日本語・英語によるブラジル労働法改正セミナーに80人が参加して開催

企業経営・地場企業推進委員会(ワグネル 鈴木委員長)主催の日本語・英語によるブラジル労働法改正セミナーは、2017年9月1日午後3時30分から5時30分までブラジルの大手法律事務所のMattos Filho, Veiga Filho, Marrey Jr. e Quiroga Advogadosに80人が参加して開催、日本語講師 は角田太郎 パートナー アンダーソン・毛利・友常法律事務所 東京オフィス並びに英語の講師は、ヴィルマ・クトミ パートナー マットス・フィーリョ・ヴェイガ・フィーリョ・マレイジュニア・アンド・キロガ法律事務所 サンパウロオフィスが担当した。

連邦政府は改正労働法‐2017年7月13日法律13,467号を推し進めた理由として、労働者保護に傾斜している労働法の近代化並びにオーバーホール化。連邦政府や司法による労使関係介入の削減。労働当局の偏った取扱是正並びに労使双方の公平な取扱。ブラジルにおける商取引の環境改善する改正労働法の規定として、コアビジネスのアウトソーシング、労働条件に関する変更点として、通勤時間は勤務時間外。勤務時間を見なされない状況、残業時間の振替、最長12時間の労働可能もその後連続した36時間休息義務。急速・食事休憩の削減補償。労働者の同意にも基づく有給休暇の分割取得、労働者又は雇用主への精神的損害の賠償。新法の規定では、精算代金並びに現物支給の場合の食事手当、旅費・交通費、医者及び歯医者の費用補助は給与の一部とみなさない。

妊娠中の女性労働者は軽微又は中程度に不健康な労働環境での勤務可能、生後6カ月までの育児への授乳に対する休息。在宅勤務契約又は在宅勤務契約の変更。パートタイムの雇用契約における労働時間の変更、フリーランス契約、雇用条件に関する契約の自由。労働組合の承認を必要としない雇用契約の終了。裁判外紛争解決手続きの促進。弁護士又は労働組合の弁護士サポートによる当事者間の裁判外の和解。労働組合費の強制負担の廃止。労働裁判所の行為に対する制限。労働組合の訴訟参加。労使協定の有効期限、労働者代表の役割、労働裁判所の行為に関する雇用主及び労働者のための法的安定性、労働者の行政手続違反についての罰金。労働訴訟では敗訴の場合の弁護士費用、不誠実な訴訟への罰金について説明。質疑応答では、雇用条件に関する契約の自由、同一賃金、労働協定、労使の合意、アウトソーシング、労働組合の力関係、ボーナス支給の形態が話題となった。

Pdf日本語・英語によるブラジル労働法改正セミナーテープおこし記事

 

Taro Tsunoda e Vilma Toshie Kutomi (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

Wagner Suzuki

RI / CCIJB

運輸サービス部会執行部が訪問

運輸サービス部会の細谷 浩司部会長(ブラジル日本通運)並びに矢澤 吉史俊明副部会長(NTTブラジル)、吉澤副部会長( NTT DOCOMOブラジル)が2017年9月1日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長並びに日下野成次総務担当と10月19日開催予定のICT (Information and Communication Technology) TOP Seminarについて意見交換を行った。

Fuhiyoshi Hirata, Seidi Kusakano, Toshiaki Yoshizawa, Koji Hosoya e Yoshimoto Yazawa

Foto: Rubens Ito / CCIJB

労働WG日伯労働法ブックレット監修チーム第2回会合

2017年9月1日、商工会議所図書室にて、政策対話委員会労働ワーキンググループ 日伯労働法ブックレット監修チーム第2回会合が開催された。

第1回会合の中で、ブラジル労働法改正の勉強会を6回に亘り当ワーキンググループへ行ってきたジルセウ佐藤弁護士及びダグラス・マイヤ弁護士へ、ブックレット監修プロジェクトに携わって頂くよう依頼することが決定され、第2回会合にはジルセウ氏にも参加を要請した。

第2回会合の中でブックレットの監修目的や構想についてジルセウ氏へ説明を行い、具体的な原稿内容について活発な意見交換が行われた。

出席者は、上床憲治チームリーダー(伊藤忠ブラジル)、加藤周平メンバー(新日鉄住金)、森雄太メンバー(丸紅ブラジル)、前田太輔メンバー(東レブラジル)、辻元希世メンバー(ジェトロサンパウロ)、ジルセウ佐藤弁護士(Fator Assessoria)、平田会議所事務局長、吉田政策対話委員会調査員、近藤政策対話委員会アシスタント。

第1回日伯インフラ協力会合開催

2017年8月31日、ブラジル外務省イタマラチ宮で第1回日伯インフラ協力会合が開催された。当会合は、2016年テメル大統領訪日の際に締結されたインフラ協力に関するMOUにて約束された両国間でのインフラ協力会合であり、日伯双方の関心の確認と情報交換などを通じ、日本の「質の高いインフラ投資」をブラジルで進めるための環境整備等を目的とするものである。記念すべき第1回には、日本側から、外務省、総務省、経済産業省、JICA(国際協力機構)、JETRO(日本貿易振興機構) 、JBIC(国際協力銀行)、NEXI(日本貿易保険)、民間企業等、合計約70名が出席し、ブラジル側からは外務省、企画開発行政管理省、運輸・港湾・民間航空省、大統領府PPI局 、鉱山・エネルギー省、農務省、産業貿易省、科学技術通信省、BNDES(国立経済社会開発銀行)、CNI(全国工業連盟)等が出席した。

Pdfプログラム

オープニングのブラジル側挨拶ではコウナード企画省次官とモウラン外務省副次官が120年に及ぶ日伯外交関係と日伯経済及び技術連携について触れ、その強化を通して益々の日本企業がブラジルへ進出することを期待する旨を述べ、日本側からは岡本 三成外務大臣政務官が挨拶を行った。岡本外務大臣政務官からは、新たな日伯間の協議の枠組みである本件会合を活用して両国の経済関係を一層緊密にしたい旨と、ブラジルにおける「質の高いインフラ」の更なる展開に向けた忌憚のない議論と意見交換が行われることへの期待を寄せた他、日本企業の投資環境改善につながるブラジルのOECD加盟申請を日本政府として歓迎する旨が述べられた。

続くセッション1.「ブラジルにおけるインフラ投資の現状」ではブラジル側の司会進行により、各機関からのプレゼンが行われた。シウバPPI局特別補佐官は「PPIの進捗及びマトピバ地域におけるインフラ改善計画」と題しPPIプロジェクトの進捗状況とメカニズムについて説明、ブラジル国内のインフラ整備プロジェクトに関する透明性や信頼性、安定性、法的保護をより高め、公的団体と民間事業者との連携(官民パートナーシップ)を強化拡大し、民間事業者の投資を呼び込むことを目的とするプログラムであるとし、立上げ一年以内で146のプロジェクトが実施され、そのうち既に49プロジェクトが入札プロセスにあり、これまでに実施された空港事業や現在進行中の港湾プロジェクト等について説明。またPPIは審議会のもと7つの省、および3銀行(ブラジル銀行、BNDES、Caixa Econômica Federal)が参画していることを述べた。為替リスクやファイナンス、より多くの入札者の参加が可能となるような情報開示のメカニズム、コンセッションに係る入札要項はパブリックコメント手続に付した上で、公表前に公聴会で承認を得る必要があること、また入札開始の条件として事前の環境ライセンス認可取得等を通じてプロジェクトの環境面での実現可能性を事前に確保していることが条件となることなど、実現性と質の高いインフラプロジェクトの確保、特に海外事業者からのより多くの投資を目指していることを説明した。

またその他のインフラ投資計画についてはバチスタ運輸省パートナーシップ振興局長が鉄道と地方空港について説明を行った他、ミランダ都市省環境衛生局計画・規制局長により民間企業の参加率が6%とこれからの民営化が大きく期待される上下水道セクターの説明、モラエス自然災害警報センター長による防災インフラのプレゼンも行われている。

またここで中座する岡本外務大臣政務官からは、インフラという長期にわたるプロジェクトの性質においてもその収益性が確保していけるようなブラジル側の協力を求めるメッセージが残された。

続くファイナンスメカニズムのプレゼンでは、マシャードBNDES(国立経済社会開発銀行)衛生・運輸省担当役員よりBNDESのファイナンスメカニズムの概要と省エネ、上下水道、鉄道、河川輸送、都市型モビリティにプライオリティをおいていることなどに触れ、日本からの投資への期待について説明を行った。

