運輸サービス部会に16人が参加して開催

運輸サービス部会(細谷浩司部会長)は2015年12月2日午後5時から16人が参加して開催、11月17日~18日にかけて開催されたリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック施設視察会の報告会が会議所の大会議室にて行なわれた。

細谷部会長より、視察会開催の意義や目的、視察スケジュール、参加者、リオ商工会議所との交流会、そして、視察会現場で得られた情報や体験をもとに安全面での注意点やインフラ工事の進捗情報などの説明が行なわれた。次に、長合部会長より、視察各地において、写真つきの紀行文の発表が行われた。また平田事務局長は、女性参加者を含め充実した視察会だとのコメントが寄せられていると述べ、初めてのリオ会議所との交流会や報告会など、部会の活発な活動に敬意を表した。

参加者は細谷部会長(日通)、川手副部会長(NYK LINE)、長合副部会長(NTT DATA)、廣瀬氏(Blue Tree)、桟氏(Boxon)、稲垣氏(JAL)、禮田氏(JETRO)、矢沢氏(NTT DO  BRASIL)、元好氏(Quickly)、小宮氏(Tunibra)、堤氏(Tunibra)、江上氏(WEC)、郷古氏(郵船ロジスティクス)、平田事務局長、吉田調査員、前田アシスタント

リオオリンピックパラリンピック視察会紀行文

 

外交関係樹立120年記念セミナー「日伯医療連携の未来~最新技術を拓く健康社会」開催

日本経済新聞社並びにブラジル日本商工会議所主催の外交関係樹立120年記念セミナーは、2015年11月27日午後1時から6時までルネッサンスホテルに約300人が参加して開催された。

初めに日経アメリカ社社長・日本経済新聞社の野間潔米州編集総局長が開催挨拶、梅田邦夫駐ブラジル日本国特命全権大使が来賓挨拶で日本とブラジルの外交関係樹立120周年を記念して、日本経済新聞とブラジル日本商工会議所の共催での盛大な日伯医療セミナー開催に感謝を述べ、日本とブラジルの医療協力は、昨年8月の安倍総理のブラジル訪問を契機に動き出し、厚生労働省とブラジルの保健省の間で、医療分野の協力に関する覚書が交わされ、またブラジル日本商工会議所内にもメディカル分科会が設立、日本政府は、安倍総理の訪伯以来、ブラジルとの間で3種類の協力を推進しており、一つ目の協力は、官民連携施策の推進で具体的には、MEJ(Medical Excellence Japan)と富士フイルムによる「大腸がん検診システム」の普及、JICAとテルモによるTRI法の普及、癌の粒子線治療の紹介等の施策。二つ目の協力は、日系病院を通じたブラジル医療への貢献。具体的には、JICA主催のシンポジウム開催、日系病院医師の日本研修、日本人ボランティアの日系病院への派遣。また、日系病院への日本製医療機器の無償提供も実現に向け調整中。三つ目の協力は、監督機関間の関係強化。PMDAとANVISAの協力関係は、安倍総理の訪伯以降着実に強化されており、また今年9月に厚労省・PMDAとANVISAの間の薬局方の覚書も締結。最後に、日本とブラジルの医療・保健分野の協力は、農業や鉱業分野の両国間の協力と異なり、新しい協力分野であり、今後、改善の余地は多々あると考えられる。日本は、高齢化が急速に進み、医療・保健分野で多くの課題に直面。ブラジルもいずれ高齢化社会を迎えることが確実視されており、日本の経験と教訓はブラジルの医療・保健政策にとっても有益で、二国間協力の一つの方向性を示していると述べた。

初めのパネルディスカッション1の「日伯両国が抱える医療の課題と将来に向けた対策」では、モデレーターは日本経済新聞社医療分野取材担当の木村彰編集委員が務め、パネリストの湘南鎌倉総合病院の齋藤滋副院長は、TRI法は入院期間が短くその分低コストでの手術が可能であるため、従来の方法に比べ身体的のみならず金銭的にも患者にとって負担の少ないカテーテル術であり、虚血性心疾患は、心臓に血液を送る冠動脈が何らかの原因で詰まってしまうことで血液を正常に送れなくなり、心臓のポンプ機能が維持できなくなる 疾患。虚血性心疾患に対 する治療では、これまで長く心臓を露出させて、血管をつなぐ心臓バイパス術が行われてきたが、バイパス術は身体への負担が大きいことから、近年では風船のついた細い管(カテーテル)を冠動脈まで挿入、詰まった血管部分を押し広げることで血流を改善する心臓血管カテーテル治療が主流となってきており、日本では患者の身体的負担が軽く合併症の危険性が低いTRI法が主流となってきていることなどを説明した。

内閣官房健康医療戦略室次長の飯田 圭哉 厚労省大臣官房審議官は、日本には病院が約8,500か所、診療所が約10万か所あり、病院の約2/3を占めるプライベート病院も公的病院と同様に、医療保険制度の下に医療を提供、患者は公的病院で医療を受けても、プライベート病院で医療を受けても、公的医療保険制度を利用して医療が受ける。日本は全て公的保険で国民は原則としてどこかの保険に所属、医療機関を受診した場合の医療費は全国一律で通常は窓口にて30%を支払、年齢と収入に応じて10―30%の窓口負担。保険者の中での保険料収入と医療費支出は大きく異なり、特に高齢者や自営業が多い、自治体や収入が多くない小さな会社の保険者は、政府からの財政支援を受けている。高齢化と医療費の関係は65歳以上の医療費は、65歳未満の医療費の約4倍で高齢化が医療費を押し上げる要因となっている。高齢化が進むとともに生活習慣病は増加してきて死因の60%を占め、1位がん、2位心臓疾患、3位脳血管障害となっている。

日本の医療費負担の対応策として、医療費を減らす取り組みでは後発医薬品(ジェネリック)使用を促進、保険財政の健全化を目指してリスクプール機能を2018年に都道府県に統合する予定。右肩上がりの医療需要に対応する政策から人口減少に入り、高齢化が進む中で医療の需要の変動を予測しながら、現在の医療資源を有機的に連携して役割分担していくかが重要な課題となっており、地域により人口減少や高齢化の影響も異なるので、地域が地域毎に考える仕組み作りを進めている。医療費の三分の一が入院している患者に係る経費で在宅医療も非常に重要な役割をもっており、その推進が重要なテーマとなっていることなどを説明した。

