全伯会議所連携強化委員会がアマゾナス日系商工会議所との意見交換会を開催

全伯会議所連携強化委員会(富島 寛委員長、ブラジル住友商事)は、同委員会の副委員長である寺本将人氏(ブラジル住友商事)を代表に、2016年6月8日、9日にマナウスを訪問し、アマゾナス日系商工会議所との意見交換会、懇親会、そしてモトホンダダアマゾニア社の工場見学を行なった。

意見交換会の中で、寺本副委員長は、この委員会は全伯の商工会議所との連携を深めたり、日系企業が抱える共通の課題をまとめていく為に今年新たに設立された委員会で、アマゾナス日系商工会議所との交流会が第一号になると説明した。

この意見交換会では、政策対話委員会の行なっている活動が経済産業省からの補助金を活用していることから日本から進出するブラジル全土の日系企業と共有できるような活動にしていきたいと話した。

牛田肇アマゾナス日系商工会議所会頭は、毎年行なっているアンケート調査で会員企業が抱えている問題について、経済の悪化やレアル安を指摘する企業が多かったと説明した。また、マナウス工業団地での日系企業の貢献度は売上高で約20%、そして従業員数も約20%と大きいことを述べながらブラジル政府に政策提言をしていると説明し、今年3月に行なわれた州知事及びマナウス・フリーゾーン監督庁長官との会談では、工業製品の輸出施策の充実、ICMSインセンティブの現状維持、道路などのインフラ整備の向上などを提言したと述べた。

その後、政策対話委員会の天谷アドバイザーよりAGIR活動の説明が行なわれ、ざっくばらんな意見交換へ移った。参加者からは、自由競争を妨げるローカルコンテンツ規制で、部品の輸入制限、競争原理がなく部品メーカーが育たない、政府の税の恩典の複雑さ、競争原理がなく港での保税倉庫のコストが高などの意見が出された。司会進行は、平田藤義事務局長と半田律子事務局長の間でまとめられた。次の日の9日の午前中には、モトホンダの工場訪問を行い、経済状況や生産状況、部品の内製化のための設備投資などの説明を受け、生産現場を見学した。

意見交換会の参加者は、アマゾナス日系商工会議所から牛田肇会頭(ソニー)、鮎川弘副会頭(パナソニック)、緒方正巳副会頭代理(モトホンダ)、中森幸助理事(キャノン)、原島圭一氏(日本通運)、半田律子事務局長、ブラジル日本商工会議所から寺本全伯会議所連携強化副委員長、平田事務局長、天谷アドバイザー、吉田調査員

政策対話委員会に7人が参加して開催

政策対話委員会(松永愛一郎委員長)は2016年6月7日3時半から7人が参加して開催された。

今までのAGIR活動の近況報告、特に優先5項目についてのMDICとの政策対話の進捗状況の説明が行なわれた後、課税や労働を含めた本丸項目についての政策対話への取り組み方への議論が行なわれた。また、梅田大使へのAGIR進捗報告会や今月末に予定されている下院公聴会でのAGIR活動の説明について意見交換が行なわれた。

参加者は、松永委員長、櫻井副委員長、矢部副委員長、森下委員、平田事務局長、天谷アドバイザー、吉田調査員

2016年第1四半期の業務・会計監査を実施

2016年第1四半期の業務・会計監査が2016年6月2日正午から午後1時30分まで監事会からカロリーナ・サカマ監事会議長 (PwC)、横路 史生監事(大和証券)、ウーゴ・アマノ監事(BDO Brazil)、財務委員会から深井 泰雄委員長(ブラジルみずほ銀行)、 大渕 彰規副委員長(丸紅ブラジル) 、廣瀬 量哉副委員長(ブラジルみずほ銀行)が参加して開催。

初めに平田 藤義事務局長から2016年第1四半期の財務諸表とその詳細について説明、それに対する監事会側からの質問やアドバイスなど受けた。最後に監事会は「2016年の第1四半期の会議所の業務の遂行と会計処理は適正であったこと」を承認。