ブラジル側最後のプレゼンではインフラプロジェクトにおける日伯企業の協業の可能性についてカストロCNIインフラ担当エクゼクティブマネージャー付きより説明、ブラジルインフラの民営化促進及びPPIの立上げはブラジルが求めていたものであり大いに歓迎、またPPIのインフラプロジェクトは多岐のセクターに亘っており海外事業体の積極的な参画も促すものであると評価。続く質疑応答の時間では、インフラプロジェクトにおける為替リスク軽減のファイナンスメカニズムについての説明を求める声があり、BNDESマシャード衛生・運輸省担当役員より補足の説明として現在暫定法で審議が行われているTJPL長期ファイナンス利子の導入について進捗状況が述べられた。

セッション2では日本側からの発表が行われ、日本政府の支援スキームをテーマとして、初めに南 慎二外務省南米課長による「質の高いインフラ投資の推進」と題しイントロダクションがあり、日本の質の高いインフラ、信頼性、安全性、経済性の高いインフラへオールジャパンで取り組んでいることが説明された。日本政府の支援スキームとして、以下JICA、JETRO、JBIC、NEXIよりプレゼンが行われた。

斉藤顕生JICAブラジル事務所長によるこれまでのブラジル向け円借款事例を交えながらの「JICAの資金協力スキーム~持続的な投資環境改善に向けて~」と題するプレゼンで、予め決まっているプロジェクトに対する資金融資を行うプロジェクト借款、設計や調査に必要なコストを融資するエンジニアリングサービスローン、地方の小規模インフラ整備や中小企業製造業、農業など特定分野への融資であるツーステップローン、複数のサブプロジェクトで構成される特定セクターの開発計画実施のためのセクターローン、制度改善に対するプログラムローン、災害復興・管理セクタープログラムローンといったJICAが提供する円借款について紹介を行った。また官民パートナーシップ(Public Private Partnership:PPP)を支援する制度として、Viability Gap Funding、Equity Back Finance、PPPインフラ信用補完スタンド・バイ借款などを紹介、これらの資金協力とJICAの技術協力、双方を組み合わせることによってより官民にとってより魅力的なインフラプロジェクト実施が可能となると説明を行った。

大久保敦ジェトロサンパウロ事務所長より「JETROのインフラビジネス支援スキームについて」、ジェトロの有する現地政府機関・企業等との既存ネットワークを活用し、プロジェクト情報の収集・提供を行い日本企業の海外展開に資する支援スキームを有していることを説明。JBIC櫛引智雄リオデジャネイロ首席駐在員より「JBICの組織概要及びインフラプロジェクト係るファイナンス」として、長期にわたるインフラプロジェクトにおいては為替リスクと資本リスク軽減のためのリスクシェアが重要であり、そのために当行が有する保証スキームなどについて説明を行った。最後に寺村英信NEXI(株式会社日本貿易保険)ニューヨーク事務所長から「NEXIの信用保険スキーム」と題し、カントリーリスクにより発生する損失をカバーするスキームとして海外投資保険などを事例を交えて紹介し、それぞれ各機関が提供するスキームについて概要説明を行った。

続いて企業プレゼンのブロックでは、大前孝雄三井物産特任顧問より「ブラジルのロジスティックインフラ」と題し、ブラジル三井物産またその他日本企業が実施する貨物輸送インフラ、都市交通インフラプロジェクトの説明や海外投資の促進を観点としたブラジル側への要望事項として長期プロジェクトファイナンス、特に海外から出資参画のためのコンプライアンスリスクに対するプロテクションメカニズムの導入、株主保証差し入れ債務の軽減に向けたBNDES融資調達等の改善を、また都市交通案件における連邦政府からの州政府への緊急財政措置等をあげ、ブラジル政府側の改善に向けた対応を期待する旨を述べた。

森田隆之NEC取締役執行役員常務からは「ICTを活用したブラジル社会への貢献」と題し、同社の技術を活用した土砂災害の実証プロジェクトや空港/鉄道通信、衛生通信、またICTを活用した医療、インフラ、農業プロジェクトの紹介が行われ、日本側最後のプレゼントとなる「日本におけるブラジルエネルギーセクターへの貢献の可能性」では富田弘PwCアドバイザリー合同会社インフラ・PPP部門ディレクターより説明が行われた。

午前の部クロージングでは、日本側挨拶として山田彰在ブラジル日本国大使より講評があり、今回の会合での提案事項が日伯双方できちんとフォローアップされインフラ投資環境の改善につながっていくことを期待、またブラジル側よりコウナーゴ企画省次官より今回の会合の成果が次回会合へと繋げるよう取り組んでいくことが述べられた。

お昼を挟んだ午後の部では、サンパウロ州およびパラナ州によるインフラプロジェクトの紹介プレゼンがあり、平行して日本企業及びブラジル政府の個別ミーティングの時間が設けられ関心企業が参加している。

第11回日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会開催

経済産業省と商工サービス省(MDIC)は2017年8月30日、商工サービス省会議室にて、第11回日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会(貿投委)を開催、日本、ブラジル両国政府、企業関係者が参加し、両国経済関係の強化に向け、貿易投資促進、インフラ投資促進、投資環境の改善、産業協力などを議題に活発な議論が行なわれた。

本委員会において、粟屋聡 ブラジル日本商工会議所政策対話委員長が、AGIR活動の進捗報告と本丸提言とされる労働、課税分野における改善提案等を具体的に説明、ブラジルの国際競争力強化と日系企業の進出支援に向け益々のMDICとの連携協力を要請した。

Pdf日伯貿投委プログラム

オープニング

産業貿易省 マルコス・ジョージ・デ・リマ次官)戦略的にも最も重要な国のひとつである日本とブラジルの連携は、2014年安倍総理大臣来伯を通して益々強化された。現在ブラジルは歴史的にも重要な時期にあり、財政歳出制限、労働改革と年金改革、将来的な税制改革といった諸改革を通じて構造再編成を行い、経済の柱を立て直す試みが進められている。

 産業分野でも大きな施策を計画中、例えば産業育成のための新自動車政策「ルート2030」により、国内産業の世界最先端技術レベルへの底上げ、更にはグローバルバリューチェーンへの参入を目指す。またブラジル生産性向上計画(Brasil Mais Produtivo)は、中小企業にリーン生産方式を導入し生産効率性の向上を図る施策である。石油ガス分野における資材とサービスのローカルコンテントに関する産業構造改革、海外市場アクセスへ向けては通関システムPortal Unicoの導入による脱官僚制、二国間そして多国間での投資協定を通じた投資誘致も積極的に行なっている。

 このような構造改革にも、日本は重要なパートナーであり、更なる投資や技術産業協力を通じて日伯間貿易の回復も期待したい。その投資機会の一つとしてPPIのコンセッションや民営化の事業があり、交通やエネルギーや上下水道事業など97プロジェクトで500億レアルの投資を予定。ブラジル経済回復期において、日本企業の投資チャンスも数多くあると考える。本日は企画省から新プログラム「アバンサ-ル」の概要説明、更に省庁の連携の例として、PPH協定締結など知財協力について、INPIとJPOから更なる協力関係についての発表も行われる。MDIC、JICA間で進められる電気機器リバースロジスティクスの技術協力や電子機器のリサイクルなど廃棄後の処理方法、また省エネ分野ではMME、ANEEL、CNI、サンパウロ州、ABRASEなどと連携する日本エネルギー保全センターの協力、日本でのソサイアティ5.0の推進による技術革新、ブラジルインダストリー4.0の中長期戦略や行動計画、といった新技術での連携も期待の大きい分野である。本日の会合の成果が二国間の協力強化に繋がるものと期待する。

ブラジル日本国大使館 山田大使)日伯経済関係を振り返るとUSIMINAS、ALBRAS、CENIBRA、ISHIBRASなどの日伯共同プロジェクトに代表されるようにその確固たる協力関係が現在も続いている。ブラジルには700以上の日本企業が進出、これからまだ増える余地があり、その為にもビジネス環境整備や進出企業支援に力を入れていく考えである。日本企業の活躍は、USIMINASなどのようにブラジル経済の成長と社会の発展に役立つものである。ブラジルには2週間前に着任したばかりだが、それ以前に駐在したメキシコでは、日メキシコEPAが締結されており、両国間でビジネス環境改善のための定期的な会合。日本企業からの要望が次々と実現され、結果として日本企業の進出を促進、900社を超えることとなったが、ブラジルにはそれと同等あるいはそれ以上の結果が可能と考える。巨大な消費市場、伝統的な産業基盤、更に豊富な資源などブラジルは大きなポテンシャルを持つ。本日の会合で、官民双方がそれぞれ問題定義と解決に向けた議論をすることによって、日伯の新たな産業協力へ繋げることを期待する。

1:日伯貿易投資促進

経産省 中川審議官)経産省 中川審議官)4月に開催した中間会合でインフラ分野での投資促進、投資環境の向上、市場アクセス、産業協力について議論を行った。本日は、各議題について更なる前進に向けて、いつまでに誰が何をするのかといった具体的な提言を意識しつつ議論を進めたい。日本の技術力を活用したブラジルの生産性の向上、ブラジルの資源力を活用した日本産業の競争力強化に焦点をおいて、相互補完のある具体的なプロジェクトの形成を進めていきたい。