シリオ・レバネンス病院のゴンサロ・ベシーナ・ネットCEOは、ブラジルの医療システムについて1998年のブラジル連邦共和国憲法改正で1990年に統一医療保健システム(Sisatema Unico de Saude(SUS)が発足、無償での医療サービスを受けられることを謳っていたが、10年経過しても進まず、民間医療サービス加入を余儀なくされている現状を説明、地域的格差、医療教育の問題、医療施設、医師の絶対数、治療する医療から予防する医療、家庭保健プログラム、コミュニティヘルスワーカープログラムなどについて説明した。

安田マリティマ保険のフランシスコ・カイウビ・ビジガル・フィーリョ社長は、ブラジルの医療制度には問題が多く、1990年に開始された統一医療保健システム(Sisatema Unico de Saude(SUS)では充分な無償での医療サービスが謳われているにも関わらず、ほど遠いサービスに留まっており、民間の医療保健加入を余儀なくされている。

しかし民間の医療保健プランには年齢や医療施設利用、予防や治療などで料金格差が大きく、また法人向けや個人向けプランなどで料金設定が大きく異なっている。民間保険プランの料金改定はインフレ以下に抑制されているために民間保険プラン会社にとっては非常に経営が難しく、今年は初めて売り上げ減少が見込まれている。ブラジルの平均年齢は74歳であるが、幼児死亡率の減少や若者の不慮の事故死を考慮するともっと高い。患者数の過大な増加や医師の減少に伴って満足できる対応ができなくなってきているので、早急な医療保険分野の解決策を見出す必要性を強調した。

日本企業のプレゼンテーション「最新医療技術が拓く日伯連携の未来 日本企業・業界からの取り組み紹介」では、初めに中尾浩治 日本医療機器産業連合会 会長、テルモ代表取締役会長は日本の医療機器のブラジル医学界への貢献を題して、テルモ創業の志と北里柴三郎博士について説明、手首から挿入するTRI(Transradial Intervention=経撓骨動脈カテーテル術)は下肢からカテーテルを挿入する場合と比較して、術後すぐに歩けて患者の精神的・身体的負担が軽減でき、また、時に重症化することもある内出血の発生率を低減、冠動脈が完全に詰まったCTO(Chronic Total Occlusion=慢性完全閉塞)とよばれる症例へのカテーテル治療など比類のない技術を擁するテルモ製品などについて説明した。

栗田秀一日本光電ブラジル社長は、同社の歴史並びに企業理念、海外での事業展開の概要、日本光電のコア製品には、脳波計や心電計、臨床用ポリグラフ等の生体計測機器や、生体情報モニタ、除細動器、血球計数器等があり、セルプロダクションシステムの採用による高品質コントロール、イノベーションテクノロジーとして、2003年に世界で初めて自発呼吸の患者さんに最適な超小型メインストリーム式CO2センサを開発、指先にセンサを装着するだけで血液中の酸素飽和度(SpO2)を測定できるパルスオキシメータの原理を世界に先駆けて開発などについて説明した。

 富士フイルムブラジルの友納睦樹取締役社長は、ブラジル医療業界への貢献としてがん早期発見プロジェクトとして直腸がん検診、死亡率の低下や医療コストの削減、低線量レントゲン撮影機器、マモグラフィー、エンドスコピー、画像診断装置やシステム、ブラジリア連保直轄地ガマ地区のパイロット試験、サンパウロ大学病院のがんクリーニング協会設立、FUJIFILM SYNAPSE(PACS )システムを擁したJICAとの共同プロジェクトなどについて説明した。

島津製作所ブラジルの的場俊英社長は、同社の田中耕一フェローは2002年に、「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」でノーベル賞を受賞、同社は1875年に島津 源蔵によって設立され140年の歴史があり、医療画像診断機器や分析計測機器を主に製造、心臓冠動脈デジタルシステム、Light Vision System、高速がん検診装置などについて説明した。

基調講演テーマは「最新医療のより早く、安全な導入に向けて」では,独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の北條泰輔理事・技監は、承認審査業務並びに 、安全対策業務 、健康被害救済業務を3本柱で構成、審査業務の短縮、STREAMLINING OF PROCESSのSAKIGAKEの詳細説明、IPC細胞に関するR&D Strategy Consultation、世界初のクリニカルリサーチ例、国際戦略などについて説明した。

ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)のペドロ・イヴォ・セバ・ラマリョ 副長官は、最新医療テクノロジーについて実務改善のための5エレメント、GMP監査の期間短縮、医療機器審査に関する最近の改善点、医薬品や医療機器に関する規制とノティフィケーションのデッドライン、規制プロセス改善プログラムなどについて説明した。

パネルディスカッション2のテーマは「病院経営における課題と連携」、モデレーターはパネル第1部に引き続き日本経済新聞の木村編集委員が務め、初めにサンタ・クルース病院の石川レナット理事長は、サンタ・クルース病院の歴史、沿革、2000人に達する登録医師、200人の担当医師、170ベット、30緊急治療ベット、13手術室、プライベート医療プラン、堅実な病院経営、高齢化社会に対する対策、日系モデル病院の指定、日本政府機関との連携、最新医療機器を取りそろえた設備、日本語での対応などについて説明。アインシュタイン病院のミゲル・センドログロ氏は、初めに南米で最もユダヤ系を受け入れたのはブラジルであると説明、アインシュタイン病院の歴史、沿革、ミッション、ヴィジョン、年間4万件に及ぶ手術件数、ISO9000をはじめとする色々な認証の取得、南米で最新の医療機器設備、世界的な医師陣、各種のパートナーシップや追跡調査など比類のない病院の内容を紹介した。

入柿秀俊JICA理事は、中南米の中でもブラジルを中心とする日系社会では多くの日系人が医療分野で活躍しており、ブラジルには約1万5,000人の日系人医師がおり、過去約 40年にわたりJICAを通じた日本の研修で先進的な医療技術を身につけ、帰国後は診療、治療に当たるだけでなく、身につけた技術を他の医師にも伝えるなどブラジルの医療分野に貢献。中南米では、日系社会は地域開発の拠点として国の経済や社会の発展に大きな役割を果たしており、日系人自身が日本の技術協力や民間企業の海外展開の基点となることが期待されている。ブラジルの日系人医師や日系病院経営に携わる日系人を招いて日本の医療機関や医療機器関連企業などで最先端技術に触れる研修を実施。またシニアボランティアの派遣、草の根協力、ブラジルにおけるメディカルケアプロジェクトなどについて説明した。