監事会は慣例に従い各四半期を締めた後3ヶ月おきに開催され、事務局からは平田 藤義事務局長、日下野成次総務担当、エレーナ ウエダ会計担当が参加した。

MIURA BOILER DO BRASILがジュンジアイ市に工場をオープン

三浦工業株式会社(宮内大介 代表取締役社長執行役員)は世界7番目の工場MIURA BOILER DO BRASIL LTDA.(渡邊 力社長)をサンパウロ州ジュンジアイ市にオープンした。

日本のボイラのトップメーカーに成長した三浦工業は韓国、中国、台湾などアジア以外に北米や欧州にも展開している。2012年に設立したMIURA BOILER DO BRASILは世界で7番目の工場だ。

渡邊社長はジュンジアイ市に工場を設立して以来、竣工に至るまでの経緯や量産に漕ぎつけた自信作LX-300SG型ボイラをお披露目しながら同社の業容や社是について紹介。

宮内本社代表取締役社長は何故ジュンジアイなのか?を説明、「世界のお客様に省エネルギーと環境保全でお役に立つという経営理念を掲げ、廉くて良いボイラを世界中にお届けしたい!2億人超の人口を擁するブラジル社会に貢献したい!!」と強いメッセージを述べた。

竣工式には同市のPedro Bigardi市長をはじめMarcelo経済開発科学技術局長、Gilson工業促進部長、Mauritiusサンパウロ州工業センター(CIESP)のジュンジアイ支部理事長や顧客(会議所会員企業含む)、サプライヤー、銀行関係およびマスコミ関係者など約100名超が参加した。

テープカット、目出度い和太鼓ショーに続き両国家斉唱後、渡邊社長が業容説明、続いてPedro市長、平田事務局長が祝辞を述べ、宮内本社代表取締役社長が挨拶、鏡開きでは越智 康夫常務取締役兼常務執行役員(米州事業本部長、ミウラアメリカ株式会社 会長、ミウラインターナショナルアメリカス株式会社 社長)が乾杯の音頭を執った。

以下、平田事務局長の祝辞:
本日の竣工式に駆けつけられた宮内本社代表取締役社長様をはじめご来賓の皆様またご臨席の皆様、本日は心から本当におめでとうございます。

小型貫流ボイラにおいて圧倒的なシェアを誇る三浦ボイラ様は今から4年程前、ブラジルに於ける入念な市場調査を終えられた頃でしょうか、2012年に当会議所にご入会されました。

あれから約4年が経過しましたが、ブラジルは政治・経済・モラル・ジカ熱感染症の4重苦の未曾有な危機に瀕している最中にも拘わらず、この度めでたく製造販売に漕ぎつけられました。

この様な歴史的な危機をむしろチャンスと捉えられた三浦ボイラ様の経営判断と大胆な行動力は、多くの投資家の模範例ではないかと思い、あらためて敬意を表する次第です。

戦略・戦術論に於いて良く耳に目にする「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という孫子の格言があります。適切な引用かどうかはさておき、つい最近、MIURA AMERICA CO,LTDの越智康夫CEO様並びにMIURA BOILER DO BRASILの渡邊 力(つとむ)社長様が会議所をご訪問され、今日までの同社の経緯について詳しくご説明頂き、この故事を心して強く思い浮かべました。

設立から僅か4年、今日までの沿革を拝見しますと人材の採用に始まり、輸入販売の許認可、建屋建設、ボイラの命と言える水分析ラボの設置および水分析の開始、サンパウロ工業連盟など色々な関係団体へ積極的に加入、委託製造開始、部品の現地調達、ボイラ取り扱い許認可取得、FIESP主催の省エネ・環境負荷低減への優秀レポートにミウラボイラを導入した事例を発表したJohnson&Johnson社が選出される等々、蒸気ボイラLX-300SG型の試作機を完成するまで、全社総力を挙げ実に様々な事を成し遂げられています。

また自社製品を地域別・業種別のどの顧客へどれだけ納入されたか、その実績や何処にどれだけの同業他社が存在し、その顧客は誰なのか?さらに将来を見通され業種ごとのターゲットとする顧客は何処のどの企業なのか、実に戦略性に富み明確に記述されています。