経団連 大前孝雄 経団連日本ブラジル経済委員会企画部会長)

 貿投委に先立ちクリチバで開催した第20回日本ブラジル経済合同委員会の概要を報告する。本年4月に開催された第7回日伯賢人会議で①日伯経済連携の強化、②産業競争力の強化、そして③ロジ・インフラという3つの優先テーマを中心に議論がなされ、その結果を踏まえながら今回日伯経済合同委員会で深掘りの議論が行われた。

 「日伯経済の現状と展望」のセッションでは、ブラジル側より「ブラジル経済は資源価格の低迷等により、2年連続のマイナス成長や厳しい財政状況が続いていたものの、テメル政権下の労働改革をはじめとする一連の経済政策が効を奏し、本年はプラス成長が見込める」という、我々日本経済界にも心強い見解が示された。また日本側からは、5年半にわたるアベノミクスの成果や現状を紹介するとともに、ブラジルインフラ分野への日本企業の投資拡大に向けた金融支援における「官民の役割分担」等につき興味深い提案が行われた。

 「貿易および投資」のセッションでは、日伯経済関係の拡大には、その基盤として経済連携協定の推進が不可欠であるとの認識が改めて共有され、日伯経済界双方の同意により、日本/メルコスールEPAという新たな枠組みでの早期交渉開始を両国政府に働きかけるため、2年前に経団連とCNIがとりまとめた「日伯EPAに関する共同研究報告書」を次回経済合同委員会までにアップデートすることで合意された。日伯経済界としては、引き続き両国政府に対し両国経済関係の更なる発展に資する経済連携協定の早期実現を求めて参り、両国政府の理解ご尽力をお願いしたい。

 続く「ビジネス環境整備および今後のビジネス機会」のセッションでは、ブラジル側から、各種投資インセンティブや投資誘致を目指す産業分野が紹介され、日本側からは、自動車産業を例に、発展目覚ましいメキシコとコスト比較をしながら、競争力強化に向けては道路・港湾等物流の効率化、税制簡素化等、いわゆるブラジルコストの削減に繋がる抜本的な取り組みが不可欠との提言がなさた。また、ブラジル日本商工会議所がここ4年間に亘り推進しているAGIR(アジール)の最近の活動状況も報告され、ブラジルコストの改善やブラジル産業の国際競争力強化に向けて、日伯産業界相互の協力関係を一層強化していくことが望まれる。

 「産業戦略および政策」のセッションでは、日本側より「Society 5.0」の取組み、またブラジル側からは「Industry 4.0」等の取組を紹介、「農業およびインフラ整備」のセッションでは、穀物輸送インフラ及び都市交通インフラの二つのロジ・インフラ分野につき、日本企業の投資拡大に不可欠な具体的提言および要望がなされた。ロジ・インフラの整備が「ブラジル・コスト」を削減する上での最優先課題であり、多くの日本企業も投資し穀物生産・販売事業を活発に展開する北部4州マトピバ地域並びにマトグロッソ州東部地域の開発へ、ブラジル側でも重要度・優先度が高いことが確認された。

 また、「都市交通インフラ」では、BNDESの長期ローカルファイナンスの欠如により1年近く工事が中断するサンパウロ地下鉄6号線案件での教訓を踏まえ3つの提言がなされ、日本企業の投資促進へ向け、今後ブラジル側が具体的施策が強く望まれる。最後の「天然資源およびエネルギー」のセッションでは、ブラジルの豊富な農産物を活用したバイオ・エネルギー分野の展望はじめ、高効率石炭火力発電や海流発電、グリーンファイナンス等、環境に配慮した資源・エネルギー分野での取り組み事例が紹介され、日伯両国が協力方策を模索することの重要性が確認された。

 以上、第20回日伯経済合同委員会の報告とさせて頂く。

椋田 哲史(経団連専務理事)

同委員会で日本側参加者より提起されたビジネス環境の改善に関する指摘をいくつか紹介すると、日伯間貿易・投資拡大のため経団連とCNIによる一昨年の日伯EPAに関する共同報告書をアップデートすることが合意されたが、日・メルコスルEPAの早期実現を求めていくこと、併せてビジネス環境整備を目的とする法的枠組みの確立が重要であるとの指摘があった。またウジミナス社の経営については、規制当局による安定した法制度の運用や、行政手続きや迅速な司法救済を求める意見があった。

 加えて、インフラ整備の促進では、PPPやコンセッション案件における為替リスク、あるいはファイナンスリスクなどについて、官民の適切な役割分担を可能とする仕組み、それを支える金融制度や公的枠組みの拡充が求められ、技術や品質が正当に評価される制度の導入が重要であるとの指摘があった。

その他議論【省略】※日伯経済合同委員会の報告については、ディエゴ・ボノモ(CNI貿易担当マネージャー)氏による説明も行なわれた。

2:インフラ投資促進

企画省ブルーノ・メリン インフラ金融調整官)

プログラム・アバンサールの事業は3つの柱にわかれ、1)道路、鉄道、空港、港などの交通、2)防衛とイノベーション、3)住宅、上下水道、都市交通となっており、これら事業の民営化を進めている。大都市間における交通網を充実させ、ロジスティクスコストを削減すること、更に事業のデジタル情報化などイノベーション革新と技術移転を実現することも目的としてある。道路では、マトグロソ州とパラ州間の国道163号の舗装事業、ミナス州の国道381号の複線事業、サンパウロ州のロドアネル道の整備などがそれである。鉄道は、北南鉄道、またバイヤ州でイレウス港とカイチテ鉱山と東西を結ぶ鉄道、11の水路は、空港は、例えばほぼ完成しているビクトリア空港、都市交通としてサルバドールの地下鉄もある。2018年までに事業を完工させ、また同時に民営化以降の事業も推進する予定である。

その他議論【省略】

3:投資環境の向上(AGIR事業)

粟屋政策対話委員長)本年度のAGIR活動の進捗、活動方針について説明する。ブラジル産業の国際競争力強化やブラジルコスト改善を通じ、日伯両国間の貿易投資の拡大を目的とした政策提言を行なう活動であり、今年4年目を迎え、企業による経済活動により直接的に影響する労働・課税を本丸提言として政策対話に取組んでいる。

 労働分野については、今回の労働法改正により1943年制定統一労働法(CLT)が刷新され、ブラジルのビジネス環境が近代化する方向の改正となった。「フレキシブルな労働時間」を始め、「休暇の分割取得」、「労働時間に含まれる通勤時間の基準見直し」などAGIR提言と共通する項目も含まれている。AGIR活動では安定雇用実現や柔軟な人事管理制度も掲げており、今後の活動としては、CNIの労働問題担当部門とも連携し、政府当局から協力も賜り当会議所の会員企業を対象としたセミナー等を実施、e-Socialの運用等についても取り上げていきたい。

 続いて、課税分野については、1.税制の簡素化・納税者の保護、2.ICMS制度の見直し、3.移転価格税制の国際標準化の3つを課税分野での本丸提言としている。

 会議所課税WGが今年6月会員企業を対象に、ブラジル税制に関するアンケート調査を実施。回答した企業の実に7割超が、「納税処理に関する経費負担」をブラジルの税制度の問題点として挙げている。また、CNIが行ったブラジル一般企業を対象に実施したアンケートの結果においても、上位の回答は、会議所アンケートの結果とも一致している。国籍を問わずブラジルにおいて経済活動を行う企業の多数が共通する問題として、多種、煩雑な納税システムを課題として指摘していることがわかる。一方、今月に入り、メイレイレス財務大臣がブラジルのビジネス環境の生産性向上へ向け、税務処理時間とコストの削減のためデジタル帳簿システム(SPED)の機能強化、税務申告手続きの簡素化などの施策を発表。ブラジル政府レベルと民間の問題意識が共有され、同じベクトルで改善に向けて取り組んでいることがわかる。

 ICMS税、特にICMSクレジット残については、クレジットの移転や特別レジーム等を活用した解消策があるものの、申請手続きに掛かる煩雑な手続きが納税者にとっての大きな負担となっている。本年度の活動では、相殺制度の実効性の確保、実務上の問題点改善に留まらず、州間税率の統一という根本的改善策へも踏み込んでいきたい。併せて代行納税制度についても見直しを求めていきたい。またICMS税は州政府管轄となるので、適切なカウンターパートの選択、対話チャンネルの構築の上、実務者間での協議の機会を増やす考えである。

 3番目に移転価格税制について、OECDガイドラインに準拠した移転価格税制を導入し、世界標準へ移行される事を提言していきたい。AGIR活動としても、何らかの貢献を行い、ブラジル財務省主導による税制改革が、単なる納税システムの簡素化に留まらず、国全体に健全な循環をもたらす税制度へと変革してゆかれることを期待している。