最後に主催者を代表してブラジル日本商工会議所 貿易部会所属 メディカル分科会の藤田誠会長は、閉会挨拶で今回のこの日伯外交関係樹立120周年記念医療セミナーでは、「日伯医療連携の未来~最新技術が拓く健康社会」というテーマで、日伯両政府、医師、病院経営者、保険会社の方々に両国が抱える課題をとりあげながら、将来に向けてどのように改善していけるかなど忌憚なく意見交換ができ、今年2015年はバックトゥザフューチャーという映画が上映されてからちょうど30年、バックトゥザフューチャーの2作目ではまさに2015年の世界が描かれていた。ブラジルの医療について20年後に、ブラジルの医療制度そして医療技術が更に進化して、日本とブラジル両国の政府及び医療産業の緊密な連携が貢献してブラジル人の健康に役立っている足跡が見たいと述べて、120年記念セミナー「日伯医療連携の未来~最新技術を拓く健康社会」は大成功裏に幕を閉じた。

Pdf外交関係樹立120周年記念セミナー「日伯医療連携の未来~最新技術が拓く健康社会」のテープおこし記事(2015年11月27日)

Pdf 120周年医療セミナー 梅田邦夫大使 開催挨拶

Kiyoshi Noma, diretor-presidente do Nikkei America Inc. (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

Embaixador do Japão no Brasil, Kunio Umeda

Embaixador do Japão no Brasil, Kunio Umeda

Akira Kimura, editorialista do Nikkei Inc. (Nihon Keizai Shimbun)

Shigeru Saito, vice-diretor do Hospital Geral Shonan Kamakura e diretor da Divisão de Cardiologia e Laboratórios de Cateterismo; Keiya Iida, diretor-geral-adjunto, Escritório de Políticas de Saúde, assistente de secretariado do gabinete do Ministério da Saúde, Trabalho e Previdência do Japão; Gonzalo Vecina Neto, superintendente Corporativo do Hospital Sírio-Libanês; e Francisco Caiuby Vidigal Filho, CEO da Yasuda Marítima Seguros S.A. e da Yasuda Marítima Saúde Seguros S.A.

Koji Nakao, chairman da Federação das Associações Médicas do Japão e da Terumo Corporation

Shuichi Kurita, diretor-presidente da Nihon Kohden do Brasil Ltda.

Mutsumi Tomono, CEO e diretor-presidente da FUJIFILM do Brasil Ltda.

Shunei Matoba, diretor-presidente da Shimadzu do Brasil Comércio Ltda.

Taisuke Hojo, diretor-executivo-sênior da Agência de Produtos Farmacêuticos e Equipamentos Médicos do Japão (PMDA)

Pedro Ivo Ramalho, adjunto de diretor da Agência Nacional de Vigilância Sanitária (Anvisa)

Hidetoshi Irigaki, vice-presidente da JICA (sigla em inglês da Agência de Cooperação Internacional do Japão – Japan International Cooperation Agency), Renato Ishikawa, diretor-presidente e CEO do Hospital Santa Cruz; e Miguel Cendoroglo Neto, superintendente e diretor-médico do Hospital Israelita Albert Einstein

Makoto Fujita, presidente do Subdepartamento Médico

 

Rubens Ito / CCIJB

11月の労働問題研究会に30人が参加して開催

11月の企業経営委員会( 鈴木ワグネル委員長)の労働問題研究会は、2015年11月26日午後4時から6時まで30人が参加して開催、司会は鈴木ワグネル委員長並びにジョゼ・アントニオ・スピノーザ・ネグロ氏が務め、初めにFerreira Rodrigues Sociedade de Advogadosのルイス・カルロス・アンドラーデ弁護士は、「FAP(事故防止ファクター)-RAT(労働災害リスク)について2016年にむけての動き」について、社会保障院(INSS)の年々増加する赤字を軽減並びに企業の労働環境改善が目的で、企業に労働事故によるINSSの支出の一部を負担させるためにFAP制度が開始され、ブラジルの労働事故件数は世界3位、特に建設業界の事故が目立って多く、また大都会から離れた奥地の労働環境が悪く、安全に対する啓蒙が不十分な点やFAPのコンセプトなどについて説明した。

Pinheiro Neto Advogadosのマリアナ・ユミ・ハタナカ弁護士は、「労働問題に関する社内方針の重要性」について、社内規定の重要性、サプライヤーや顧客に対する規定、コンプライアンスポリシー、社内規定とリスクの関係、社内規定の変更などについて説明した。

PdfFerreira Rodrigues Sociedade de Advogadosのルイス・カルロス・アンドラーデ弁護士 「FAP(事故防止ファクター)-RAT(労働災害リスク)について2016年にむけての動き」

PdfPinheiro Neto Advogadosのマリアナ・ユミ・ハタナカ弁護士 「労働問題に関する社内方針の重要性」

Palestras abordaram estratégias e propostas para melhorias na gestão empresarial. (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

José Antonio Spínola Negro (Sharp Brasil), Mariana Yumi Hatanaka (Pinheiro Neto Advogados), Luiz Carlos Andrade de Souza (Ferreira Rodrigues Sociedade de Advogados) e Wagner Suzuki (Construtora Hoss)

 

100人以上が参加して2015年下期税制変更セミナー開催

日伯法律委員会並びにコンサルタント部会共催の2015年下期税制変更セミナーは2015年11月18日午後1時20分から午後6時30分までマクソウドホテルに100人以上が参加して開催、西口阿弥コンサルタント部会長が開催挨拶を行い、前半の司会は日伯法律委員の西川アキラ副委員長、後半の司会は清水 マサオ ワルテル 副委員長が行い、ポルトガル語による2015年税務制度:暫定法685号、692号、694号、連邦政府における課税プロセスの新たな挑戦、課題、生産及び在庫管理デジタル化システム – BLOCO K、PIS/COFINsへのICMSクレジット還元、特別上告835.818号に関する留意点、ストックオプションとその他株に関するプラン、従業員への福利厚生。企業が注意すべき税務、社会保障、労働法に関する主なポイント、給与課税について- 2015年争点となったポイント、憲法改正案 87/15について 州間取引におけるICMS課税システム変更が消費者に与える影響について8人の税制税制、会計監査、人事・財務担当弁護士等各分野の専門家が講演を行った。

