業種別部会長シンポジウム発表資料作成で貿易部会開催

貿易部会(猪股 淳部会長)は、8月23日に開催される2018年下期の業種別部会長シンポジウム発表資料作成のために、2018年8月1日午後3時から10人が参加して開催、猪股 淳部会長は、2018年上期の回顧としてドラフト資料を基に、半期ごとの輸出入額の推移、主要品別輸出入、主要国/地域別輸出入、対日貿易、国別対内直接投資推移、主要業種別対内直接投資、日本の対内直接投資の推移などについて説明した。

2018年下期の展望として、米中貿易戦争の中南米諸国に及ぼす影響、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利政策の行方、ラヴァ・ジャット汚職問題の影響、不透明な10月の大統領選挙、年金改革・財政改革などの構造改革の進展、5月下旬のトラック運転手による抗議デモの余波、顕著な国内の消費市場などについて意見交換された。また副題: 「大統領選を直前に控えて〜変化の時期への準備と戦略は」では、不透明な大統領選挙、M&Aの可能性探索、有力なローカルパートナー選定、メルコスール域内での生産検討、為替リスク管理、域内フリーゾーン活用、ビジネス障壁撤廃などが話題となった。

参加者は猪股部会長(伊藤忠商事)、的場副部会長(島津製作所)、大矢氏(伊藤忠商事)、余語氏(丸紅)、佐橋氏(伯国三菱商事)、飯田氏(住友コーポレーション)、平池氏(東レ)、中野副領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長、大角編集担当。

左から的場副部会長(島津製作所)/猪股部会長(伊藤忠商事)

新移民法セミナーに55人が参加して開催

政策対話委員会(村田俊典委員長)労働ワーキンググループ( 山崎一郎グループ長)主催の「新移民法の概要」セミナーは、2018年7月31日午後4時から5時30分まで55人が参加して開催、進行役は山崎グループ長が務め、初めにEYの西口阿弥パートナーは、旧法で外国人法と呼ばれていた法令6815号/1980並びに新移民法と呼ばれる法令13445号/2017の主要な相違点として、1980年軍政下の法律第6815号の「外国人規約」制定から昨年11月21日の移民法施行に至るまでの経緯を説明、これまでの外国人の権利と義務に対する制限、外国人に適用されていた不安定な原則や保証、不透明や外国人に対する強制送還や追放事項などを明確化。また労働許可やビザ申請、滞在登録申請など複雑で煩雑なフロートから雇用関係のない住居許可申請、事前住居許可とその他の労働に関する許可申請など労働許可から住居許可申請変更で一元化、連邦警察並びに法務省、労働省がデーターバンクの共有化で迅速で緻密な対応が可能となる。

主な変更点として、旧法と新法のビザの種類、永住ビザ消滅に替わる新たなビザ様式として、訪問ビザ、短期ビザ、e-Visa労働関係の役職提供・技術援助、投資、芸術活動やスポート活動、研究・留学、ボランティア活動などのビザは全てテンポラリービザ申請などについて説明。また諸岡朱美シニアマネージャーは、住居許可の滞在期間延長及び担当機関、事前住居許可、雇用契約有無の技術援助・技術移転並びに経営管理者・役員に対する住居許可、個人・法人に対する最低並びに最高額の罰金、追加情報として事前並びに入国後、滞在中の住居許可申請、語学研修向けテンポラリービザ手続き、無犯罪証明書並びに戸籍謄本の有無などについて説明。質疑応答では、Renata Portoシニアマネージャーも加わって、日本でのビザ再申請、居住許可、労働契約切れのビザ申請、旧法の永久ビザの更新、技術援助に関するビザ、商用ビザと技術援助ビザの相違点、新移民法ができた趣旨、技術サポートビザの申請や延長、パーマネントビザからテンポラリービザへの変更、RNIの有効期限、犯罪証明書期限、ブラジル国内でのビザ切替変更、E-VISAの取得やメリットなどについて説明された。