さらに又、今直面しているブラジル経済の低迷を潮目に、2億人超の人口と世界第5位の労働力人口を誇るブラジルは、色々な業種業界において、徐々に景気回復が進めば蒸気ボイラの増設・入替え需要が見込める等とブラジルの潜在的なポテンシャルを信じ、果敢にチャレンジされている様子が伺えます。

1959年のZボイラの開発に始まったミウラの歴史、全社一丸となってお客様に役立つモノづくりに挑戦し、今では日本のボイラのトップメーカーにまで成長され、ブラジルでもそのDNAが確実に受け継がれているように思えます。

『世界のお客様に省エネルギーと環境保全でお役に立つ』というミッションのもと、ブラジルで『技術力(開発・製造)』『営業・販売力』『メンテナンス力』、三位一体の独自のビジネスモデルでミウラのコンパクトボイラシステムがブラジルのスタンダードとなる日を目指し、さらに挑戦し続けるMIURA BOILER DO BRASIL様の今後の益々のご活躍とご発展を心からお祈りいたしまして私の祝辞とさせて頂きます。

Por último, gostaria de pedir um grande favor ao Senhor Prefeito. Tenho certeza de que a Miura Boiler crescerá ainda mais e se tornará em uma empresa top não só no Brasil, mas no mundo, da qual Jundiaí irá se orgulhar no futuro. Espero poder contar com o contínuo apoio da Vossa Excelência para esta empresa que contribuirá enormemente para o país, principalmente na geração de empregos, atualmente um grande desafio para os níveis federal, estadual e municipal.     

(最後に市長様に1件お願いが御座います。このミウラボイラ様はやがてブラジルのみならず世界でも必ずジュンジアイ市が誇りとするトップメーカーに成長致します。今、ブラジルの連邦、州、市レベルで特に問題になっている雇用面でも大きく貢献される企業でありますので、引き続きご支援の程、重ねて宜しくお願い申し上げます。)

Tsutomu Watanabe (diretor-presidente da Miura Boiler do Brasil Ltda.), Daisuke Miyauchi (presidente global da Miura Co., Ltd.), Pedro Bigardi (prefeito de Jundiaí-SP) e Yasuo Ochi (diretor-executivo, Sede de Negócios Americanos, da Miura Co., Ltd.), no descerramento da fita (Foto: Paulo Grégio)

第6回マーケット情報配信サービスの金融セミナー開催

金融部会(井上 秀司部会長)主催の第6回マーケット情報配信サービスのビデオコンファレンスセミナーは、2016年5月24日午後4時から4時30分過ぎまでブラジル三菱東京UFJ銀行会議室から放送、同セミナーには15人が参加、講師にブラジル三菱東京UFJ銀行の金子潤二氏を迎えて、 テーマ「ブラジルマクロ経済見通しと新政権概要」と題して講演、参加者には事前に金子講師が作成したPDF資料を配布した。

初めに講師の金子潤二氏は、2014年から財政プライマリー収支の赤字化、景気後退による2015年の税収の落ち込み、消費者物価指数の動向、雇用減少と失業率の増加、消費者景況感悪化と需要低迷、景気回復へのシナリオ、公的債務のGDP比率の上昇並びにカントリーリスク上昇、ジウマ大統領罷免採決並びに180日間の停職、テメル暫定政権の誕生、メイレーレス財務・社会保障相の経済班への期待、テメル暫定政権の政策、新主要閣僚の経歴、ラヴァ・ジャット作戦の汚職捜査妨害計画についてのロメロ・ジュカ企画・予算管理相の音声録音暴露による暫定的な公務からの撤退、今後の政策見通し並びに注目点などについて説明、また新政府のリスクに関する質疑応答なども行われた。

5月の懇親昼食会に200人が参加して開催

5月の懇親昼食会は、2016年5月20日正午から午後2時までチボリホテルに200人が参加して開催、進行役は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストの福嶌 教輝 在アルゼンチン日本国大使館特命全権大使を紹介した。

初めに村田俊典会頭は、4月25日にブラジリアで開催されたメルコスール大使会議に平田事務長と共に出席、メルコスール諸国大使と流動的な域内政治経済の諸問題について意見交換、また日伯交流委員会活動報告として、8月10日の日本対スエーデンのオリンピックサッカー試合のパブリックビューや広告バナー、定価170レアルで予約開始した「現代ブラジル事典」、第4回政策対話委員会とブラジル商工省とのブラジル自動車サプライヤー育成並びにドローバック制度改善、6月の下院公聴会への出席予定などについて説明した。

