スエリー・カルダス*
2兆1,690万レアルに達した公債の利払いと償還を目的に、ジウマ・ロウセフ大統領は、2014年に808億レアルのプライマリー収支黒字を計上すると公約した。だが7月の時点で、黒字額はわずか152億レアルに止まっており、残る5か月間で656億レアルの黒字を確保する必要がある。ジウマ大統領を茶化して、「例え牝牛がくしゃみをしようが(「何が何でも」の意味でジウマ大統領を牝牛に例えた)」この目標を達成するのは可能で、何となれば、達成の法的根拠を与えるのが彼女自身だから、などと言われる始末だ。これまで月間の平均黒字額が22億レアルだったところへ、今後は12月まで毎月131億レアルの黒字を積み上げる必要が生じており、魔法の力を借りるか奇跡を起こすかという、彼女自身も持ち得ない力を注ぎ込む必要がある(もし彼女がそうした力を備えているのなら、公会計よりは今般の選挙で政敵を打ち負かすためにその不思議な力を最後の一滴まで振り絞るはずだ)。
そこで、だ。辞任が決定した財務大臣のスタッフは、この公会計の辻褄を合わせるために何をやるだろうか? 絶望的なまでの一時しのぎの方便探しだ。つまり、配電会社に対する助成金を40億レアル規模で削減することであり、税金を滞納している企業に対して金利と罰金の支払いを免除することであり(これは滞納税回収計画:Refisと呼ばれる)、第4世代携帯電話(4G)の周波数オークションで望外の売却益が転がり込むことを無心に祈ることであり、ブラジル・ソブリン・ファンド(FSB)から35億レアルを引き出すことを計画することなのである。その上、そこかしこで投資を削減するだけでなく、マイホーム普及計画(ミーニャ・カーザ・ミーニャ・ヴィダ)のような社会政策も縮小させている。一方で、優れた行革によって避けるべき、公的機関という巨大な機械の日常的支出は、継続されており、むしろ、選挙イヤーに当たって増加していると言って良い。
ジウマ政権下の4年間で、プライマリー収支黒字に対する長ったらしい言い訳が繰り返されてきた。投資家に強くPRするために連邦政府は、達成できないと分かり切った財政目標を設定し始めたのだが、年度の収支の辻褄を合わせるために彼らは、つぎはぎだらけの金庫から資金を引き出し、派手な細工をし、信用を失墜させることになる。余りの乱用ぶりに、このトリックは不評をこうむり、不信感に駆られたと民間部門の投資家は投資を凍結した。2013年の公会計の目標不達成(創造的会計を活用してもプライマリー収支黒字はGDP比1.9%に止まり目標の2.3%を下回ったのだ)を受けて、ジウマ大統領は、彼女の経済スタッフを召集して次のように指示した。曰く、2014年には財政目標を達成可能とすること、それも、黒字を膨らませるトリックなど一切使わずに。
そこで財政目標をGDP比1.9%に下方修正したのだが、それでも茶番の連続は避けられなかった。年度末まで残すところ3か月にして、連邦政府はまたもや、公会計で収支の辻褄を合わせようと、資金の確保に絶望的な努力を払っている。だが、策略をめぐらすための弾薬は底を突き、衰え、枯渇した。9月23日に実施された4Gの周波数オークションにOi社が参加しなかったことで、プライマリー収支黒字の確保に向けて連邦政府が皮算用していた80億レアルの売却益が、30億レアル縮小した。FSBがブラジル銀行(BB)株で運用している35億レアルの資金を引き出し、公会計に求められるアクロバティックな遣り繰りのために移転する。この創造的会計は、2012年の期末のわずか数日間にも実施され、一切の透明性もなく、悪意に満ちた批判が繰り広げられ、連邦政府のイメージを大きく損なった。もし、今回もこれが繰り返されるなら、まさに自滅だ。
連邦政府の予算というものは、柔軟にできていない。固定的かつ永続的な勘定科目(社会保障と保健、教育、その他)がしっかりと根を張っているのに加えて、税収の拡大は経済成長に依存しているのだが、この点でもジウマ政権は凡庸な数字に止まった。解決の道は、予算の中でも柔軟な部分の削減なのだが、この4年間というもの、まさにその正反対に突き進んできた。つまり、経常支出は、インフレ率以上に増大してきたのだ。なぜかって?
選挙に当たって汚職と浪費の撲滅に加えて、貧困層への懸念を表明する候補者(これはあらゆる候補者がそうだ)が直ちに指弾すべき、公的支出を拡大させる構造的な問題が存在する。その問題とは、公的機関という巨大な機械、39省を数える肥大した組織であり、そこでは、自党に利益を誘導しようという後ろ向きの駆け引きが繰り広げられている可能性があり、非効率で、余りにも煩雑な手続きにより作業が続けられている。フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(FHC)元大統領は政権終了時に24省を数えたが、ルーラ前大統領とジウマ大統領は、単純に労働者党(PT)への支持を取り付ける目的で、貪欲な連立政党を保護し彼らに予算を確保しようと、(高コストで無益な)15省を創出した。むしろ15省だけで統治するというのは、国家が効率的であれば十分な規模であり、余剰の資金を社会分野や上下水道の拡充に振り向けることができる。
ジウマ大統領は、既に、再選すれば現在の39省を維持するとコメントしている。ただ彼女は、それがなぜかを説明していない。(2014年9月28日付けエスタード紙)
*スエリー・カルダス:ジャーナリスト、リオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RJ)教授