 現在、ブラジルは景気回復へ向けた努力を重ね、その為には官民外資のボーダーを越えた協力関係が必要であり、当会議所としてもブラジルの産業・社会の骨子である税制、労働環境の改善へ引続き貢献して参りたい。政策提言に取組み、ブラジルの産業競争力強化、ひいては日伯間のビジネスチャンス拡大に結び付けてゆきたいと考える。

イゴー局長)税務の簡素化は、ブラジル政府としても、重要課題としてビジネス環境改善に取り組んでいる。メイレイレス財務大臣も、業務にかかる時間の短縮や税制改革を行い海外からの投資誘致のためのビジネス環境改善は重要だとの考えを持っている。

労働省アドミルソン・モレイラ・ドス・サントス大臣官房長代理)テメル大統領が昨年改正法案を国会に提出し、法令13.467号が成立、これを労働改革や労働近代化と呼び11月11日に施行される。本会合ではより概要的な改革の説明を行なう。

 今回の労働法改正では、労働組合と企業による団体協定の合意が法的優位性を持つことになり、勿論交渉不可能な憲法にて守られる労働者の権利もあるが、団体交渉の重要さが増すことを意味している。団体協定での合意が法律より優先されつつつ、また特定の従業員、例えば、大卒以上で、最低年金額の2倍である3500レアル以上の労働者については個別交渉が可能で、その合意もまた法律より優位性を持つ。

 ある一定希望以上の企業内には労働者代表委員会の設置が義務付けられ、団体交渉において労働者代表が直接労使交渉を行うことで、労働者ニーズを企業側が聞き入れやすくなる。

 また別の変更点として、OECDルールに基づき、従来パートタイムが残業なし週25時間であったのが、2つ契約形態の選択ができるようになる。残業なしの週30時間、又は、26時間で6時間の残業。またILOルールに沿って、休暇については3回への分割が可能になる。また、テレワークの定義付け明確化、断続的労働の可能化による仕事のない期間の報酬義務が取り除かれる、精神的損害の定義と罰金の規定、等細かな点がある。

 また11月からは、組合費支払いが義務から合意があった場合のみに支払うこととなる。また今までの退職では、労働者が自主的に辞める場合と、会社から解雇される場合があったが、今後は労使合意により辞職や解雇をすることが可能となり、合意を通して解雇による罰金の軽減や自主的に辞職する場合でもFGTSの引き出しが可能になる。また最後に、解雇について、今までは1年以上勤務をした労働者は組合で解雇手続きをする必要があったが、今後は不要となり企業と直接交渉を行う。改革について概要を説明させて頂いたが、更に明確したい点があれば労働省へ連絡して頂きたい。

マルガレッチ部長)ROTA 2030プログラムは、幅広い産業が集まり、数々の輸送機器に関する製造業のみならず、輸送ロジスティクス業全般にわたっているが、本日は製造業について説明する。4月より、1.自動車部品サプライチェーン再構築、2.技術開発、生産技術、3.エネルギー効率、重軽自動車、4.安全技術、技術検査、5.少量生産ブランドや電気自動車、6.競争力のあるコスト構造、6つのグループに分かれ、官民合同で議論をしてきている。

 産業に関して、技術、エネルギー、安全など、海外との連携も取りながら、5年限りではなく、5年3サイクルで目標を立てるが、常時評価しながらの長期政策を取っている。自動車産業は、現在厳しい状況で、生産のアップダウンが激しく、部品産業では、財政が非常に厳しく、設備の近代化への投資、技術の導入の課題があり、議論をしているところである。現在のところ4つの施策を考えている。1つ目はAGIR提言にもある税の簡素化である。2つ目はの技術開発とイノベーション、3つ目の安全性とエネルギー効率、4つ目は競争力強化と生産性向上である。他省庁との連携も大切で、エネルギー目標はPROCONVEの協力、バイオエネルギーに関してはRenovaBio、PADIS、Brasil Mais Produtivoなど、長期の視点で、他省庁との連携を行なっている。

平田事務局長)今日は人生で一番喜ばしい日である。以前より、この様な会議の席上、ジャポネス・ガウショであったり或はガウショ・ジャポネスになったりとかで行き通いながら話して来ている。現行の労働法(CLT)が成立した1943年は、ガウショのジェトリオ・ヴァルガスが大統領の時だ。また昨年暮れ12月22日には、同じガウショのロナウド・ノゲイラ労務大臣が、クリスマス・プレゼントとして発表した労働改革法案は、カマラの提言項目を大幅に上回る改正に至っている。私はまさしく労働法の近代化法案と言いたい。今年の7月中旬には国会を無事通過し、11月中旬から施行に入ることになる。ブラジルの新たな労働環境変化の歴史の一章が始まる。昨年10月の日本の東京会議で、マルガレッチ氏が、カマラの本丸提言に対し、心配する必要は無い、テメル政権では既に具体的に労働法改革が提案されている!という力強い言葉をもらいブラジルに戻って来た。そして実際に国会を通過するまでに至った。私がブラジルに50年移り住んでいる中で、一番嬉しい日となった。またアジミルソン氏の詳しい説明を聞いて、更に嬉しくなった。ここにお礼を申す。先ほど、マルガレッチ氏より、ROTA 2030における税の簡素化の発言もあり、マルガレッチ氏の言葉が、メイレイレス財務大臣、大統領まで届き、やがて必ず実現すると思っている。ブラジルではこれから様々な改革にチャレンジして行くでしょう。そこで一つお願いがあるが、是非とも法的安定性を確保して欲しい。弁護士の間での法解釈の違い、判事の間でも解釈の違いが生じることもあるので、新しい法律の下ではもっと立派な体系的な改革を望んでいる。山田大使の言葉にもあったように、構造改革が起これば、それだけでも日本から進出企業が増え、またその他海外からの企業進出もさらに増えることは間違いないと信じている。

イゴー局長)今回の労働法改正はブラジルが正に必要としていた改革である。本日の会合でのフィードバックは労働大臣にも伝えたい。この改革を通してブラジルの生産性が向上していくことを願う。

古本課税WG長)まずはブラジル政府の努力にお礼を述べたい。マルガレッチ氏へ課税についての質問をしたい。ディストリビューター販売の際の税務恩典については、連邦税か州税か。

イゴー局長)連邦税だけだ。

古本課税WG長)質問は、まさに州税についてで、州税のビジネスへの弊害が大きい。州税についての簡素化等についても改善を検討していただきたい。

イゴー局長)我々も課題は認識しておりCONFAZとの議論は行なっている。連邦国で州との議論は欠かせない。

中川審議官)労働法改正やROTA 2030プログラムにおいても、我々の議論を踏まえて大きな進展があることを高く評価したい。今回、AGIR活動については、5つのワーキンググループのうち、労働と税制に絞って政策提言の説明をしてもらった。労働分野では、賃金のルール、継続的な雇用に向けた方策、税制の簡素化や移転価格税制についての提言があった。こうした中で、我々として高く評価したいのは、AGIR提言において直接ブラジル関係当局と初めて意見交換会を得られる機会があり、ブラジル側の努力を評価し、感謝したい。労働法改正、ROTA  2030の発表と続いたが、AGIR提言を含めて、各省庁の範疇で改善に協力出来ることがあるか考えて行く。これからもブラジル側との議論を深める上で、AGIR活動やブラジル関係省庁の意見交換の場を作れるような協力をお願いしたい。

4:産業協力

知的財産協力について、日本企業を代表する機関である商工会議所へも今後ワークショップの開催などで協力を要請したいと述べたエレン・デ・ファチマ・サンパイオ(INPI調査官)氏と水野邦洋(特許庁国際協力課国際情報専門官)氏による説明が行なわれた。

自動車分野のバリューチェーンにおける「リーン生産方式」に基づく協力について、ジョアン・エミリオ・パドヴァニ・ゴンサルベス(CNI産業政策部長)氏よりプレゼンが行なわれた。

バイオ燃料分野における協力について、ディエゴ・ボノモ(CNI貿易担当マネージャー)氏およびペドロ・ミズタニ(RAIZEN副社長)氏による説明が行なわれた。

ブラジルにおけるJETROの活動の説明をジェトロサンパウロの大久保敦所長より、また産業開発分野におけるJICAの活動についてJICAブラジリア斉藤顕生所長により行なわれた。

タイスZPE局長)ZPE技術者がJICAの研修に参加したことがあり、JICAの協力に感謝し、協力体制を継続していくことを望んでいる。また、カマラとJETROのZPEに関する協力にもお礼を述べる。7月に事務局がペセンZPEを訪問し、今後もこのような継続した活動を協力して行なうことは、日伯両政府にとって重要であると考えている。