商工会議所の顧問弁護士である佐伯ジョージ弁護士は、佐伯弁護士事務所の住所移転について説明、市川利雄 県連副会長は、県連主催の『第19回日本祭り』出展ブースの紹介、呉屋晴美 文協会長は、文協主催の『第10回文化祭り』の紹介、ベッチ・ポンテ NEOJIBAディレクターはブラジル三井物産基金支援プロジェクト『NEOJIBA』について、音楽活動を通した社会貢献プログラムとして、ブラジル北東部バイーア州における青少年の音楽教育プログラムで、貧困層の子どもたちが参加できる子どもオーケストラを設立、その活動を通して子どもたちの自己実現の場の拡充推進などについて説明した。

佐藤 卓夫 在サンパウロ日本国領事は、外国青年招致事業JET(The Japan Exchange and Teaching Programme)について、外務省並びに文部科学省,総務省の協力のもと,地方公共団体が諸外国の若者を特別職の地方公務員として任用し,日本全国の小学校,中学校や高校で外国語やスポーツなどを教えたり,地方公共団体で国際交流のために働いたりする機会を提供する事業であり、過去20年間で100人が研修、サンパウロ管内から24人が研修していることなどを紹介、OB 会長のCristina Izumi Sagara 女史は、都市開発計画を岩手県盛岡市で研修、ポルトガル語および日本語が流暢に話せるOB 採用を要請、またClécio Donizete Lima OBは、東京大学で博士号を取得、日本に13年間生活後にブラジルで通信教育の会社を設立したことなどを紹介した。

トヨタのエジソン・ナリマツ セールスプランニング ジェネラルマネージャーは「メリット満載で購入が容易となったハイブリッド車」について、IPVA税が50%減税される特典、ラインナップの整ったハイブリッド車、サンパウロ市内の店舗ネットワーク、日本語・ポルトガル語・英語による窓口相談などについて説明、ジェトロサンパウロ事務所の大久保敦所長は、7月12日から15日にかけてアルゼンチン・インフラミッションについて、マクリ新政権のもと、今まで投資停滞による老朽化したインフラ設備更新政策を掲げているアルゼンチン政府の事業展開向けミッションは、マクリ大統領や政府高官との意見交換会への参加を説明した。

着任挨拶で伊藤忠ブラジルの今井重利氏は4月11日に着任、中南米ブロック担当、商工会議所では貿易部会長に就任、バックグランドとして鉄鉱石などの資源でオーストラリアのパースに駐在していたと説明、丸紅ブラジルの藏掛 忠明氏は5月10日に着任、日伯法律委員長を担当、長年、航空関係のビジネスに従事していたと説明、JAPAN BANK FOR INTERNATIONAL COOPERATION (JBIC)の櫛引 智雄 首席駐在員は、ブラジルは通算3回目の勤務で前回は2005年から2008年までリオ勤務していたと説明した。

日本光電の栗田秀一社長はブラジルには4年間勤務、国家衛生監督庁(Anvisa)問題などビジネス障害で困惑していたが、メディカル分科会設立で多くのビジネス障害が除去できたとお礼を述べたい、特に平田事務局長の尽力にお礼を述べた。後任の市川幸太郎社長は栗田前社長のおかげで順調に営業ができていると説明、平田事務局長は2013年10月にメディカル分科会を立ち上げ、いろいろな問題を解決、400人が参加したメディカルセミナー開催で修好120周年を祝うことができた。メディカル分科会設立の立役者の一人である栗田社長に拍手をお願いしますと参加者の要請、最後に新入会員紹介ではT. IWAYAMA CONSULTORIA EMPRESARIAL EIRELLI-EPP の岩山 明朗社長は、日本生まれでブラジル育ち、ブラジルに58年住んでいる。41年間のサラリーマン人生の大半はインフラ関連事業に従事、退職後の3か月間は魚釣り三昧、家では料理シェフ、今後はコンサルタント会社を設立してブラジルのインフラ案件をサポートしたいと述べ、村田会頭から会員証が贈られた。