PdfPwCのクラウジオ・ヤノ取締役 2015年税務制度:暫定法685号、692号、694号

PdfDELOITTE TOUCHE TOHMATSUのカサンドラ・デ・カルバーリョ部長 連邦政府における課税プロセスの新たな挑戦、課題

PdfKPMG のマルクス・ヴィニシウス・スレメニアン共営者 生産及び在庫管理デジタル化システム – BLOCO K

PdfTozziniFreire Advogadosのオルランド・ダルシン シニア弁護士 PIS/COFINsへのICMSクレジット還元、特別上告835.818号に関する留意点 

PdfTrench, Rossi e Watanabe Advogadosのルシアナ・シモエス シニア弁護士 ストックオプションとその他株に関するプラン 

PdfPINHEIRO NETO ADVOGADOSのクリスティアーネ・マツモト 福祉関連共営者、ウイリアム・クリスターニ シニア弁護士、チアゴ・テノ 労働法関連シニア弁護士 従業員への福利厚生。企業が注意すべき税務、社会保障、労働法に関する主なポイント

PdfGAIA, SILVA, GAEDE & ASSOCIADOSのジェオルジオス・テオドーロス・アナスタシアヂス税法担当取締役 給与課税について- 2015年争点となったポイント

PdfEYのアニー・マツウラ シニアマネージャー 憲法改正案 87/15について 州間取引におけるICMS課税システム変更が消費者に与える影響について

Aya Nishiguchi, Renata Ferreira Leite, Cassandra Alcalde de Carvalho, Kleber Araújo, Orlando F. Dalcin, Cláudio Yukio Yano e Akira Nishikawa (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

William Roberto Crestani, Thiago Teno, Cristiana I. Matsumoto, Anny Matumura, Georgios Theodoros Anastassiadis, Valter Shimidu e Luciana Simões de Souza

 

Os participantes do seminário proporcionaram um debate de alto nível e enriquecedor.

Rubens Ito / CCIJB

 

運輸サービス部会主催のリオオリンピック施設視察会開催

運輸サービス部会(細谷浩司部会長)主催のリオオリンピック施設視察会は、11月18日、19日に行なわれ、商工会議所の建築不動産、貿易、金融、食品、コンサルなど多種の業界会員やリオ現地から、家族の参加を含め総勢41名参加しての視察会となった。

リオオリンピック開催4地区のうちデオドロ地区以外の、バーハ地区、コパカバーナ地区、マラカナン地区をバスで移動しながら周った。また、2日目の午前中には、宿泊ホテルでリオデジャネイロ商工会議所と総領事館の協力の下、安全対策の勉強会と交流会を実施した。天気にも恵まれスケジュール通りにも関わらず、リオのペースはサンパウロとは違いゆっくりしていた。リオはホテルやレストランのサービスもゆっくりしているようで、バス移動にも時間はかかった。リオのペースを考慮して余裕を持ってスケジュールであったのか、安全で無事終了することができた。

サントスドゥモン空港に着いた一行は、リオ現地集合組みと合流し、バスに乗ってバーハ地区に移動。空港やホテルのあるリオの中心地から、大会種目の多いバーハ地区へのインフラ整備が最重要課題であるといわれているとおり、メトロやBRTといわれるバス専用レーンなどは建設中で、すでに試運転されていなければならないが交通インフラ工事は開催前ギリギリまで続きそうである。

バーハ地区で昼食をすませ、シグマックスの堤さんの協力で難しいといわれているゴルフ会場の視察が実現した。112年ぶりの競技復活となるゴルフコースが新規建設中で、その建設に携わっているデザイナーの緒方信行氏とコース設計者のジル氏が一行を待ち受け、彼らの案内のもと約1時間ゴルフ場を歩いた。設計や施工に携わる方々との意見交換はゴルフファンにはまたとない貴重な経験となった。自然を取り入れたコースは広く、平面に広がりきれいに見えた。大会後はパブリックコース、またツアーを呼ぶことなども計画されている。

次にプレオリンピック卓球大会が行われているリオセントロに向かった。6回のオリンピック出場経験のあるウゴ・オヤマさんの協力により招待券を頂き大会会場に入ることができた。家族やメディアや卓球関係者以外の観客はほとんどなく、大会というよりは、競技施設や設備、そして審判など裏方や運営のテストイベントであった。海外選手は南米からにとどまり、ほとんどブラジル選手同士でのプレ大会であった。最後にウゴ・オヤマ氏より、日本研修での指導、ブラジル卓球選手の強化には日本の支援があったとの説明を受け、日本とブラジル卓球協会の強い絆が見えた。

一日目の最後にリオセントロの隣にある選手村を訪問した。これも堤さんの協力を得て、リオで不動産業を営んでいるペレイラ・エミコ氏に選手村のモデルルームを案内してもらった。選手村として活用されるアパートが立ち並ぶIlha Puraは、OdebrechtとCarvalho Hoskenが建設に携わり、これもほぼ完成しているように見えた。Ilha Puraモデルルーム見学中には、オリンピック後の不動産の販売状況などの質問もされ、現場視察でしかできない体験ができた。一行はその後、バスでホテルまで移動し、コパカバーナ海岸沿いで夕食をとって一日目を終えた。

2日目の午前中は、リオデジャネイロ商工会議所と総領事館との共催で、平田事務局長の司会の下、リオオリンピック安全対策勉強会、商工会議所交流会が実施された。リオ総領事館からは、オリンピック・パラリンピック担当の山下領事、治安関係担当の永田領事が貴重な講演をした。また、カマラからは、安全対策について川口大二郎相互啓発副委員長、また運輸サービス部会からの情報として、ホテル業界の広瀬氏、旅客業界の坂本氏、そして旅行業界の小宮氏からの発表もあった。講演後の質疑応答では、予定時間を超えるほど興味のある質問がかわされた。司会を務めていた平田事務局長からも、初めての交流会とは思えないほどすばらしい勉強会、そして交流会となったとの感想があった。

その後、バスでボタフォゴのレストランへ移動したが、連休前ということもあり移動には時間がかかった。また、昼食後の移動も渋滞はあったが、サンボドロモに立ち寄り、開会式・閉会式が行われるマナカナンスタジアムに到着した。2014年のワールドカップに合わせて完成したスタジアムで、最新のすばらしいスタジアムツアーができた。グラウンド、記者席、観客席を周るツアーは、これなら開会式・閉会式が問題なく行われると感じさせるものであった。ここでリオ現地集合組みと別れ、一行はマラカナンからガレオン空港まで移動したが、この道も渋滞でやはり余裕を持ったスケジュール作りが大切だ。