パウロタケウチ産競WG長)カマラの産業競争力強化・中小企業育成WGに関わる議題で、ジョアン・エミリオ氏のプレゼンにあったBrasil Produtivo計画について、自動車部品産業も含まれることの重要性を感じている。Brasil Mais Produtivo計画が開始された際には自動車部品が含まれていなかったが、ROTA 2030も最終段階にあり、Sindipecasからの要望があるように、自動車部品に関わる全ての産業に拡大して欲しい。自動車産業として、RAIZENのペドロ氏のコメントにも共感をし、エタノールエネルギーに自動車産業は多くの投資をしている。二酸化炭素ガス削減による恩典を考慮し、ブラジル発祥のエタノール技術は、ノウハウも含め重要で、ROTA 2030にも関係してくる。わが社の車のモデルは、エタノールエネルギーを十分活用できるように製造されている。

平田事務局長)タイス局長の参加に感謝する。企業経営者のときに悩みを打ち明けたこともあり、その課題解決の突破口は、ZPEではないかと議論してきた。その当時2014年は、ブラジルが一次産品に頼り貿易赤字を作った年だ。去年、フルラン次官が東京の会議に参加した際にも、ZPEを何とか成功させると約束をしてきた。昨年6月にはタイス局長が、10月にはサンタナ・セアラ州知事に、会議所の昼食会にも参加をしていただき、6300ヘクタールの巨大なZPEについて話をしてもらった。昨年11月には、ブラジルの日本進出企業、また日本からの進出企業ミッションを組んで視察会をするならそのフォローをすることを常任理事会で約束している。カマラ担当委員会となっているのが相互啓発委員会で、当時は粟屋現政策対話委員長が委員長を勤められ、現在は住友商事の富島委員長となっている。今後も、JETRO、経産省、MDICと協力して支援していく。

イゴー局長)CNIとタケウチ氏による要望については、進展があり、12000企業を対象とし、自動車部品産業も含まれる。実現に向けてはMDICとしても協力を惜しまないが、デジタル化やインダストリー4.0についての評価についての進展も必要がある。現在進展中のROTA 2030にも関係しており、長期の政策として期待している。

5:クロージング

中川審議官)クロージングと感想を述べてまとめる。産業協力のセクションで充実した議論ができたことを嬉しく思う。前回の中間会合で、ガンディ二部長と話した際の、我々からの大きなメッセージは、産業協力のセッションを充実したい考えがあった。今回はいろいろな提案があり歓迎したい。知財のPPHが進んでいること、JETROとJICAが今まで何をやってきたか、これから何ができるかを含んだ説明があったこと。特に自動車産業は、日本のものづくりが一番現れる分野であり、一つでも多くの成功事例を作っていきたい。次回の会合までに議論を深めていきたいと思う。ブラジル側、そして日本側の関係者の協力に感謝をしたい。

イゴー局長)私としても皆様に感謝を述べる。具体的なプロジェクトを進めていくことができることを望んでいる。日伯の貿易は少し落ちているが、良くなると信じており、貿易の拡大、そして投資拡大につなげていきたい。次回日本で会えることを期待している。

(Fotos: Washington Costa/MDIC)

日系主要5団体会合

文協会議室にて日系主要5団体(文協、県連、援協、アリアンサ、会議所)代表者らによる会合が2017年8月29日正午から文協貴賓室で開催、商工会議所から副会頭の安田篤日伯交流委員長が出席。 議題としてブラジル日本移民110周年記念祭典委員会活動などについて意見交換された。

第20回日本ブラジル経済合同委員会開催

第20回日本ブラジル経済合同委員会は、全国工業連合(CNI)並びに経団連、パラナ州工業連盟共催で2017年8月28日午前9時から午後6時、29日の午前9時から午後1時過ぎまでパラナ州工業連盟大講堂に日本、ブラジル双方から企業関係者総勢500人が参加して開催された。

開会セッションでは、初めにホブソン・ブラガ・ド・アンドラーデ ブラジル全国工業連盟(CNI)会長は、2014年8月の安倍総理訪伯の際、両国首脳間において共同声明を発表、この中で穀物輸送インフラが果たす戦略的重要性の確認、また昨年のテーメル大統領訪日時のインフラ事業の更なる民営活性化を目的に、PPI(Programa de Parcerias de Investimentos)での協力要請、2019年までの日本と南米南部共同市場(メルコスル)の経済連携協定(EPA)交渉の締結、日伯貿易の縮小、投資環境改善に結び付く議論を示唆した。

続いてエドソン・カンパニョーロ パラナ州工業連盟会長は、パラナ州はサンパウロ州に次いで日系人が多い。特に北パラナに日本移民が入植して農業や漁業分野に大いに貢献。ブラジルで最も投資環境が優れたパラナ州への投資を呼びかけた。

元クラビン社長のファビオ・シュバルツマン ブラジル日本経済委員長は、今回の経済合同委員会に対する日本進出企業や経団連に感謝の意を述べ、日伯貿易縮小傾向に危惧しており、貿易の活性化、2017/2018年のロードマップ、日・メルコスルとのEPAの重要性を強調した。

マルコス・ホルヘ・ド・リマ ブラジル産業貿易省大臣代理は、毎年両国の深い関係を継続して、今年は第20回日本ブラジル経済合同委員会まで継続、ブラジル国内には日系人が150万人、日本の優秀な技術をブラジル国内の製造業部門に導入するためには投資環境の改善が不可欠であり、テーメル大統領が進めている構造改革の継続。日本企業にとっては、PPIによる上下水道や穀物輸送などで大きな投資チャンスに結び付くと結んだ。

飯島彰己 日本ブラジル経済委員長は日本側代表として、日伯は120年間に亘って友好な関係を続けており、今年4月にはサンパウロ市でジャパンハウスを開設、「世界を豊かにする日本」としてワークショップなどを開催。ブラジルでは700社に達する日本企業が多岐にわたる分野で進出しているが、更なる投資環境整備が必要。大国の米国は保護貿易への傾倒のきらいはあるが、ブラジルとは更なる自由貿易を推進したい。テーメル大統領訪日ではインフラ整備投資の覚書ができ、PPIでのインフラ投資では日本の高い技術力ノウハウが発揮できるにも関わらず、ブラジルコスト削減をしないとWin-Win構築が難しいが、ビジネスチャンス拡大のために大いに議論したいと述べた。

チーダ・ボルゲッティ パラナ州知事代理は、日系移民は、日本の文化・教育で大きなパワーをパラナ州にもたらしてくれている。マリンガ市と加古川市は古くから姉妹都市を締結。また多くの日本進出企業はパラナ州に投資を行っている。パラナ州はラテンアメリカで最も投資環境が優れている。パラナグア港湾は、港湾エフィシエンシーではブラジルトップ。州内には7大学で9万人の学生を抱えて優秀なマンパワー供給できるので、日本企業の投資を歓迎すると述べた。

山田 彰 駐ブラジル日本国大使は、着任して2週間弱で第20回日本ブラジル経済合同委員会に参加できるのは非常に幸運。安倍総理からのメッセージを代読では、テーメル大統領訪日時のインフラ整備投資覚書、インフラ整備拡大に期待。日本企業への支援、2018年の日本移民110周年記念の節目で両国関係の更なる強化と務め、この2日間の第20回日本ブラジル経済合同委員会の有益な意見交換を楽しみにしていると読み上げた。

特別セッションの「日伯経済の現状と展望」について、モデレーターは、日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議ブラジル側座長のカルロス・マリアニ・ビッテンクール FIRJAN副会長が務め、初めにジョゼ・アウグスト・フェルナンデス CNI政策戦略部長は、予想よりも遅い経済リセッションからの回復、企業経営者の景況感、インフレ指数の低下、CDSリスクの低下、今後回復に向かう失業率、企業並びに一般家庭の負債軽減傾向、労働法改正並びに年金・恩給改革、税制改革などの構造改革に着手しだしたが、ブラジルコスト削減のためのビジネス環境整備では、日本が良い見本であると説明した。

続いてロベルト・ジャグアリベ ブラジル輸出投資振興庁長官は、「輸出支援政策」と題して、ブラジルは政治経済で大きな過渡期に差し掛かっており、ブラジルコスト削減に直結する構造改革に着手したものの、構造改革は大手術と同様に大きな出血を伴うが、必要不可欠である。

今年の穀物生産は記録更新予想でブラジル経済を牽引している。PPIプロジェクトによるインフラ民営化はポジティブであり、大きく変わろうとしている。ペトロブラス石油公社再編やエレトロブラス公社の民営化などは大きなチャンスとなっている。日本と欧州連合(EU)は経済連携協定(EPA)について大枠合意した一方で、メルコスールとヨーロッパ連合のEPA交渉は停滞したままとなっている。また日本との貿易が縮小傾向となっているために向きを変える必要がある。日本からの投資再開を歓迎すると強調した。