村田会頭が特別ゲストの福嶌 教輝 在アルゼンチン日本国大使館特命全権大使の略歴、サンパウロ総領事館の総領事時代には日系コロニア関連の153カ所を訪問、2015年からアルゼンチンに大使として着任していると紹介、福嶌 大使は「アルゼンチンの現状と見通し 新政権発足と今後の課題」と題して、最近のアルゼンチン情勢として、マクリ大統領の政権発足前後の内政、外交、経済の比較、新政権は他勢力と関係構築で一応「統治」可能、議会勢力図、州知事との関係、最近の議会を巡る情勢、ホールドアウト債権者への支払いを可能にする法案等可決の審議、最近のアルゼンチン外交情勢として、外交の脱イデオロギー化外交のリバランス・全方位外交の展開、より開放的なメルコスールを通じて他の経済圏との関係強化、オバマ米大統領のアルゼンチン訪問によるアルゼンチンと米国の通商と投資に関する枠組み合意、4月初めに核セキュリティ・サミット出席のためワシントンを訪問した安倍総理大臣は、マクリ・アルゼンチン大統領と首脳会談を実施、短期的には矢継ぎ早の経済改革で足枷除去に成功、中長期的にはマクロ不均衡是正と投資呼び込みが鍵、長年アルゼンチンを苦しめてきたホールドアウト問題が解決、ホールドアウト後のカントリーリスクや外貨準備高、ドル・ペソ為替レート、金融指標の推移、今後の海外投資家からの対内直接投資、原子力発電所や風力発電所、都市交通関連などの最近の中国からの投融資案件、アルゼンチンのマクロ経済政策の過去と現在・未来などについて講演、村田会頭から記念プレートが渡された。

Pdf

福嶌大使プレゼン資料  アルゼンチンの現状と見通し(サンパウロ)20150518(ダウンロードに多少時間がかかります)

講演中の福嶌 教輝 在アルゼンチン日本国大使館特命全権大使

福嶌 教輝 在アルゼンチン日本国大使館特命全権大使の講演の様子

「会頭挨拶」で会議所活動を報告する村田会頭

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

5月の労働問題研究会に30人が参加して開催

企業経営・地場企業推進委員会(鈴木ワグネル委員長)の労働問題研究会は、2016年5月19 日午後4時から6時過ぎまで30人が参加して開催、司会はリカルド佐々木副委員長が務め、Abe, Guimarães e Rocha Neto Advogadosのプリシーラ・モレイラ シニア弁護士は、「新法令13271号/2016-企業内における従業員に対する個人(所有物)検査の禁止」と題して、所持品検査が適法であるためには
①所持品検査を必要とする合理的理由があること
②検査の方法が一般的に妥当な方法と程度で行なわれること
③制度として従業員に対して画一的に実施されること
④就業規則他、明示の根拠に基づいて行なわれること
とされており、これらを満たしていれば所持品検査は一概に違法ではないが、裁判所ではは従業員の基本的人権の侵害を重視しているので、一般的にはメリットよりもデメリットの方が大きいので実施しない方が無難なことなどを説明した。

BDO RCS Auditores Independentes S.S.)のアドリアノ・コレア パートナーは、「サイバーセキュリティーについて」と題して、サイバーセキュリティー攻撃は、知的財産権や機密情報を狙いすました攻撃、抗議・デモを目的としたWebの書換えなどで攻撃目的は多様であり、Webサーバやネットワークやアプリケーションなどの脆弱性を狙うものもしくは、“なりすまし”で隙を狙うものなど、攻撃手法も様々で次から次へと形をかえて高度化しており、企業・組織においてサイバー攻撃への対策範囲はより広範囲となる一方で攻撃被害が発生すると法人企業の「機密情報」もしくは「信用」などが奪われ、業務停止や売上減少などの損失に結び付くために、それに対する多層防御対策について説明した。

Abe, Guimarães e Rocha Neto Advogadosのプリシーラ・モレイラ シニア弁護士 「新法令13271号/2016-企業内における従業員に対する個人(所有物)検査の禁止」