左から講師のEYのRenata Portoシニアマネージャー/諸岡朱美シニアマネージャー/西口阿弥パートナー

左から政策対話委員会労働ワーキンググループの山崎一郎グループ長/上床憲司副グループ長

労働ワーキンググループ会合開催

2018年7月31日(火)15時より政策対話委員会(村田俊典委員長)労働ワーキンググループ会合開催、2018年後半の労働ワーキンググループ運営方針について、活動目的や内容について意見交換会を行った。はじめに山崎グループ長から、強力なメンバー間でのネットワーク作りと、ブラジルにおける会員企業間への発展を実現する為に、人事を中心としたコーポレート視点から具体的提案に基づくサポートを行なっていくと説明があった。今後は、昨年大規模な労働法改正が行なわれたばかりで更なる政策提言活動のタイミングというよりは、残された課題を整理し、新労働法の運用面でのフォローや、現場課題、解決策の共有も行ない、ストロングネットワークを構築していくことで合意した。長期安定雇用のための賃金や日本のようなボーナス、運転手の残業時間の取り扱いなどについて意見交換が行われた。また更なるテーマとして、eSocial、組合徴収費の変更によるサービスの質やインフレ率調整、そして安全についても議論が行なわれた。

参加者は、山崎一郎氏(グループ長、ブラジル味の素)、上床憲司氏(伊藤忠ブラジル)、加藤周平氏(南米新日鉄住金)、田中峻氏(損保ジャパン日本興亜)、西口阿弥氏(EY)、森雄太氏(丸紅ブラジル)、政策対話委員会から、佐久間太郎副委員長(双日ブラジル)、総領事館から、上田基仙領事、そして事務局からは、平田藤義事務局長、吉田章則調査員が参加した。

 

 

2021年版現代ブラジル事典出版構想会議

 平田事務局長は27日、東京神田市内のレストランに小池立命館大学教授の取り計らいで堀坂上智大教授、幡谷上智大教授、桜井敏浩ラテンアメリカ協会常務理事(徳倉建設株式会社特別顧問-国際事業担当)等、ラテンアメリカ事情に造詣深いそうそうたる執筆陣にご出席頂き、5年後を目途に出版計画している現代ブラジル事典の予備構想会議を開いた。

 当初、本構想会議は浜口神戸大学教授を中心に京都で行うつもりであったが、今回は一連の合同委員会出席のため、予備会議と位置付け、本事典の執筆者が多い東京に場を設定して頂き色々な視点から忌憚のない議論を行った。前回、2016リオ・オリンピックの年を照準に10年ぶりに出版した現代ブラジル事典は殆どの会員企業から多大な評価は受けたものの、今のブラジルを知り尽くした一部の会員企業からは世界が激変・変革する時代の中で、10年毎の出版では遅すぎる! もっとその時代時代に活きた事典にしてほしい! 編纂に要するコスト位はスポンサーシップを募ってでも5年毎に出版すべきではないかと、厳しい注文を受けていた。

 平田事務局長は集まって頂いた教授陣に未来の国と揶揄されてきたブラジルと言えど、ここ近年になって大々的に変わりつつある事を説いた。世界大恐慌を上回る2年以上続いた歴史的な大不況、贈収賄スキャンダル、ジルマ大統領の弾劾、73年ぶりに改革された労働法の近代化、上限歳出法、これから必ず起こり得る年金改革、税制改革等々、前の事典には網羅されていない。

 また9月中旬にはブラジルの近代的な輸出加工区(経済特区)や中長期の自動車政策ROTA 2030およびSTARTUPについて閣僚級が日本を訪問しセミナーが開催される一方、日メルコスールEPAの機運も盛り上がっている。事典の執筆時には様相一変、変革するブラジルを強調した。

 編纂理由には事欠かない歴史の一章を綴るポジティブな出来事が、今後はあり得る事も付け加えた。最後に堀坂教授からも継続することに意義があると力強い激励の言葉を賜った。

写真は左から桜井氏、幡谷教授、小池教授、平田事務局長、堀坂教授

今年2回目の金融部会開催

今年2回目の金融部会(安田 篤部会長)は、2018年7月27日午前10時から13人が参加して開催、安田部会長は、初めに今年上半期の金融部会活動報告として、2月5日に16人が参加して2018年度の部会執行部体制、今年上期の業種別部会長シンポジウムにおけるマクロ経済概要、銀行業界動向、保険業界動向の発表資料作成、2018年度金融部会活動方針として、年2回の業種別シンポジウムの発表、外部スピーカー招聘による勉強会や講演会の開催スケジュール、日本・メルコスール経済連携協定(EPA)に関する意見交換会などを報告。

