三井物産の中山立夫新社長、サンパウロ総領事館経済班の加藤秀雄新領事がそれぞれ就任挨拶を行ない、最後に新入会員のエミレーツ航空のクラウス・ベッカー氏がヴィデオでエミレーツ航空のサービスを紹介した後で田中信会頭から会員証が送られた。

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記念プレートを授与された国立工業所有権院のリタ・マシャード理事/田中信会頭

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左から田中信会頭/丸橋次郎首席領事/マリオ・マツバラ市長

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講演会の様子

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イツベラーバ市のマリオ・マツバラ市長

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会員証を持つエミレーツ航空のクラウス・ベカー氏/田中会頭

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INPIのリタ・マシャード理事/平田藤義事務局長

低所得層の国内外旅行が増加

低所得者向けパッケージ旅行などに銀行やスーパーなどの参入が増加してきており、小売業C&A、シルビオ・サントスグループ傘下のパンアメリカン銀行はオンラインでのパッケージ力を販売している。

長期低額返済ローンの格安パーケージ旅行はすでに金利がローンに含まれているために、キャッシュよりも44%も高額返済となるが、安いアルゼンチン通貨で人気を集めている2日間のブエノス・アイレス観光パーケージは24回払いで総額480ドルとなっているが、キャッシュの334ドルとは大幅な開きがある。

パンアメリカン銀行の調査では顧客の50%がCクラスの顧客であり、平均パーケージ金額は1,300レアルで、今年の売上を3,000万レアル見込んでいる。

小売大手カーレフールはローン期間の延長、好調な国内経済、ドル安でC、Dクラスの低所得層でも国内が旅行が可能になってきているが、このクラスの取込を図っている。

また観光省では観光促進政策として、55歳以上を対象にブラジル銀行並びに連邦貯蓄銀行の給与・年金天引き型口座クレジットでの観光旅行を促進、月利1.0%、12回払いで3,000レアルまで貸出している。(2008年7月10日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

インフレはラテンアメリカ諸国を直撃している

国際コモデティ商品である食料品や石油価格の高騰はラテンアメリカ諸国のインフレ圧力となって、今後の更なるインフレ圧力を避けるためには各国政府は基本金利引上げなどの対策に追われている。

ブラジル並びにメキシコ政府はインフレ沈静対策に最も準備ができているが、アルゼンチン並びにヴェネズエラは実質インフレ指数とかけ離れた不自然な指数で対策を怠っている。

ブラジルは今年3月まで金融緩和政策をとっていたが、4月からは金融引締め政策を開始、6月の過去12ヶ月間のインフレが中央目標4.5%を大幅に上回る 5.89%まで達しているために今後も金利引き上げが継続されて、今年年末には政策誘導金利(Selic)は14.25%までの引上げが予定されている。

メキシコ中銀は6月のオーバーナイト金利を7.5%から7.75%に引上げたために過去3年間で最も高金利となったが、生産者並びに小売業界との間で商品価格の維持で合意に達している。

チリ政府はチリ通貨高の維持のために基本金利を据置いていたが、インフレ圧力で6月には0.5%引上げて7.25%となり、6月のインフレはチリ中銀の中央目標値を3.0%に上回る9.5%に増加している。(2008年7月10日付けエスタード紙)

2008年度異業種交流委員会議事録(7月)

日時:2008.07.10(木)
場所:ブラジル日本語センター
出席者(ABC順):ABE・ITAGAKI・KANAZAWA・NISHIOKA・OHNO・YAMASHITA

記 ABE

【議事録】
1.次回8月度担当者
・会場係   板垣 
・連絡係   西岡
・会計係   大野

2.本日の勉強会テーマ(参加者:15人)
『囲碁の楽しみ方』(ブラジル日本棋院 岡理事長)
『土地なし農民(MST)と関わった経験について』(関根さん)

以上

今年の経常収支赤字を再び上方修正

応用経済調査院(Ipea)今年の経常収支赤字を前回の115億ドルから275億ドル~345億ドルに上方修正したが、中銀の最終フォーカスレポートでも215億ドルから235億7,000万ドルの赤字の上方修正を行なっていた。

経常収支赤字の上方修正の要因として外資系企業の本国への利益・配当金の送金増加並びに貿易収支黒字の低下が更に赤字幅増加に拍車をかけると予想されている。

5月の過去12ヶ月間の経常収支赤字は152億ドルであったが、今年はすでに147億ドルに達しており、Ipeaの3月の前回調査の今年の赤字幅115億ドルをすでに上回っている。

また今年5ヶ月間の累積赤字は156億ドルで前年同期比93%増加、海外への利益送金増加はブラジル国内経済好調による収益の増加、生産増加への投資の増加、益々ドル安に傾く為替、サブプライムでの影響による欧米企業本社への送金必要性の増加が拍車をかけている。