BDO RCS Auditores Independentes S.S.)のアドリアノ・コレア パートナー 「サイバーセキュリティーについて」

Ricardo Sasaki (Ajinomoto do Brasil), Priscila Soeiro Moreira (Abe, Guimarães e Rocha Neto Advogados), Adriano Corrêa (BDO Brazil) e Fernando Seiji Mihara (Stüssi-Neves Advogados) (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

 

RI / CCIJB

AGIR第4回日伯政策対話

AGIR第4回日伯政策対話

日時: 2016年5月18日 (水) 午後3時~6時

場所: MICS – Ministério da Indústria, Comércio e Serviços (Esplanada dos Ministérios, Bloco J, Sala 622, Brasília – DF)

出席者
ブラジル側:MDIC/Margarete Gandini (SDP, Automotivo, Diretor), Renato Agostinho da Silva (SECEX, DECEX, Diretor), Luiz Miguel B. Falcão (SDP, Coordenador-geral), Maria Cristina Milani (SDP, Analista de Comércio Exterior), Ricardo Debiazi Zomer (SDP, Automotivo, Analista de Comércio Exterior), Pedro Henrique de A. Reckziegel (SDP, Automotivo, Analista de Comércio Exterior), Nazar Raad (SDP, Automotivo), Jomara de Carvalho Ribeiro (SDP, Analista de Comércio Exterior), Temístocles Lisandro Sena Loiola (SDP, Analista de Comércio Exterior), SEMPE/Flavio Martins Pimentel, ABDI/Simone Uderman (Especialista em Economia), APEX/Karina Bazuchi (Coordenador), SENAI/Mateus Simões de Freitas (Instituto de Inovação, Gerente), Tatiane S. Guimarães (Instituto de Inovação, Especialista), SINDIPECAS/Delile Guerra de Macedo Jr. (Assessor de Relações Governamentais)

日本側:在ブラジル日本大使館/小林和昭参事官、ブラジル日本商工会議所/パウロ・タケウチ産業競争力強化・中小企業育成WGグループ長(ホンダサウスアメリカ)、東崇徳労働WG副グループ長(ブラジルトヨタ)、広瀬大輔自動車部会副部会長代理(ブラジルトヨタ)、浜本香織副部会長代理(ブラジルトヨタ)、平野秀幸産業競争力強化・中小企業育成WG委員(ブラジルデンソー)、石丸卓産業競争力強化・中小企業育成WG委員(ジャイカブラジル)、栗原環産業競争力強化・中小企業育成WG委員(ジェトロサンパウロ)、天谷浩之アドバイザー、吉田章則調査員

 ブラジル側の開会挨拶を務めたルイス・ミゲル・ファルコン開発商工省自動車部門ダイレクター代理は、ブラジルの産業競争力強化と国内産業保護の兼ね合いについて、ブラジル政府が、国際的に競争力のある農務省や農業政策に比べて、開発商工省の産業政策に力を入れていないことは懸念していると述べた。また、ブラジルの裾野産業を国際競争力のある輸出企業に育てていくには、国内産業保護もあるが外資系企業からサポートは不可欠であるとした。そして、世界の経済大国と新しく貿易協定を結び、輸入関税の障壁を取り除くよう進めていきたいとした。また、AGIR提言にあるような制度の簡易化を含めたビジネス環境を整備していくことも、開発商工省の役目であると認識していると語った。

 日本側の代表を務めたパウロ・グループ長は、本日議論されるテーマは、民間企業が日々事業を行なう上で直面している課題を指摘しながら改善提案を行なっていると述べた。産業競争力強化には、官民で協力し、更なる制度改善にむけた継続した活動の重要性を伝えた。産業保護より、いかに産業競争力を強化していけるかという観点で、将来の展望を見据えながら、どう技術を伸ばしていけるのか、一緒に議論しながら問題解決に努めていきたいとした。また、全ての製品や産業機械を自由に貿易ということではなく、Ex-tarifarioリストのように、製品や機械を選びながら少しずつ規制緩和をしていくことも議題の一つになっていると語った。