星 文雄 三井住友フィナンシャルグループ顧問は、「アベノミクスの現状とチャレンジ」と題して、アベノミクスは15年間続いているデフレからの脱却を図る政策で”3本の矢”(大胆な金融政策・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略)を柱とする経済政策で経済は好循環。今後の経済回復計画は緩やかで製造拠点は海外に移動してきている。

ドイツの「Industrie4.0」も包含する日本の新しい成長モデルとなる「Society 5.0」は、人口減をものともしないスマートな社会、高齢者や女性等、あらゆる個人が活躍できる社会、サイバー・フィジカルいずれも安全・安心な社会、都市と地方がつながり、あらゆる場所で快適に暮らせる社会、環境と経済が両立する持続可能な社会などについて説明した。

木下 誠 MUFGブラジル三菱東京UFJ銀行頭取は、「日本企業の成長に欠かせない投資」について、日本政府はインフラシステム輸出を推進しており、アベノミクスは海外で利益拡大、海外現法の役割は大きい。インフラ整備プロジェクトにおける安全・安心の高品質のインフラ輸出。インフラプロジェクトのリスクの官と民の役割分担、社会経済開発銀行(BNDES)の役割や長期ローン金利変更、民間銀行のクレジット提供、ブラジル政府の財政再建と取組、規制緩和、債権市場の育成、政府と民間企業のリスク分担の重要性などについて説明した。

 最後に清水新一郎 日本航空常務執行役員秘書室長は、「両国間の人材交流」と題して、日本航空は1978年から2010年まで日本とブラジル間の定期便を運航、2008年にはEmbraer190を導入、現在は26機を保有して運行しているがトラブルが少なくて評判が非常に良い。南北アメリカの航空機利用者の97%は北米。南米3%の55%はブラジルが占めている。日伯間の運行分の47%は中近東経由。

日本人が海外旅行をしない理由として長期休暇が取れないが35%でトップ、国内旅行志向が19%、治安問題は18%、テロ・感染症不安は14%を記録して、日本人特有の心配性が特徴となっている。ブラジル人に対する日本の魅力発信としてジャパンハウスの活用が重要となる。直行便の再開要望に対する精査、2018年の日本移民110周年記念による国際会議・展示会・エキシビジョン・人的交流の拡大。リオオリンピックに続く2020年の東京オリンピックへの参加などについて説明した。

貿易及び投資セッションでは、中富道隆 日本アマゾンアルミニウム社長がモデレーターを務め、初めに 矢島浩一 丸紅顧問は、「丸紅のブラジル企業活動」について、丸紅は1858年創業、1949年意丸紅コーポレーション設立で5グループから構成。穀物取扱量は6700万トンで日本ではトップ。ブラジル国内では、大豆を1100万トン取り扱って輸出の20%を占め、コーヒーは日本の消費量の30%に相当する13万トンを輸出。

ブラジル国内の水事業では都市住民900万人へのサービス提供。ブラジルでのビジネス障害として、インフラ整備プロジェクト向けローン問題、ブラジルコスト削減に繋がる労働法改正。ブラジルのインフラ事業向けハイテク技術導入に対する税制、PPPリスク。日伯EPAから好調なアルゼンチン経済を統括する日・メルコスルEPAへの舵取などについて説明した。

カルロス・マルシオ・コゼンディ 外務省経済金融局事務次長は、アルゼンチン,ブラジル,パラグアイ,ウルグアイの加盟4カ国で形成するメルコスルは、周辺国との協定を進めているが、アルゼンチンとブラジルの工業政策の相違でブロックとのEPAは止まっていた。年末にはメルコスルとヨーロッパ連合とのEPA交渉再開。メルコスルとカナダや韓国とのEPA交渉。日本とメルコスルとのEPA交渉進展などについて説明した。

富島 寛 住友商事理事南米支配人は、「ブラジルにおける水インフラビジネス」について、ブラジル国内の上下水道インフラは、脆弱で殆ど手つかずの状況であり、2007年の上下水道法制定で、海外からの投資が進んできており大きな投資チャンスとなっている。しかしラヴァ・ジャット汚職問題で進展しないプロジェクトファイナンスや社会インフラ整備に役立つTAX DUTY、 PPPプロジェクトリスク。的を得た日伯EPAから日・メルコスルへの軸足変更及び重要性などについて説明した。

最後にロナウド・ラザーロ・メディナ ブラジル連邦歳入庁関税局次長は、「投資アトラクション 通関業務簡素化アグリーメント」 について、認定事業者(Authorized Economic Operator)の税関手続の簡素化・迅速化等のメリットや目的、ベネフィット、ブラジルAEOモデル、120社のAEO認定、通関手続きの簡素化。通関業務フロー、通関エフィシエンシー、SISCOMEXなどについて説明した。

ビジネス環境整備および今後のビジネス機会セッションでは、カルロス・エドゥアルド・アビジャウディ CNI産業開発部長がモデレーターを務め、カルロス・エドゥアルド・アビジャウディ CNI産業開発部長は、「ブラジルの輸出加工特区EPZ(export processing zone)の投資チャンス」と題して、輸出加工特区EPZのコンセプト、国内マーケット向けの工業製品税(IPI)、社会統合基金 ( PIS)/公務員厚生年金(PAES)、社会保険融資納付金(COFINS)の免税、海外市場向け輸入税(II)、輸入税(II)、工業製品税(IPI)、社会統合基金(PIS)、社会保険融資負担金(COFINS)、商船隊更新追加税(AFRMM)の免税、20年間の長期契約並びに再度20年間の契約延長ベネフィットを説明。

現在のブラジル国内の輸出加工特区は17州に19カ所、特にアクレー州並びにピアウイ州、セアラー州にそれぞれ4カ所、セアラー州ペセン港湾EPZのポテンシャル、54億ドル投資で韓国企業との合弁のペセン製鉄所(Companhia Siderurgica do Pecem, CSP)、食品加工業やセラミック、繊維セクターが有望、整備されている港湾インフラ、ピアウイ州パルナイーバEPZは、農業ニューフロンティアのマトピバ地域の穀物や熱帯フルーツの加工及び輸出など将来性豊かな投資チャンスを紹介した。

セルソー・シモムラ トヨタ自動車ブラジルトヨタ副社長は、「ブラジル自動車業界の世界競争力を見据えて」と題して、強力な自動車政策の導入、ロジスティックエフィシエンシー改善、税制の簡素化。内的志向や保護貿易志向の遮断、メキシコとの自動車協定、自動車工業の競争力強化並びに自由貿易協定の促進、エコロジーカー輸入関税の軽減、テーメル政権による労働法改正並びに年金・恩給改革、税制改革などの構造改革の支援、電力料金やロディステックコストの引下、「INOVAR-AUTO」に替わる新しい自動車政策「Rota 2030 (Route 2030)」プログラムである新自動車政策と交通・物流推進について協議。日系自動車メーカーの新規事業などを紹介した。

ファブリジオ・パンツィーニ CNI国際渉外スペシャリストは、「日伯二重課税防止条約の再交渉」について、利益やロイヤリティ送金規制、契約の有効期限、人材派遣のサービスフィー、企業間ローン、ブラジルの租税条約ポリシー、二重課税防止条約締結の推移、経済協力開発機構(OECD)ガイドラインに従った二重課税防止条約の標準化などについて説明した。

サンドラ・リオス CINDESダイレクターは、「日伯貿易交渉‐経済関係改善チャンス」と題して、両国の貿易関係では2013年以降下降傾向で貿易額は輸出入とも縮小。ブラジルの輸出は、依然として第一次産品の農畜産及び鉱業が牽引。ブラジルの輸入品目では資本財や耐久消費財が牽引。トランプ次期米大統領が脱退を明言する環太平洋連携協定(TPP)並びに東南アジア諸国連合加盟10ヶ国に日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6ヶ国を含めた計16ヶ国でFTAを進める構想東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、ブラジルなどのメルコスールとのEPA提携の模索。ブラジル製品の日本市場への参入機会、特恵関税制度の見直しなどについて説明した。

粟屋 聡 ブラジル日本商工会議所専任理事・政策対話委員長は、「政策提言活動AGIR」について、¨AGIR¨とは、Action plan for Greater Investment Realizationの略で、ブラジル産業の国際競争力強化やブラジルコストの改善を目的とした政策提案を行なう活動。本活動は今年4年目を迎え、企業の経済活動に、より直接的に影響する「労働」・「課税」分野での政策提言に取組んでいる。 テーメル政権では、空港コンセッションでの「為替保証制度」導入など事業投資の阻害要因の解消へ向け、投資家の視点に立った試みが採択された。