岡本副部会長は、日本・メルコスールEPAタスクフォースの勉強会の目的、3月6日からすでに6回の勉強会開催、日伯合同委員会でのブラジル全国工業連盟(CNI)と経団連との共同報告書、総理宛て日メルコスールEPA早期交渉開始の要望などについて説明した。

8月23日に開催される2018年下半期業種別部会長シンポジウムの発表資料作成では、「2018年上期の回顧と下期の展望」としてマクロ経済概要、銀行業界動向、保険業界動向の発表、副題:「大統領選を直前に控えて〜変化の時期への準備と戦略は」では、不透明な大統領選挙を控えて色々な意見交換が行われた。また下期の金融部会主催のセミナーについて、フィンテック(Fintech)やブラジルの最先端クレジットカード決済仕組に関するセミナー開催で意見交換した。

参加者は安田 部会長(Sompo Seguro S.A.)、小渕副部会長(Banco Bradesco)、岡本副部会長(Sompo Seguro S.A.)、小池氏(Banco Sumitomo Mitsui Brasileiro S.A.)、讃井氏(みずほ銀行)、長野氏(三井住友保険)、津田氏(Banco Bradesco)、金子氏(ブラジル三菱東京UFJ銀行)、石川氏(トヨタ銀行)、櫛引氏(JBIC)、上田領事(サンパウロ総領事館)、吉田調査員、大角編集担当。

Masaki Okamoto e Atsushi Yasuda

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

化学品部会で日メルコスールEPAに関する意見交換を実施

 2018年7月26日(木)15時より化学品部会による日メルコスールEPAに関する意見交換会が開催され、日メルコスール準備EPAタスクフォースWGより二宮康史氏(企画戦略副委員長)を講師として迎え、活発な意見交換が行われた。

 はじめに羽田部会長から日メルコスールEPA準備タスクフォースの組成の経緯と構成の概略、また意見交換会の開催主旨について説明が行われ、続いて二宮講師より配布資料に基づきタスクフォース、今年5月に実施した意識調査の集計結果、EPAにより想定されるビジネスへの影響、経団連/CNIによる日メルコスールEPAに関する共同報告書の内容について解説を行った。二宮講師は、会議所サイトに開設されたEPAプラットフォームに集積された資料を活用しつつ、メルコスールの経済連携強化への気運の高まりや今年11月アルゼンチンで開催のG20サミットに伴う日本、メルコスール首脳会談などを好機とし、現場からの声として意識調査の集計結果がCNI/経団連と共有され今回の共同報告書内でも反映されており、今後総理宛てに日メルコスールEPA早期交渉開始の要望が届けられる予定であること等を説明した。またEPAにより想定されるビジネスへの影響として、財の市場アクセス(関税低減)、原産地規則の簡素化、投資分野への規制緩和、貿易の技術的障害(規格・認証制度の緩和・撤廃、貿易円滑化)、衛生植物検疫措置(SPS)などを挙げそれぞれの解説を行った。

日メルコスールEPAに関する各種資料:会議所サイトリンク

CNI/経団連共同報告書:リンク

 部会メンバー意見交換では、関税低減の他、規格・認証制度の緩和への期待や原産地規則の緩和、EU/韓国/中国など他国とのEPA交渉について高い関心が示され、特に先行するメルコスールEUのEPA交渉は今後日本がメルコスールと交渉を行っていく上で参考となること等が挙げられた。

出席者は、羽田部会長(日曹ブラジル)、村松副部会長(パイロットペン)、鎌倉副部会長(スリーボンド)、青木副部会長(住友化学)、高島氏(伯国三菱商事)、田中氏(三井化学)、佐々木氏(三井化学)、設楽氏(日産化学)、谷山氏(ロート製薬)、平池氏(東レ)、尾崎氏(K-Iケミカル)、二宮氏(ジェトロサンパウロ/企画戦略副委員長)、中野副領事(サンパウロ総領事館)、事務局から大角編集長、日下野総務補佐、吉田調査員、近藤アシスタント