 先ず始めにドローバック制度の議論が行なわれ、カマラより、部品の多い自動車は輸出をする際にどの部品を輸出したかを紐付けするのが難しく、制度を活用するためのシステム化を導入しても、この制度の事務処理だけに7-8人の従業員を要していると説明した。ドローバック制度の簡素化は、コスト削減や輸出拡大に繋がっていくと訴えた。また、ドローバック制度のオリエンテーションや説明会など、もっと制度の周知をしていくことも提案した。最後に、①企業登録制の導入、②輸出証明について一括申告方式の導入、③同一商品同一量の要件撤廃を提案した。これらの提案に関し、ブラジル自動車部品工業会(Sindipecas)代表者の賛同も得た。

 これに対し、レナト・ダイレクターは、ドローバック制度は、2008年以来簡易化の制度改善が進んでいると説明した。特に2014年~2015年にかけて、システム化が進み、管理の時間短縮が実現している。その一つとして、技術鑑定書(Laudo Técnico)の提出において、受託書(Ato Consecionario)毎ではなく、全く同じものを生産し輸出するのであれば、同じ技術鑑定書が何度も使えるように簡易化されているとした。また、輸入製品と輸出製品の製品毎の完全紐付けの緩和も行なわれ、まとめて申請できる融合性ドローバックが活用できるようになっており、輸入製品の代替が可能となり、在庫を分ける必要がなくなったと説明した。今後も制度改善を進めていくが、管理は今までどおり厳重にしていくのが政府の方針であると伝えた。また統計上、自動車部品産業のドローバックの活用率が低いことから、SINDIPECASとカマラと一緒に、融合性ドローバックや中間ドローバックに関する説明会等のイベントを開催することを提案した。

 次の議題である中古機械輸入規制に関しても、同じくレナト・ダイレクターより説明が行なわれた。この規制の目的は、海外からの中古輸入品と国内製造品の不適切な競争を除くこと。もう一つは、環境に関する点で、中古機械がゴミ捨て場としてブラジルに輸入されないようにしていると述べた。特に中古機械設備の輸入許可に関しては、不適切な競争を防ぐ為に、国内で製造していないかどうかを診断することが条件となっているとした。その手続きとしては、Consulta Publica(国民の意見聴取)を30日間行い、仕様書やカタログなどを提出することで、国内の製造業が国内生産類似品の声明をできるようになっている。その際の技術スペック診断は、ケースバイケースになっている。技術スタッフが全ての技術を把握できないので、輸入申請者が、いかにブラジルで製造できない中古機械設備であるかという証明をすることが影響すると説明した。生産ライン一式を輸入する場合は、プロジェクトの提出、一部製品の国内調達条件、ABIMAQなどの経済団体との合意が要求される。また、Ex-tarifarioリストにある設備の輸入に関しては、関税の恩典は得られないが、国内生産類似品の診断なしで輸入ができ、ある特定の設備に関しては、規制が緩和されている。また、中古機械輸入規制法令Portaria DECEX 8/91(DECEX法令規則第8号)が古く、法改正を検討する専門家チームが設立され、調査を始めているのでAGIRの様々な改善提案もこの調査の中に取り入れていきたいと述べた。

 カマラからは、中古機械や設備を輸入手続きの制度改善がはかられれば、ブラジルへの投資の機会が増えるとし、今後もブラジル政府と一緒に中古機械輸入制度の改善活動を続けていきたいと伝えた。

 次に、SENAIのマテウス・マネージャーからブラジル生産性向上計画(Brasil Mais Produtivo)についての説明が行なわれた。ブラジル全土で同じ品質を保ち、生産性を上げるため、特定の産業、特定の地域で活動していく計画で、400人の講師が120時間現場を訪問して、リーン生産方式の導入をはかり、生産性向上を目指す。最大の成果をあげるため、4つの地域集約型の産業(機械金属産業、食品飲料産業、繊維産業、家具産業)が選ばれ、地域経済効果も分析することになっている。この計画の中には、自動車部品産業に関わる機械金属産業が含まれており、サンパウロ州、サンタカタリナ州、リオグランデスル州他で、Sindipecasの会員企業も活用できる。また、中小で従業員数が11-200人の企業が優先で、参加費用は、コスト全体のR$18,000のうち、企業負担はR$3,000となっている。目標は、2017年までに3000社を訪問、各社20%の生産性向上を目指している。Brasil Mais Produtivoは、MDICがコーディネートし、ABDI、APEX、BNDES、SEBRAEなどからの支援のもと、生産性向上という一つの目標のためお互いに協力しながら活動している。