本年度の活動の主軸の「本丸提言」として労働分野。今年7月の労働改正法13.467号の国会通過。1943年に制定された統一労働法CLTについて刷新。ブラジルのビジネス環境に適合する形への改定。「フレキシブルな労働時間」を始め、「休暇の分割取得」、「労働時間に含まれる通勤時間の基準見直し」など、同法改正には、我々が提言してきた項目と共通する内容が含まれている。一方で、今回の法改正に含まれていない提言については、ブラジル全国工業連盟CNIや連携団体との協力を維持しながら、規制緩和や労働法改正の提言活動を継続する。

同法改正で期待される効果として、労働訴訟件数の減少が挙げられる。 労働訴訟件数の増加には、判事や弁護士による解釈の開きからくる法的安定性の欠如が相関しており、改正法の施行後も運用面からの課題に注視していくことが重要。

現行の雇用制度では、企業成長率を上回る昇給率が、団体交渉を通じ、半ば強制的に課される仕組みとなっている。増え続ける人件費負担に対する企業努力も限界で、昇給の累積により一定の給与水準を超えた従業員を解雇する選択を迫られる。 安定的な雇用が守られないばかりか、経験やノウハウを身に付けた人材の損失は、企業の生産性や競争力を落とすことに繫がります。

AGIR活動では「安定雇用の実現」、「従業員のニーズやビジネス環境の変化に対応し得る柔軟な人事管理制度」を掲げている。今後の活動では、CNIの労働問題担当部門との連携を構築、政府当局の協力も賜りながら当会議所会員企業を対象としたセミナーを実施。 労働改正法や来年より施行開始予定のE-Socialへの対策を取上げ、積極的に議論を進める。

課税分野では「1.税制の簡素化・納税者の保護」、「2.ICMS制度の見直し」、「3.移転価格税制の国際標準化」の3つを課税分野での本丸提言としている。税制の簡素化・納税者の保護では、会議所では今年6月、353社の会員企業を対象にブラジル税制に関するアンケート調査を実施。

ICMS制度の抜本的改革として、ICMSクレジット残については、クレジットの移転や特別レジーム等を活用した解消策が講じられているが、申請手続きに掛かる煩雑な諸手続きは、納税者にとって負担となっている。本年度の活動では、相殺制度の実効性確保、実務上の問題点改善を求めるに留まらず、州間税率の統一という根本的改善策へも立ち向かっていく。

また、世界に類を見ないブラジルの「代行納税制度」についても見直しを求めていく。本制度は、規定の付加価値額について一括納付が義務付けられ、代行納税者に偏った負担を強いられ、代行納税者は製造業者であることが多く、昨今の経済環境にて苦境を強いられる中、各企業に与えるキャッシュフローへの影響は勿論の事、雇用基盤を支える同産業へのインパクトが危惧されている。

電子財務記録(Nota Fiscal Eletrônico)に始まり、Arquivo XMLやBloco K等が導入され、この10年で納税者を巡る環境も大きく変化。現在、ブラジルに必要とされるのは、誠実に経済活動を行う企業を応援する公平な税制度。代行納税制度を廃止し、各流通段階における付加価値に応じた累積排除型の納税制度への移行を要請する。

移転価格税制の国際標準化では、OECDガイドラインに準拠した移転価格税制を導入させる。5月ブラジルはOECD加盟の意向を正式表明。AGIR活動では、加盟へ向けた歩みの中、同機関が推奨のガイドラインに準拠した移転価格税制をブラジルでも導入を後押しする。

今年3月、ブラジル財務省国際課を訪問、政策対話を実施。AGIR活動開始以降第5回目となる政策対話において、財務省、及び国税局との意見交換会は初めての対話チャンネルとなった。また州政府が管轄となるICMS税にいては、適切なカウンターパートの選択と、対話チャンネルの構築、実務者間協議の機会を増やし、今年後期にはサンパウロ州税局の協力を受け、当会議所会員企業向けにセミナーを開催予定。 AGIR活動開始以降これまでも、CNI とは密な連携体制を維持。政策対話委員会では、下部組織として各専門分野について議論をするワーキンググループを設けている。 

進出日系企業としての立場のみでなく、ブラジル企業の一員として、これらの重要課題についての政策提言に取組み、所謂「ブラジルコスト」改善による産業競争力強化、そして日伯間のビジネス機会の拡大に結び付けていきたいと結んだ。

産業戦略及び政策セッションでは、椋田哲史 経団連専務理事がモデレーターを務め、初めにクラウディオ・リール 経済社会開発銀行(BNDES)産業サービスユニット 監査役は、「製造業部門への支援」と題して、経済社会開発銀行(BNDES)のミッション、組織、ビジョン、ヴァリュー。クレジットオペレーションとポリシー。パーフォーマンスとファイナンシャルデーターの推移、内訳。2018年から2022年までのアクションプラン、IoTやManufacturing4.0、スマートシティ、ヘルスケアなどのプライオリティなどについて説明した。

ジョアン・エミリオ・ゴンサルベス CNI産業政策エグゼクティブマネージャーは、「製造業部門の生産性改善とデジタル化」について、ブラジルの製造業部門の生産性推移、生産性改善のためのキーコンセプト、2014年から2016年のパイロットプログラムの概要、「第4次産業革命」と呼ばれるIndustry4.0のコンセプト、ネクストステップ、ニューパラディグマCNIのIndustry4.0テクノロジーの取組などについて紹介した。

久木田信哉 日本電気主席技師長は、「Society 5.0のチャレンジ」と題して、初めに日本電気の沿革、歴史、事業内容などを紹介。デジタルエコノミーのインフラ構築、世界の第4次産業革命の潮流の中で、ドイツの「Industrie4.0」も包含する日本の新しい成長モデルとなりうる「Society 5.0」を推進して、「未来創造モデル」を構築。ビッグデーター並びにIoT、AI、サイバーセキュリティをすべて包括するSociety 5.0の可能性などについて説明した。

江川和宏 新日鐵住金常務執行役員は、同社は1950年代からブラジルの国策事業であるウジミナス製鉄所建設に従事してブラジル産業の発展の貢献。過去2年間マイナス成長のブラジルの今年のGDP伸び率はプラスに転じると予想。一人当たりの鋼材消費量は年平均116キロと世界平均の500キロを大幅に下回った。同社の特許は世界70カ国に2万7,000件を保有。世界サプライネットワーク、ブラジル国内の事業拠点、ウジミナス製鉄所の歴史、Termium社との共同経営課題、ブラジルと日本のビジネス強化EPA締結によるビジネス環境改善などについて説明した。

8月29日の農業及びインフラ整備セッションでは、大前孝雄 経団連日本ブラジル経済委員会企画部会長がモデレーターを務め、初めに前回の日本ブラジル経済合同委員会での同セッションの総括説明として、ロジスティックインフラ整備を優先課題、昨年9月のブラジル政府によるPPIプロジェクト発表、今年4月の賢人会や第3回食料対話でも農業関連輸送インフラが課題となった。日本企業によるインフラ投資案件が増加してきたが、穀物輸送インフラや都市交通インフラ整備の重要性や官民間でのリスク分担など再度問題点の洗い流しをして、ブラジル政府の支援・理解を求めたいと説明した。

エンリケ・アマランテ・ピント 大統領府PPI担当は、「投資パートナーシッププログラム PPI」と題して、ミッシェル・テーメル大統領は、2016年9月にインフラ事業の更なる民営化を目的とした投資パートナーシッププログラム(PPI-Programa de Parcerias de Investimentos)を発表、146プロジェクトで総額239億レアルの投資。空港4カ所、港湾ターミナル7カ所、電力エネルギー発電や配電。。97プロジェクトが入札公示準備。国内線のハブ空港であるサンパウロ市内のコンゴニアス空港や造幣公社、電力エネルギー、道路、港湾など57民営化プロジェクトを発表。ロジスティック国家プロジェクト(PNL)などについて説明した。

ジョナス農務省農業関連国際関連局担当は、「ブラジルのアグロビジネス」と題して、ブラジル農業は潜在的ポテンシャルが非常に大きく、砂糖ならびにコーヒー豆、オレンジジュースの生産並びに輸出は世界1位。大豆生産は世界2位で輸出は世界トップ。また人口が2億人を突破するドメスティックマーケットが非常に重要。飛躍的に農産物の生産性が飛躍したために新規耕地面積の拡大は最小限で可能。国土面積の61%は未耕地。2013年から2015年のブラジルへの対内直接投資は、ヨーロッパ連合並びに米国、中国、香港に次いで5位。輸送インフラ整備部門への投資として道路の北部回廊ではマデイラ軸、タパジョー軸、北東部回廊としてサルバドール軸、サンルイス軸、南東部回廊としてサントス軸、ヴィトリア軸、南部回廊としてパラナグア軸、リオ・グランデ軸で大半がトラック輸送に依存。PPIプロジェクトの鉄道建設プロジェクト、穀物保存のPCAプロジェクトなどについて説明した。