Masami Muramatsu, Hirofumi Aoki, Hayato Kamakura, Toru Haneda e Yasushi Ninomiya

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

ラテンアメリカ協会、日本ブラジル中央協会を訪問

 26日、平田事務局長はラテンアメリカ協会を訪問、同協会幹部の方々と大所高所の視点から忌憚のない意見交換を行なった。一連の合同委員会(経団連/CNI&貿投委)や同協会および当会議所活動のあり方また今後のチャレンジ課題および今後の日伯関係強化の展望等について往年の大先輩達と旧交を温めながら語り合った。

 写真は左から棟方直比古常務理事·事務局長、佐々木専務理事(元ブラジル日本商工会議所常任理事)、桜井敏浩常務理事·会報編集人、桜井梯司常務理事(元ブラジル日本商工会議所常任理事兼コンサルタント部会長)、工藤 章理事(元ブラジル日本商工会議所会頭)、同協会発行の格調高いラテンアメリカ時報に魅入る平田事務局長。

 平田事務局長は先のラテンアメリカ協会の訪問後、当会議所の日本における応援団体として支援頂いている日本ブラジル中央協会(大前会長)を表敬訪問した。

 同協会では宮田次郎専務理事(当所の元常任理事、元住友商事南米支配人·ブラジル住友商事社長)が同協会の事務局長として日々色々なイベントの企画から運営また会員増強など活性化に尽力している。当所活動の一部をなしている存在でもある。同協会の各種イベントやブラジル特報を通じた情宣で日本からの進出企業を更に増やしブーメラン効果で同協会の会員が増える仕組みが自然に出来上がっている。

 同協会が2ヶ月毎に発行する会報のブラジル特報の企画や執筆候補企業等々については岸和田仁常務理事(ブラジル特報編集人)と当所が常に連携、今日までの執筆企業数は軽く50社を超える。これから進出する企業にとっては、この特報以上の虎の巻はないと言っても過言ではない。

 2005~6年代に当会議所活性化立役者として活動を伴にした同志の人物、桜井梯司常務理事はラテンアメリカ協会常務理事も務めている。行動派としてJETRO時代、監事役を最後に退任、元関西外語大教授で今でもJETROの後輩達からは伝説の人として慕われている。私事務局長も日本に来るたびに同氏に逢って現代ブラジル事典編纂構想や今回は特に日本から見たメルコスールEPAの進め方について、同氏の見解やコメントを伺った。

左から宮田次郎専務理事、岸和田仁常務理事、平田事務局長、桜井梯司常務理事

運輸サービス部会に15人が参加して開催

運輸サービス部会(矢澤 吉史部会長)は、8月23日に開催される2018年下半期業種別部会長シンポジウムの発表資料作成のために、2018年7月25日午前10時から11時30分まで15人が参加して開催した。

進行役は吉田 信吾副部会長が務め、初めに参加者は、自社の「2018年上期の回顧と下期の展望」、副題:「大統領選を直前に控えて〜変化の時期への準備と戦略は」を発表、2018年上期の回顧として、税関ストライキの影響、トラック運転手の国道封鎖デモによる物流サービスへの悪影響、景気回復の兆候となる帰任者を上回る赴任者の増加傾向、コンテナ船の緩やかな回復、アルゼンチン向け自動車輸出減少、不透明なROTA2030、航空運賃の上昇、受給バランス崩れ、空港職員ストライキによる貨物オペレーション問題、出稼ぎ上昇傾向、セルラーからのインターネット利用拡大、Eデジタル法令、Iot拡大、クラウドサービス増加、ホテルアドミニストレーション企業の変動、ドル高の影響、期待外れのワールドカップなどが挙げられた。