地区ごと、そして会場ごとに工事進捗状況はばらばらであったが、オリンピックは近づいているのだと実感できた視察会だった。なによりオリンピック開催を待ち望んで一生懸命働いている裏方の人達と現場にて意見交換をする貴重な体験ができた。カマラとしても、ブラジルで開催されるオリンピックを何とか成功させ、何か協力できることは行なっていきたい。インフラ整備の遅れは取り戻せるのか、また治安に関してはきちんと対策がなされているのか、確かに課題は残されている。しかし、みんなで力を合わせてリオオリンピックを成功させようとする気持ちが伝わってきた。カマラの会員同士の交流も深められたと参加者からの声も聞こえた。オリンピック開催はリオの次は東京、日伯交流にはまたとない大イベントだ。準備はまだ続いている。

 

 

異業種交流委員会主催の「フォーラム・タカノリスズキ」開催

異業種交流委員会(江上 知剛委員長)主催の「フォーラム・タカノリスズキ」は、2015年11月17日午後1時から3時まで鈴木孝憲氏(元ブラジル東京銀行会長)の講演テーマ『 いま ブラジルをどう見るか』、アキヒロ・イケダ氏(サンパウロ大学教授)の講演テーマ『マクロ経済の状況』に40人以上が参加して開催、コメンテーターはシゲアキ・ウエキ元鉱山動力大臣、江上委員長は開催挨拶で鈴木フォーラムの経緯について説明、また特別参加のインドネシアや韓国大使を歴任したエジムンド・フジタ氏、上智大学の堀坂浩太郎教授、二宮正人サンパウロ大学教授を紹介した。

アキヒロ・イケダ氏は講演テーマ『マクロ経済の状況』について、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ大統領の第一次政権、第二次政権、ルーラ大統領の第一次政権、第二次政権、ジウマ大統領の第一次政権、1年目の第二次政権のインフレ指数、財政プライマリー収支、経常収支、名目金利の比較、GDPに占める公共負債の推移、製造業部門の貿易収支、為替、失業率、名目賃金の比較、ブラジル経済は景況感上昇に伴って投資の活性化、ブラジルの農畜産部門のポテンシャルなどについて説明した。

鈴木孝憲氏は『 いま ブラジルをどう見るか』について、ブラジル経済の実態はそれほど悪くないと前置きして、FHC政権では小さな政府を目指して25まで省庁を縮小したにも関わらず、PT党が政権を取ってから39省庁の大きな政府となって副作用が出てきたために、ジウマ第二次政権で縮小、貧困層から中間層への拡大するための社会福祉政策によるバラマキ政策を採用して財政が悪化している。

民間企業の利益獲得の罪悪視やインフラプロジェクトの利益還元率の制限などで、連邦政府への信頼感低下で民間投資が減少して国内総生産が低成長と悪循環に陥っており、朝令暮改のようなめまぐるしい入札条件の変更、コントロールできないインフレ、明確になってきたラヴァ・ジャット作戦による汚職疑惑による国内外の信用低下やBNDES銀行のクレジット疑惑の行方、中銀発表の軒並み悪化してきている経済指標、レアル通貨に対するドル高の為替の影響、国際コモディティ価格下落による貿易収支の悪化について説明した。

しかしブラジルの2億人に達する消費マーケットや鉄鉱石をはじめ世界的供給可能な多様な天然資源や未開発の膨大な農耕地を抱える農業ポテンシャル、製造業に目を向けると、数か国が自在に話せて世界で最も経営が難しいとされるブラジル企業を運営する数多くのエグゼクティブの存在を説明、欧米企業は長期的投資の視点に立って、経済リセッションに陥って株価が低迷して時価総額が軒並み下落しているブラジル企業をターゲットに企業買収のチャンスと見て積極的にM&Aを進めているが、日本企業は短期的な視点に立った戦略をとる傾向にあると指摘、最後にブラジルでは目新しいものや必需品は売れる傾向にあり、また一例として日系エレベーター企業は新規注文が獲得できないために保守点検やモデル改造でビジネスチャンスを見つけており、日本本社に対してブラジルに目を向けさせる情報を提供する必要があると強調した。

左から村田俊典会頭/異業種交流委員会の江上知剛委員長

左からアキヒロ・イケダ氏(サンパウロ大学教授)/シゲアキ・ウエキ元鉱山動力大臣

左から講演中の鈴木孝憲氏/エジムンド・フジタ氏/村田俊典会頭/異業種交流委員会の江上知剛委員長

左からアキヒロ・イケダ氏(サンパウロ大学教授)/シゲアキ・ウエキ元鉱山動力大臣/鈴木孝憲氏

左から上智大学の堀坂浩太郎教授/アキヒロ・イケダ氏(サンパウロ大学教授)

【鈴木孝憲氏基調講演の記録】

(はじめに) 

 いま、ブラジルをどう見るか。日本の本社から、「ブラジル、どうなっているのか」と言われ、ブラジル企業家の悲観論に、マクロ経済や政治の悪いニュースばかりだがこれらに気を取られていてはいけない。欧米外資は低成長の中でも、ミクロの企業レベルの活動を引続き活発に行い 大型投資も実行している。こういうポジティブな面を見るべきだ。今日はそういう話をしたい。

 

( 1 ) PT政権の腐敗と失政

PT(労働者党)政権が登場したとき、ルーラの左派路線を懸念して為替市場で大きなドル買が起きたが、実際にはルーラがカルドーゾ路線を継承したため為替は落ち着いた。実際にPTの功績としては所得格差是正政策により低所得層の所得を引きあげ国民の半数を超える新中間所得層Cクラスを出現させたことだ。これで消費ブームが起き、巨大な国内消費市場が形成された。

しかしいま、この副作用が出ている。つまりPT政権は“大きな政府”になってしまった。省の数でいえば、カルドーゾ時代に25あったものが39まで増えた。当然、公務員の数も増える。ボルサファミリア(低所得層への生活費補助)も低所得層からは歓迎されたが、結果的にはバラマキで財政の悪化につながった。財政の基礎収支はカルドーゾ政権時代にはIMFのリコメンデーションもありGDP比4%程度の黒字まで改善していたが、PT政権下で徐々に悪化し、遂に2014年にはGDP比0.5%の赤字に陥っている。