同調査院は前回の調査では今年の貿易収支黒字予想を238億ドル~273億ドルと見込んでいたが、今回は216億ドル~251億ドルに下方修正している。(2008年7月10日付けヴァロール紙)

ヴォトランチン金属はニッケル増産に10億ドルを投資

ヴォトランチン金属(VM)はオーストラリア資本ミラベラ・ニッケル鉱山に10億ドルを投資して50%の資本参加を決定、ニッケル鉱の安定供給を受ける。

VM社はフォルタレーザ・ミナスの精錬所向けにバイア州サンタ・リタ鉱山からニッケル鉱の供給を受けるが、現在の年間生産量は2万7,000トンで世界ランク10位であるが、2010年には5万3,000トンに増加して世界ランク6位に上昇する。

ニッケル鉱山の生産開始は2009年下半期から予定されているが、含有量13%の15万トンのニッケル鉱から1万8,500トンを生産するが、ピーク時には2万5,000トンに達するが、14年間のニッケル鉱生産が可能と見込まれている。

ニッケル生産の世界ランクはRAO Norilsk社が年産29万5,000トンでトップ、ブラジル資本のヴァーレ・インコが20万5,000トン、BHPビリトン13万9,000トン、エ クストラータ11万2,000トン、5位にはJinchuan社が11万トンで続いている。(2008年7月10日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

日伯法律委員会の月例会に31人が参加して開催

日伯法律委員会(石川清治委員長)の月例会が7月10日午後4時から6時まで商工会議所会議室に31人が参加して開催、押切フラビオ副委員長と矢野クラウジオ副委員長が進行役を担当して始まった。

初めに矢野クラウジオ副委員長が「法律第11,727号/2008の第22及び23条、移転価格について」メルコスル域内での移転価格について説明、ファービオ・フロレンチーノ弁護士は「デジタル会計の公共システムについて」で電子課税伝票との違いやシステムの目的や利点などについて説明した。

パウロ・エンリケ弁護士は「支払い請求書と賠償の相殺」では実際の現状として賠償金の大半は第3者のクレジットでの相殺であると説明、最後にロベルト・コウチヤマ弁護士は「投資基金への資本参加での税制面」では国内投資家と海外投資家との税制面の違いを説明した。

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熱心に講演会を聞く参加者

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左から講演者のフロレンチーノ弁護士/コウチヤマ弁護士/矢野副委員長/カルナウーバ弁護士/進行役の押切副委員長

エンブラエルは今年上半期に97ジェット機を納入

エンブラエル社は第2・四半期に52機のジェット機を納入、上半期では累計97機で売上高は207億ドルに達して記録を更新、前年同期の納入61機を大幅に上回った。

第2・四半期の商業用ジット機の納入は43機、そのうち21機がエンブラエル190型、上半期では81機、予約総数は1,762機であるが、そのうち契約済みは478機に達している。

上半期のエグゼクチブ用ジェット機レガシー600型は16機を納入、小型エグゼクチブ用ジェット機フェノン型はすでに約800機の予約済みで、同社では今年のジェット機納入台数を195機から200機を見込んでいる。

しかし石油価格の高騰で航空機メーカーの先行き懸念が出てきたが、特に大型ジェット機メーカーのボーイング社とエアバス社の予約の1/3がキャンセル又は納入の先延ばしとなっている。

ジェットブルー社はエンブラエルに対してエンブラエル190型のジェット機を101機すでに発注しているが、すでにエアバス社に対しても発注取消を出して おり、エンブラエルに対してもキャンセルをする可能性がでてきており、また石油高騰の影響で過去6ヶ月間の同社の株価は50%も下げている。(2008年 7月8日付けエスタード紙)

インフレは国債コストを押上げる

今年の政策誘導金利(Selic)並びにインフレの上昇は国債コストを押上げており、国庫庁にとって金利支払いコントロールしやすい確定金利連動国債の発行比率は昨年末との比較では3ポイント減少して34.3%に低下している。

2006年から昨年にかけて大幅に減少していたSelic金利連動国債の発行比率は2ポイント上昇の35.42%、インフレ指数連動国債も26.26%から27.37%とそれぞれ比率を上げている。

広範囲消費者物価指数(IPCA)、総合市場物価指数(IGP−M)の上昇の影響を受けて、インフレ指数連動国債の金利が上昇したために、4月の国債の運用コストは年率12.53%であったが、5月には14.2%に上昇している。

5月の国債金利支払いは123億9,000万レアル、国債発行金額は償還金額を85億レアル上回り、国債残高は209億レアル増加の1兆2,390億レアルに達している。(2008年7月8日付けエスタード紙)