今年下期の展望として、ドル高の為替の影響、米中貿易戦争勃発による影響、アルゼンチンでのG-20開催、条件の厳しい日系4世向けビザ、更なる日系旅行社の競争激化、不透明な大統領選挙の行方、ロシア・イラン経済制裁、不透明な邦人・個人旅行客動向、民営化によるリージョナル空港サービス改善、日本移民110周年記念イベントによるインバウンド増加、アルゼンチン経済の懸念、LPWA,スタートアップ企業サポート、ITベンチャー企業増加、セキュリティサービス増加、アウトソーシング増加によるセキュリティ問題、個人情報保護法向けシステム導入などが挙げられた。

業種別部会長シンポジウムの発表資料作成のために、物流業界並びに貨物業界、海運業界、旅行・ホテル業界、通信・IT業界、航空旅行業界から1名ずつリーダーを選出、プレゼンテーション資料説明文の記載、第2回運輸サービス部会の開催日決定、発表資料の事務局への発送などについて話し合った。

参加者は吉田 副部会長(日本郵船ブラジル)、稲垣 副部会長(ブラジル日本航空)、原島氏(日通)、内村氏(ブルーツリーホテル)、木村氏(NTT do Brasil)、吉澤氏(NTT Docomo)、山田氏(クイックリートラベル)、井上氏(UBIK)、江上氏(WEC)、小宮氏(ツニブラ)、堤氏(ツニブラ)、宮川氏(Ocean Network)、上田領事(サンパウロ総領事館)、吉田調査員、大角編集担当

 

第12回日伯貿易投資・産業協力合同委員会開催(東京)

 経済産業省(METI)と開発商工省(MDIC)は2018年7月25日、経済産業省内国際会議場(東京霞ヶ関)において第12回日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会(貿投委)を開催した。今回の貿投委は2部で構成され1部の政府間セッションでは中川勉大臣官房審議官(通商戦略担当)とMargarete Gandini 自動車輸送機器部長が個別会合を行った。この直後に2部の官民セッションが午後三時から開催され、中川勉大臣官房審議官(通商戦略担当)とAbrão Neto産業貿易省貿易局長が其々共同議長を務めた。

 官民セッションでは大前孝雄 経団連日伯経済委員会企画部会長、竹下幸治郎JETRO海外調査部主幹、今浦陽惠 特許庁国際協力課地域協力室長、JICAの吉田氏(元ブラジル勤務)、ブラジル側はJosé Augusto Coelho Fernandes CNI 政策&戦略理事、Constanz Negri Biasutti CNI 通商政策部長、Margarete Gandini 自動車輸送機器部長等が発表を行った。

 両国経済関係の強化に向け、昨日と一昨日に行われた日伯経済合同委員会報告(経団連/CNI)特にハイライト案件の日本メルコスールEPA、JETROから進出日系企業からみたブラジルの投資環境、特許庁がPPH 等知財協力の状況を報告、又ブラジル側からは日本に輸出された製品の市場へのアクセス、ブラジルの自動車政策ガイドライン-ROTA2030、自動車輸送機器産業に関する協力を議題に挙げて報告中心の会合が行なわれた

(貿投委全体のアジェンダはPdf別添参照

 両国政府、企業関係者合わせて40名が参加し、会議所から松永愛一郎会頭および平田藤義事務局長に加え会員企業関係者数名が参加した。

本貿投委で最も重要案件である日本・メルコスールEPAについて、大前孝雄経団連日本ブラジル経済委員会企画部会長からの報告と中川大臣官房審議官のコメントは以下の通り。

【大前孝雄 経団連日本ブラジル経済委員会企画部会長】

一昨日、昨日と東京の経団連会館にて開催しました第21回日本ブラジル経済合同委員会、これの概要ならびに、そこで非常にハイライトされました日本・メルコスルEPAにつきまして報告申し上げる。

 まず、日伯経済の現状と展望と題するセッションにおきましては、ブラジル経済について、労働法改正、そして公的支出の上限設定等、こういったものをはじめとするテメル大統領の力強い改革によって、2年間にわたる深刻な経済危機を乗り越え、2017年にはプラス成長を遂げたとの説明があり、たいへん心強く感じた次第です。また、日本側からは、アベノミクスの現状と今後の課題の説明、ならびに、日本企業によるブラジルへの投資拡大に向けたビジネス環境整備等の提案がなされた。