それにしても、なぜリセッションなのか。先ず民間投資がストップしてしまったことが最大の原因。民間企業の政府に対する信任が完全に落ち込んだからだ。先行きどうなるかわからなければ、投資しない。信認を低下させた最大の要因はPTの経済介入姿勢であり、電力料金の強制的な引下げや、インフラプロジェクトの入札に投資収益率の上限を設定するなど制限を加えたことが具体例。このように、PT政権が民間企業の利益を罪悪視しているというイメージを与えたことは経済に大きなマイナスだ。また、PT政権がルールをころころ変えること、制度として認められている輸出税の払い戻しをなかなか行わない、といったことも民間企業の不信と不満を高めている。

国民はインフレで不満が高まっている。何よりPT政権の信用を失墜させている原因は汚職のオンパレードだ。2005年のメンサロン事件(PTによる連立与党議員の買収事件)から最近のペトロブラスを舞台とする史上最大の汚職ラーバ・ジャット事件、経済社会開発銀行BNDESを巡る汚職などで、今のところ贈賄側の企業幹部が逮捕されているが、収賄したほうのPT首脳部の政治家へどこまで捜査の手が伸びるか予断を許さない状況だ。

因みに国際NGOによる最近の調査ではブラジルの透明度指数(汚職が少ない国ほど上位)は176か国中69位でペトロブラス大汚職にもかかわらず4年前と同じ。ブラジルは中国より上位(汚職度少)にある。ラーバ・ジャット事件で司法の独立性が評価されている模様だ。中南米ではチリが先進国並みの高評価を受けている。このところ、ブラジルでは、①汚職防止法、②司法取引の法制化、③マネーローダリング規制法、といった先進国に倣った枠組みが整備されつつあるため、ビジネスでも十分な対応が必要だ。

 

( 2 ) 経済の現状と政治危機

先ず経済の現状だが、11月13日までのブラジル中銀見通し(FOCUS)によると、インフレは今年末10%を超えて来年末は6.5%、実質GDP成長率は今年▲3%で来年は▲2%、中銀基準金利SELICは今年末14.25%で来年末13.25%、為替レート(対ドル・レアル)は今年末3.98で来年末4.20といったところ。

レアル安の最大の問題点は輸入インフレの原因になることだ。レアルは2014年末の2.65から最近の3.80へと43%も切り下がっている。輸入価格調整を通じた物価への波及すなわち国内価格調整が終了するまでには約1年半ほどかかる(中銀の見た経験則・パストーレ元総裁)。 

昨今のレアル安の影響は来年一杯から2017年前半まで及ぶだろう。またブラジル人の海外旅行は当分減る。輸入原材料・部品の価格高騰により、それらの国産化が始まろう。外貨建て借入のある企業は、債務が膨張して大変だろう。

一方、輸出企業はこのレアル安で動き始め、農産物やセルロース関連が伸びている。安価な輸入品に押されていたブルメナウの繊維工業あたりも息を吹き返している。為替は、今後、米国金利の引上げがあれば、その影響は不可避だろう。とにかく企業にとっては、輸出でも輸入でも大きな為替レート変動がおさまって一定の水準に落ち着いてくれることが望ましい。

政治危機に目を転じると、国会対策がうまくいっていない。ジルマのインピーチメントが実現するかどうか、今のところわからないが、政府の国会運営ができなくなった場合、PMDB(ブラジル民主運動党、連立与党中最大党、総裁テメールは副大統領)が国会を握り政府を傀儡化して2018年まで引きずるかもしれない。このところ税収もどんどん落ちており、カリェイロアス上院議長(PMDB)が「ブラジル行動計画」を作成し政府に渡している。これは省の数削減など27項目からなるが、今のところ進捗なし。一言でいえば政治危機の出口が見えない状況だ。ラーバ・ジャット捜査の帰趨や下院議長クーニャの去就などで状況は大きく動くだろう。

 

( 3 ) いま、ブラジルをどう見るか

一次産品価格の下落、中国経済の減速、原油価格の低迷などが継続し、今のブラジル経済を反転させるきっかけがなかなか見えない。但し、農産物や石油などの価格低迷はヘッジファンドなどによる売り持ちの影響もあるので、いつまでも続くとは思えない。ブラジルのみならず世界経済は全般に良くないが、必ずどこかで底打ちするだろう。

こうしたネガティブな環境の中でこそ、将来の回復を信じてブラジルの「強み」を見直しておきたい。第一に、ブラジル経済の規模(GDP)は世界7位で、日本に馴染み深いアセアンの合計に匹敵する。第二に、国内に2億人の消費者(巨大な消費市場)が存在する。第三に、食糧・農産物生産能力、輸出力は世界で断トツの一位だ。近い将来、世界で食料争奪戦が起きた場合、カギを握るのはブラジルだ。

( 4 ) 欧米外資のブラジル戦略

巨大な消費市場へ喰い込んでブラジルにグループ収益の柱を構築したい、というのが欧米外資のブラジル戦略だ。 具体的にブラジルが他のBRICsの国々と異なる特長が三つある。第一は一貫して資本主義国で来ていること。これはブラジルだけだ。第二に、外資差別がないのもブラジルだけ(1995年に撤廃)。第三に、1962年の外資法、法律4131号により、中銀に登録すれば外資の持ち込む投資金や貸付金の元本の償還、配当金や金利の送金の権利が保証されている。

今、ブラジル企業家は悲観論一色で、日系進出企業の経営者もこれに影響されているようだ。日本の本社への報告はブラジルの悪いニュースばかりで、ブラジルでの企業活動が実質ストップしてしまった先もあり大部分は動けないでいるようだ。ところが欧米外資は。長期戦略に基づいて、大規模な投資を計画通りに進めているのだ。

具体的には2010年あたりから、欧米外資のグローバル展開の中で、ブラジル拠点が収益の柱に成長してきている例が増えてきた。ブラジル拠点の売上が本社より大きい例として、フィアットとワールプール(米国の白物家電メーカー)がある。ブラジル拠点が2位の外資には、ネスレ、ユニリーバ等がある。いずれも長期戦略に基づいてブラジルで事業を展開しているが、彼らは短期的にもリスク管理を怠っていない。インフレ、金利や為替の動きには十分にヘッジ対応している。