 この計画に関し、今後機械金属産業以外の自動車部品関連事業も含められるよう幅広く活用できることを期待していると伝えた。また、実際に成果の上がった企業の情報を共有してもらうことで、日本企業から問い合わせがある供給先紹介にも活用できるとした。また、JICAからは、自動車部品産業の講師の方に、日本のモノ作りを知ってもらう内容の人材育成研修プログラムをデザインしている段階だとの説明が行なわれた。特定の技術分野の育成より、品質管理や生産管理が中心で、日本の自動車メーカーのこだわりといった、日本の文化や心など、どちらかというとマネジメント人材の育成になる。そして研修から帰国した講師陣には、日本企業と取引のある企業や日本企業と取引したい企業を優先に対応できる仕組みが構築できれば良いと述べた。また、カマラの委員から、日本とブラジルの中小企業の違いについてのコメントがあった。リーン生産方式とは、ムリムダを突き詰めて省いていって生産性を上げることで、ジャストインタイムという言葉で表現されることもある。在庫を最小限に絞るので、何か問題が起きたときに、すぐに立ちなおしをしなければいけない。その際、それぞれの技術分野が独立して機能するのではなく、連携して協力していかなければ、現場での早期問題解決は難しいと語った。個別の技術レベルを向上させスペシャリストを育てると同時に、技術分野をまとめるマネジメント人材の育成も必要であるとした。企業哲学や日本文化にも関わるが、ブラジルでも皆で助け合っていく姿勢が現場で向上すれば、リーン生産方式も根付いていくとの議論が交わされた。

 Simples Nacionalについてカマラより、①利用対象企業の拡大、②法人所得税の還付制度の導入、③利用対象外の企業との税率格差の緩和、④他の税優遇措置の利用を可能にする併用条件の設定を提案した。それに対し、中小企業省のフラビオ氏は、現在下院を通過し、上院で議論されている改定補足法案第125/2015号が国会を通過することで幾つかの課題が改善されると説明した。この改定法案では、Simples Nacionalを適用できる売上額上限が、零細企業においては36万レアルから90万レアルまで、そして小規模企業の場合は360万レアルから1440万レアルまで引き上げられ、自動車部品サプライヤーの利用対象企業が拡大すると説明した。ただし、360万レアルの上限を超えると、ICMS税は計算式から外れることになる。ブラジルの零細企業の会計管理の現状より、法人所得税の還付制度を含めることは困難であるとの意見が得られた。また、改定法案では「成長を恐れない制度」という目標のもと税率表が設定され、急激な増税がなくなり税率格差は緩和されるとした。また、通関の特別優遇税制と輸出優遇措置の活用はできるよう、ドローバックやRECAPは活用できるようになるとの説明があった。AGIR活動で中小企業庁のテーマが議論される場合は、協力していきたいと述べた。

 最後に、自動車裾野産業育成策として、ブラジルで育成していく分野と、今から頑張っても勝てない分野、海外から持ってくる分野を分けて考えることが議論された。パウロ・グループ長は、ブラジルでは、鍛造や塗装分野などの技術が発展してきており、これは、人材育成や税優遇策などを通じて努力してきた結果だと述べた。その反面、トランスミッションやエンジンなどグローバルスタンダードに達していない分野も存在するとした。中小企業育成で早く産業が発展する分野もあるが、時間をかけて産業育成をしていかなければならない分野もある。技術不足で必要な部品が調達できない現状があり、すべての技術分野を同じように開発していくのではなく、技術分野別の産業施策を考えていく必要があると訴えた。

 これに対し、ルイス氏は、技術分野別の産業施策に対する民間のイニシアティブに期待していると述べた。最後に、今回議論できなかったBNDESのFINAME制度を含め、今後も自動車裾野産業育成事業や制度改善等に関し、継続的な政策対話をカマラと一緒に行っていくことが重要であると語った。

Fotos: Akinori Yoshida / CCIJB