 これに続く、貿易投資、日本メルコスールEPA、このセッションにつきまして、結論から申し上げますと、今回のこのセッションの最大の成果は、日伯両国の経済界が連携して日本メルコスールEPAの早期交渉開始を両国政府に強く働きかけていくことで合意、その具体的な提言内容が盛り込まれた共同報告書が参加者の皆様の圧倒的な賛同を得て採択されたことにある。

 ご承知の通り、昨今、米国トランプ政権の打ち出す様々な通商政策が、世界規模での保護主義台頭の動きを巻き起こしつつあり、米中間においてはまさに貿易戦争の様相を呈し始めている。この流れがEUはじめ世界に連鎖していけば、世界経済にとっても憂慮されるべき事態を迎えることが強く懸念される。特にこうした保護主義の台頭は貿易立国である日本にとって誠に憂慮すべき流れである。であればこそ、自国優先の通商政策を前面に打ち出す米国への防波堤として、日本が世界に対し自由貿易を推進していく指導者としての強い姿勢を示すことが、ますます重要になってくるとの状況認識が共有された。

 その一方で、二国間、または地域間におけるFTAとかEPA、これを締結する動きが広がっておりまして、特に企業のバリューチェーンのグローバルな拡大が進む中で、国際的な分業ネットワークを効果的に確立する上で、多国間にまたがる広域EPAの重要性が一段と高まっていると言える。こうした状況認識の下で、本年3月8日にTPP11、さらに7月17日には日本・EU間のEPAの署名が行われましたこと、日本の産業界は強く歓迎している。加えて、現在わが国が交渉中のRCEPが妥結すれば、日本にとってはアジア、大洋州、欧州を広くカバーするFTA、EPAのネットワークが構築されることになる。

 他方、中南米諸国との関係に目を向けてみますと、メキシコ、チリ、ペルーとは既にEPAを締結し、コロンビアとも現在交渉中です。ただし、メルコスール加盟国との交渉開始には至っておらず、わが国にとってのEPAの空白地帯となっております。中南米はご承知の通り、GDPでASEANの2倍の大きな経済力を持ち、中でもメルコスールは約3億人の人口を擁する非常に大きな市場です。加えて、豊かな天然資源や、大きなインフラ需要の存在などから、さらなる経済関係の大きなポテンシャルを持っており、既にわが国企業は4カ国に1000を超える拠点を設け、様々な事業活動を展開しいる。

 そうした観点から、日本・メルコスールEPAは最後に残されたメガEPAと言っても過言ではなく、同地域に進出する日本企業も大きな関心をもって成り行きを見守っている。先にメルコスール4カ国の進出日本企業を対象に実施しました意識調査におきましても、実に8割を超える企業がその必要性を感じるとの結果を得ており、また、日本政府にとっても、安倍政権が重視する中南米外交を進める上で決して軽視できない取組みではないかと考える。現在、メルコスールとEU、さらには韓国とのEPA交渉が先行していく中で、メルコスール市場でわが国企業がそうした国・地域から劣後する条件下での競争を強いられることへの非常に強い危機感、さらには日本にとって将来の大きな脅威となり得る中国に先んじて交渉を開始することで優位性を確保したいとの声が高まっている。

 EPAの締結により、日本・メルコスール間の物品サービス貿易の自由化、投資障壁の撤廃、電子商取引をはじめとする各種ルールの整備や、ビジネス環境のさらなる向上が実現すれば、より緊密で互恵的な経済関係を構築することが可能となる。また、メルコスール各国の企業にとりましても、日本をパートナーとして世界の成長センターであるアジア市場へのアクセスの拡大も視野に入れることができる。さらに、保護主義的な風潮が世界に蔓延していく中で、日本とメルコスールが高度で質の高いメガEPAの締結を目指すことは、自由で開かれた国際経済秩序の維持、発展に非常に大きな意味を持つものと確信している。