なぜ欧米外資はブラジルに本気なのか。スペインの通信会社・テレフォニカの決意が如実に示している。1998年、通信の民営化を機にブラジルへ進出する彼らと会った際「欧州は市場がこれ以上伸びない、その上、競争が激しく投資しても儲からない。グループの21世紀の生き残りをかけてこれからも成長が期待できるブラジルに収益の柱を構築することに決めた。」と語っていた。同社のこの時のブラジル投資額は75億米ドルに上っていた。

こうした欧米外資の戦略とはどういうものか。基本的には、人を中心とした、経営の徹底した現地化だ。彼らは、社長や役員をはじめとする枢要ポストにブラジル人エクゼクティブを配置し、フル活用している。社内のコミュニケーションも、当然、すべてポルトガル語で行われている。ブラジルの日系進出企業では、最近、英語を社内公用語にしているケースが多いが、日本人・ブラジル人双方が英語のネイティブスピーカーレベルでない限り、簡単な報告程度ならともかく、実質的な議論にならないだろう。ブラジルフィアットは、2万人の社員のうちイタリア人はたったの18名で、役員10名中イタリア人は2名だけだ。いかに現地化が本物か判るだろう。またブラジルユニリーバでは、マーケティング担当役員は既婚で子持ちのブラジル人女性だ。大学で経営学を専攻し、ブラジル人の感性が判っている。

では、こうした欧米外資の足もとの動きはどうか。第一に、ブラジル企業をターゲットにしたM&Aが活発化している。株安とレアル安で買収コストがかなり安くなっているためだ。非公式な情報だが、先行しているのは米英勢だという。彼らは、今が買い時、仕込み時の千載一遇のチャンスと捉えている。第二に、株安だろうとレアル安だろうと、投資を長期プランに沿って着実に進めている動きだ。典型的なのは、ブラジルフィアットのペルナンブッコ新工場落成。この不況下に70億レアルを投下、サプライヤーも16社連れてきた。トリノ本社のマルキオーネCEO曰く、「こうした不況時にこそ投資するべく体力を蓄えてきた」、「ブラジルには良い自動車を買いたい消費者はまだたくさんいる」、「景気が回復してから新工場を建設しても遅い」。第三に、堅調なプレミアム市場にフォーカスした戦略だ。独自動車3社のプレミアム市場向け新車販売が、今年は昨年比33%増だという。AUDIはこの9月にA3の国産工場を完成、BMW国産化をスタート済み。ベンツもCクラス国産化用の工場を建設中だ。ブラジルには、この不況下でも高級品を購入できる消費者が非常に多い。また、これとは逆に、不況下で価格に敏感になっている中低所得層向けに拡販しているスーパーマーケットがある。スペイン系の「DIA」だ。単なる安売り屋ではなく、スペイン本国でビッグデータを活用してマーケティングを行っている。地産地消が基本戦略でブラジル市場に根を張り、今年は昨年比2ケタ増の売り上げを達成しているという。

このように、欧米外資はこんな時期でも、概してよく健闘している。一方、日本勢は短期的な視野しか持たず、コストダウン狙いのアジア投資が一般的で、ブラジルに対する姿勢が欧米と全く違うように思える。

 

( 5 ) 結び

ブラジルでは、高付加価値品、新しいもの、生活に欠かせないもの、がどんどん売れる。例えば、エレベーター製造のシンドラー社(親会社スイス)をみると、最近、新しいエレベーターを売るための新築ビルが増えない為、既存エレベーターの保守点検修理サービスを拡充したところ、売上が大幅に伸びたという。サンパウロ市だけでも20階以上の高層ビルは90年代はじめに1000棟を超えニューヨークのマンハッタンを抜いてその後も増えているから、いい着眼点だ。このように、掘り起こせば需要はどこにでもあるのだ。また、ブラジルの自動車保有台数は5,000万台に上るが、このところの新車販売低調の反面、中古車の部品交換需要が増えている。このため補修用部品の販売が堅調推移し、設備投資を行う部品メーカーもあるようだ。このように、ブラジルでも工夫して分析すれば、ビジネスチャンスは無限にある。

日本の本社には、ブラジルといえば悪いニュースばかりが入りやすい。本日述べたように、こんな不況下でも、ブラジルではいろいろなビジネスが動いている。一般にブラジルの企業家は超悲観的になっているが、日系進出企業はそうしたブラジル勢に倣うのではなく、欧米外資の動きを検証、分析して本社に報告すべきだ。そのようにして、本社の顔をブラジルに向けさせることが、目下、日系進出企業のブラジルCEOに課せられた大切な役目だろう。

大いに奮発して頑張って頂きたい。

以上で本日の私の話を終わらせていただきます。

 

石嶋勇日系社会副委員長が日系5団体会議、日伯社会文化統合協会総会に出席

石嶋勇日系社会副委員長は2015年7月17日午後に文協で開催された日系5団体会議並びに日伯社会文化統合協会総会に出席、臨時総会並びに評議会では、評議員および幹事については全員一致で留任が決議、評議員会長は菊池援協会長から呉屋文協会長に交替した。

第38回カマラゴルフ大会を相互啓発委員会が開催

2015年11月15日(日)、第38回カマラゴルフ大会がサンパウロPLゴルフクラブで盛大に開催されました。今回は39名の皆様のご参加を頂き、表彰式も大盛況となりました。

優勝は井上様(JETRO-SP)がLILY47・PANSY47、HC26、NET68のスコアで獲得、2位には森口様(STARTS)、3位には青山様(KURASHIKI)が入りました。また、ベストグロス賞は村田様(BANCO DE TOKYO-MITSUBISHI)と青山様(KURASHIKI)が GROSS 84で獲得されました。

2015年のカマラゴルフ会はこれで終了となります。今年一年カマラゴルフ会にご理解、  ご協力賜り御礼申し上げます。来年は2月13日(土)に2016年最初のカマラゴルフ会が開催されます。多数の皆様のご参加をお待ちしております。

           

                               相互啓発委員会一同


      

(写真:相互啓発委員会)

AGIR第1回日伯政策対話がスタート

政策対話委員会は2015年11月11日、ブラジリアの開発商工省(MDIC)を訪ね、去る9月にカマラが提言したAGIR優先5項目への今後の取り組み方法について意見交換を行った。カマラがこれまで要望してきた日伯政策対話がいよいよスタートした。