土屋信司 三井物産執行役員 /ブラジル三井物産社長は、「鉄道輸送と都市交通インフラ整備」について、三井物産のブラジル国内のアグリビジネスとして、Multigrain社やXINGU社、SLC-MIT社の事業内容、マトピバ地域における日本企業の事業内容、ブラジル資源大手ヴァーレ子会社で一般貨物輸送事業を運営するVLI社に出資して北部地域の輸送事業に参画。穀物生産のニューフロンティアのマトピバ地域のポテンシャルやイタキ港湾の拡大について説明。

また官民パートナーシップによるインフラ整備プロジェクトに関する提言として、プロジェクト開始前の長期クレジット契約。ラヴァ・ジャット汚職問題影響で社会経済開発銀行(BNDES)のクレジット停止によるサンパウロ地下鉄6号線のプロジェクト中断などを避けるためのコンプライアンスリスク関連の法規整備、社会経済開発銀行(BNDES)の今後の役割の確認。またSuperに関するリオ州政府への財政支援などについても説明した。

続いて植田真五 三菱重工業執行役員フェロー・南米総代表兼伯国三菱重工業社長は、「都市交通システム」について、初めに三菱クループの沿革、事業内容ではパワーシステム、化学プラント、造船、手章夫、航空機、宇宙空間システムなどを紹介。ブラジル国内ではジュンジアイ市並びにピラシカーバ市の製造工場の製品説明。

ブラジル・サンパウロ地下鉄6号線の建設・運営事業体から全自動無人運転の鉄道システム建設プロジェクトを受注。本プロジェクトは、土木・建築工事とシステム一括を含むブラジル初の本格的鉄道PPP(Public Private Partnership)方式。土木・建築工事を担当する現地ゼネコン連合とコンソーシアムを組み、全自動無人運転鉄道システムの信号、通信、電力、架線、車両検修設備、プラットフォームドア、トンネルベンチレーションにわたる各システムの設計・調達・据付・試運転を担当しているが、ラヴァ・ジャット汚職問題影響でサンパウロ地下鉄6号線工事が中断。しかし工事に従事していた優秀なエンジニアへの継続した雇用維持などについて説明。

ブラジル政府への提言として、プロジェクトの入札では、コスト評価の比重が非常に大きく、日本の比類ないハイテクノロジーの正当な評価。また為替リスク、煩雑で高い税率の軽減を説明した。

モデレーターの大前孝雄 経団連日本ブラジル経済委員会企画部会長は、総括の提言では、PPPプロジェクト完工するための入札前の長期融資確保、新規投資家に対するコンプライアンス法規整備、社会経済開発銀行(BNDES)による適切なファイナンス導入などについて説明した。

天然資源およびエネルギー(環境関連)セッションのモデレーターは、ロベルト・ロドリゲス元農務大臣が務め、初めにエドゥアルド・レオン・ド・スーザ UNICAエグゼクティブダイレクターは、「天然資源とエネルギー」と題して、ブラジル国内の砂糖・エタノール業界のポテンシャルとして、業界雇用は84万人、年間売り上げは400億ドル、世界2位の生産と世界貿易の20%のシェア、ブラジルの再生可能エネルギーの電力エネルギーに占めるシェアは、世界平均の14%を大幅に上回る44%。ブラジル国内の20自動車メーカー販売の200機種はフレックス車対応。砂糖栽培は南東部地域並びに北東部地域に集中してアマゾン熱帯雨林から2000キロメートル以上遠距離での栽培。技術革新によるエタノール栽培の生産性向上、日本とブラジルの第2世代エタノール技術協力について説明した。

釡 和明 IHI相談役は、南大河州にはブラジルの石炭の90%以上の埋蔵量があり、日本のハイテク技術による環境に配慮した石炭ガス化複合発電事業は大きなビジネスチャンス、ブラジルの低品質石炭の活用メリット、火力発電所の近代化政策、日本の技術協力とファイナンス、エフィシエンシー向上、経済効果分析、プロジェクトスキームなどについて説明した。

林 信光 国際協力銀行代表取締役専務取締役は、「天然資源開発向けファイナンス」について、国際協力銀行の天然資源開発向けファイナンスサポートスキーム、690億ドルに達する過去10年間の世界の天然資源開発向けファイナンス、ラテンアメリカ向けは20億ドル、そのうちブラジルは37%に相当する120億ドル、ブラジル国内向け鉱山開発や紙・パルプのセニブラ拡張、石油・天然ガス向けファイナンスではプレソルト油田、アマゾナス州ウルク天然ガス油田やFPSO向けファイナンス、代替え燃料エネルギー開発、46億ドルに達するグリーンファシリティファイナンスなどについて説明した。

閉会セッションでは、ホブソン・ブラガ・ド・アンドラーデ ブラジル全国工業連盟(CNI)会長は、日伯パートナーの重要性を再確認、2018年7月に東京で第21回合同会議開催を説明、エドソン・カンパニョーロ パラナ州工業連盟会長は、今回の合同会議には513人が登録して記録更新、ブラジルは現在ラヴァ・ジャット汚職問題で、政治・経済で過渡期にあるが必ず克服できる。ブラジルが海外投資家にとって安全な港を意味するPorto Seguroになるようにサポートしたいと述べた。

続いて飯島彰己 日本ブラジル経済委員長は、今回の合同会議では素晴らしい議論ができた。労働法改正、経済リセッションからの回復、アベノミクス紹介、ブラジルコスト削減やビジネス環境整備の提案、日本・メルコスールEPAの重要性のアップデート、AGIR活動報告、穀物インフラの重要性など今後も議論の継続を確認。来年7月の東京での再会を約束した。

山田 彰 駐ブラジル日本国大使は、非常に貴重な意見が聞けた。ブラジルは過去2年間マイナス成長であったが、経済回復の兆しが出てきた。新たな発展に向けて痛みを伴う構造改革を進めて、ブラジルの潜在ポテンシャルがさらに強化する。今後もビジネス環境整備で大いに意見交換してほしい。パラナ州工業連盟での会議は素晴らしかった。再度パラナ州を訪問したいと述べ、ホブソン全国工業連盟(CNI)会長から記念品が贈呈された。

 

 

 

Governadora em exercício, Cida Borghetti, durante a abertura da 20ª Reunião Conjunta do Comitê de Cooperação Econômica Brasil-Japão, nesta segunda-feira (28), em Curitiba. Curitiba, 28/08/2017. 
(Foto: Orlando Kissner/ANPr)

 

山田彰在ブラジル日本国特命全権大使歓迎会

2017年7月25日夜、ブラジル日本文化福祉協会貴賓室で山田彰在ブラジル日本国特命全権大使歓迎会が開催された。商工会議所会員20人余りも含む130が参加。

共催者である日系主要5団体からはブラジル日本文化福祉協会の呉屋春美会長、サンパウロ援護協会の与儀昭雄会長、ブラジル日本都道府県人連合会の山田康夫会長、日伯文化連盟の大城幸夫会長、商工会議所からは松永愛一郎会頭が出席。。

来賓として在サンパウロ総領事館のの関口ひとみ首席領事、国際協力機構(JICA)サンパウロ事務所の佐藤洋史次長、ジェトロサンパウロ事務所の大久保敦所長、国際交流基金サンパウロ日本文化センターの洲崎勝所長が参加した。

当所からは松永会頭、平田藤義事務局長のほか、ANA、Banco Mizuho do Brasil、Banco Sumitomo Mitsui Brasileiro、Daikin、Epson、Fujifilm、Hitachi、Jijipress、Mitsubishi Electric、NEC Latin America、Nippon Steel & Sumitomo Metal、Yakult等、多くの会員企業代表者らが参加した。

Fotos: JIRO MOCHIZUKI

スピーチをする山田大使

来賓と記念撮影

山田大使(左)と松永会頭(右)

 

産業競争力強化・中小企業育成WGの会合を開催

2017年8月25日(金)、産業競争力強化・中小企業育成WG(竹内パウロWG長)の会合を会議所図書室で開催した。

会合では、JICAシニアボランティアの人材育成事業への活用の可能性、9月に開催を予定している人材育成に関するセミナー、日伯経済合同委員会及び日伯貿易投資委員会会合の概要説明、またROTA2030の施策進捗などについて情報と意見の交換が行われた。

参加者は、竹内パウロWG長(ホンダサウスアメリカ)、フェリペ・バルボザメンバー(ホンダサウスアメリカ)、村松明メンバー(アイシン)、奥野直樹メンバー(デンソーブラジル)、広瀬大輔メンバー(トヨタブラジル)、佐藤洋史メンバー(JICA)、佐久間太郎政策対話副委員長(双日ブラジル)、山本裕也政策対話委員(ジェトロサンパウロ)、岩瀬恵一氏(ジェトロサンパウロ)、事務局から平田藤義事務局長、吉田章則調査員、近藤アシスタント。