 こうした認識を共有した上で、今回の合同会議では、参加者の皆様のご賛同を得て、日本・メルコスールEPAに関する共同報告書を採択した。こうした意欲的なEPAの早期実現には、何よりも政治の強いリーダーシップが必要であることから、経団連としましては、日商はじめ他の経済団体とも協力し、可及的すみやかに日本政府に対し日本・メルコスールEPAの早期交渉開始を求める要望書の提出を行うべく準備を進めてまいる。また、これと平行して、CNIの協力を得ながら、メルコスール各国政府に対しても正式要望書の提出を含む働きかけを加速してまいりたいと思う。

 以上、日伯両国経済界としては、引き続き日本・メルコスールEPAの早期実現に向けて活動して参りますので、今後とも皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる。

 次に、農業のセッションにおきましては、穀物ロジインフラの整備、そしてブラジルの豊富な農産物を有効活用するバイオエネルギー分野の展望、環境に配慮した等を中心に議論が進められた。これらの分野におきましては、両国がさらなる協力の可能性を模索し、課題解決に向けて取り組むことは非常に有意義であり、今後も議論を続けて参りたいと考えている。

 投資機会・ビジネス環境の整備。このセッションにおきましては、ブラジル側から投資インセンティブや投資誘致をめざす産業分野等について、また日本側からはブラジルコストの克服や労働法制、税制改革等を通じたさらなるビジネス環境整備の必要性について議論された。ビジネス環境整備と貿易投資の促進は表裏一体の関係であることから、ビジネス環境整備の推進が両国産業界の協力関係の一層の強化につながると考えている。

 インフラセッション。インフラ整備のセッションにおきましては、貨物輸送インフラ分野および旅客輸送インフラ分野、これを取り上げまして、日本企業による投資拡大のための問題提起と提言がなされた。ブラジル政府はインフラ整備を、ブラジルコストを削減する上での最優先課題ととらえておる。一方日本政府は、質の高いインフラ輸出を成長戦略のひとつに掲げており、日本企業にとっても非常に関心の高い分野であることから、同分野への投資環境が改善すれば、日本企業が長年にわたって培ってきた高い技術やノウハウ、これが必ずやブラジルのインフラ整備に貢献できると考えている。

 最後の、SDGs実現のためのイノベーションと技術。このセッションにおきましては、両国におけるソリューションビジネス、日本が官民を挙げて取り組むSociety 5.0等を通じた、SDGsの達成に向けた議論を行った。イノベーションやテクノロジーといった分野は新たな協力分野としてのポテンシャルを大いに秘めており、今後も双方の産業戦略や政策の共有を通じて、新たな分野での協力が拡大していくことが期待される。

 以上が、今回の第21回合同経済員会の概要です。本日の貿投委ではこれら両国経済界の議論の内容、そして両国政府への提案、要望等もふまえながら、両国経済関係のさらなる発展に向けた活発な意見交換が大いに行われることを期待する。

【中川大臣官房審議官のコメント】

大前企画部会長からのご報告に対しAbrãoNeto局長同様、METIとしてもCNI/経団連の皆様方による日本メルコスールEPA共同報告書の作業に対し感謝申し上げる。先程の政府間セッションでも申し上げたが、日本とメルコスールのEPAを今後どう進めるかについては、まさにブラジル側日本側において色々事情があると言う風に思う。日本側について申し上げればTPPの早期発効、さらに言えば日本とEUの早期発効、更には今交渉中のRCEPの交渉、こう言ったメガFTAをどうやって進めて行くか、さらに言えば大きな経済圏を持つ2国間の関係をどうやって調整していくか、こうした全体の通商問題の中でメルコスールEPAをどうやって位置づけて行くかと言う事をよく考えていく必要があるというふうに思っている。その意味で今回、経団連/CNIから提出される報告書は一つのステップになる。私達としてもその内容について良く研究させて頂きたいと思っている。大事なことは民と民の間でまた官と官の両方の間でこの日本メルコスールの重要性についての理解、議論を深めて行く事だと思う。日本側特にMETIとしても議論を深める事に対し貢献していきたい。メルコスールとのEPAについてはブラジルだけでなく他のアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイと言った国々も関係する。更には市場アクセスだけでなくルール分野も含めて非常に多くの利害関係者がいると思う。そうした多くの意見を良く聴いていく必要がある。