会議所からは政策対話委員会の松永愛一郎委員長(ブラジル三菱商事社長)、櫻井淳副委員長(三菱商事中南米統括付マネージャー)、事務局からは、平田藤義事務局長、天谷浩之アドバイザー、吉田章則調査員が出席、開発商工省からは、タイス・ドゥトゥラ経済特区局長、マリア・ミラニ貿易アナリスト、カルロス・フレース産業開発庁プロジェクトスペシャリスト(スマートグリッド担当)、マルシオ・ガバルド貿易アナリスト(自動車産業担当)ら担当官10人、日本大使館から下司剛生二等書記官(経済産業省)に出席いただいた。

冒頭、進行役を務めたマリア氏から、本日の会合は去る9月に開催した日伯貿投委での合意事項を受けたものであるとして、優先5項目に挙げられたブラジルサプライヤーの競争力強化、自動車業界におけるエンジニアの養成、利便性のある経済特区、海外投資家に対するインフラ投資環境の改善、スマートグリッド導入の各項目について日本側から種々インプットを得て、今後の施策に生かしていきたいと、今後の政策対話活動への期待が示された。

これに対し松永委員長は、ブラジルの産業競争力強化、インフラ整備の促進とこれによる両国企業間のビジネス機会の拡大に向け、日本官民の経験をお伝えするなどして可能な限りのお手伝いをしていきたいとして、両国にとっての本対話機会の意義を強調した。

第一回政策対話の概略は以下のとおり。

●提言項目1「ブラジルサプライヤーの競争力強化を図る産業施策の策定-部品メーカーへの税制優遇策等、中小企業支援施策の策定-」

●提言項目2「自動車業界における裾野産業の振興-より高いマネジメントスキルを持ったエンジニアの養成」

MDIC⇒ブラジル自動車業界にはOEMメーカーは多々あるものの、サプライヤーのレベルが低い。エンジニアの技術レベルの向上が重要と考えており、日本側にはその実現に向けた研修事業への協力を期待している。

カマラ⇒技術レベルの向上を図ることは日系自動車メーカーも大いに期待している所であるが、技術だけ高めても中小企業の成長は図れない。習得した技術を具現化できる設備がなければ宝の持ち腐れであり、能力の高さをPRできる販促機会が得られなければ海外輸出にも繋がらない。研究開発や設備投資を税制面から支援する制度も有効で、経営資源が限られる中小企業を育成するには技術教育以外にも行政、商工会議所などの経済団体がそれぞれ取り組むべき役割がある。もしMDICに興味があるなら、日本国政府、ジェトロ、日本商工会議所が、これまで日本国においてどのように中小企業育成に取り組んできたのかをご説明することも可能だ。

●提言項目3「利便性のある経済特区(ZPE)、輸出促進特区の設置と効果的な運用」

MDIC⇒ZPE制度は1988年に出来たもので、2007年から2010年にかけて大幅な条項改定がなされた。改定の過程では、中国、韓国、台湾、フィリピンの制度を参考にした。現在、インセンティブパックを見直すための法案が国会で審議中であり、2016年中に改定される予定。本ZPEの利用促進には次のことが必要と考えており、日本企業への橋渡し役をカマラに期待している。

①ZPE制度を理解してもらうこと、

②ZPEを利用したい企業の紹介を得ること、

③ZPE機能を活用して一次産品の付加価値向上に繋げること、

④先行するZPE(セアラー州)を見学してもらうこと、

⑤輸出志向の自動車産業に特化したZPEを設置すること、

カマラ⇒現状、伯政府の期待どおりにZPEが利用されているとはいえない状況にあると認識している。インセンティブや特区の運営方法について改善すべき点があるとお考えなら、6000社近くの日本企業が進出しているアセアン、インドにおける経済特区の仕組み、特にアセアンでは日系商社が工業団地の運営に多く携わっているので、税制上のインセンティブはもちろん、民間主導で特区運営を行なうにあたっての企業側の視点から見た課題等について情報提供することも可能だ。

MDIC⇒ぜひ話しを伺いたい。日本企業がこれほど多く利用している特区の制度や団地内の各種サービス機能、開発業者の視点から見たインセンティブのあり方について情報を得たい。

●提言項目4「インフラ整備を促進する金融制度改革-海外投資家に対するインフラ投資環境の改善-外貨導入によるインフラ整備の促進-」

MDIC⇒本件の所管は中央銀行や財務省、予算企画省となり、必要があれば直接関係省庁とコンタクトをお願いしたい。

カマラ⇒カマラでは大変重要なテーマと認識しており、現在、チリ、メキシコ、ペルー3カ国の外貨導入施策の比較調査を行っている。これに基づき伯政府への提言書を取りまとめることにしているので、出来次第、担当官に直接コンタクトを取るようにする。

●提言項目5「投資促進のための重要インフラの整備-電力の効率的利用によるエネルギーコストの削減/スマートグリッドの導入」

MDIC⇒MDICでは現在、スマートシティに向けたマッピング作業を行っており、これまでに11カ国(米国、カナダ、日本、中国、韓国など)の状況を調査した。日本にはICCJ(総務省情報通信認証連絡会)の研修に職員を派遣した。ブラジルでは既に、日系企業数社がエネルギー効率化に向けた事業活動に取り組んでおり、地場の電力会社10社でもスマートグリッドプロジェクトを進めている。今後、スマートグリッドの普及にはより多くの企業、大学、消費者らの参画と協力体制が必要になるとともに各種規制の見直しが求められる。日本企業には、他国でのビジネスを含めこの分野で知見を有する企業が多いと理解している。

カマラ⇒知見のある日本企業と共に、ブラジルにスマートグリッドを普及させるに際し必要と思われる施策、課題等について情報提供を行なうことも可能だ。

MDIC⇒大いに期待している。その場合、スマートグリッドに止まらず、“スマート”をテーマに最先端分野についてのインプットもぜひお願いしたい。

次回会合では、上記提言項目1、2に係わる日本官民による支援活動の一環として、日本国における中小企業育成施策等について関係機関からプレゼンテーションを行う予定。

本会合の終了時を見計らい松永委員長と平田事務局長は副大臣室でマルセロ通商サービス局長と面談、MDICと当会議所の関係は「お互いパートナーとしてAGIR活動を強力に推進して行こう」と確認し合った。

以上